新聞の書評欄で知った一冊を読んでいます。
『女子学生、渡辺京二に 会いに行く』
渡辺京二×津田塾大学三砂ちづるゼミ
亜紀書房 2011年9月29日 第1版第1刷発行
渡辺京二さんは、1930年生まれの熊本在住の評論家だそうです。
私は不勉強で、知らない方でした。
老評論家と女子大学生との対話がどのように展開するか楽しみで手にしたものです。
各所に、素敵なことばが語られています。
一つだけ、引文しておきます。
僕は、普通の人間というのは、さっきから言っているように、自分を取り巻いている自然を十分に楽しみ、男女の仲を楽しみ、生まれた子どものことを楽しみ、あるいは自分を取り巻いている人間とのつきあいを楽しむ。もちろん失望や怒りも感じるだろうけど、しかし自分とは違う人間がいて、いつもつきあいの中の楽しさもあった。それだけで十分。それが基本だということです。無名に埋没せよ、ということです。