尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

坂東三津五郎、栄久庵憲司、眞鍋理一郎他ー2015年2月の訃報

2015年03月08日 23時41分28秒 | 追悼
 2月の訃報より。大きく伝えられたのは、坂東三津五郎(10代目)(2.21没、59歳)である。僕は歌舞伎に暗いのだが、この人は新劇、テレビ、映画に出ていたので名前は知っている。芸風を語るほどの知識はないのだけど。山田洋次映画の「武士の一分」や「母べえ」に出ていた人と言えば、思い浮かぶ。中村勘三郎(18代目)を若くして失い、また市川團十郎(12代目)を失い、三津五郎を失う。しかし、「型の文化」として歌舞伎は続いて行くのだろう。三津五郎という名跡は、1975年にフグに当たって亡くなった人間国宝の8代目を思い出してしまう。9代は娘婿で、10代目は実子。
(10代目坂東三津五郎)
 栄久庵憲司(えくあん・けんじ 2.8没、85歳)は、工業デザイナーとして非常に著名な人物だった。僕も名前は聞いたことがある。今回検索してみると、ヤマハのオートバイのデザインが大量にヒットする。ロゴではコスモ石油やJRA(中央競馬会)など、誰もがどこかで見ているものがある。だけど、なんといってもキッコーマンのしょうゆ卓上ビンが有名。4億本が生産されたという。これも言われてみないと、誰かがデザインしたと気付かないぐらい、誰にも見慣れてしまっているのではないだろうか。その背景には「モノの民主化」「美の民主化」という持論があったという。
 (栄久庵憲司とキッコーマンしょうゆ瓶)
 映画音楽の作曲家として著名な眞鍋理一郎(1.29没、90歳)は、大島渚の初期作品を手掛けているので、名前はずいぶん昔から知っている。「青春残酷物語」や「日本の夜と霧」などが今も代表作として出ているが、ウィキペディアには膨大な作品名が出ている。管弦楽なども出ているが、映画音楽としては、川島雄三「洲崎パラダイス 赤信号」や増村保造「妻は告白する」、浦山桐郎「青春の門」や「太陽の子」などもこの人と出ている。山口清一郎監督の日活ロマンポルノ「恋の狩人 ラブハンター」(警察に摘発された)や小川紳介「日本解放戦線三里塚」まで担当していた。そうだったかという思いがする。芸大声楽科から作曲科に転じ、伊福部昭の弟子。
(眞鍋理一郎)
 フランスのピアニスト、アルド・チッコリーニ(2.1没、89歳)は昔聞きに行った思い出がある。エリック・サティを早くから弾いていて、サティのコンサートに行ったのは、もう35年ぐらい前のことだろう。詳しいことは忘れてしまったけど。「スタートレック」のスポック役のレナード・ニモイ(2.27没、83歳)はちゃんと見てなかったから判らない。「宇宙大作戦」の頃である。

 他に、がんとウィルスの関係を研究した文化勲章受章者、日沼頼夫(2.4没、90歳)、児童文化研究家の上笙一郎(かみ・しょういちろう 1.29没、81歳、アジア女性交流史のノンフィクション作家、山崎朋子の夫)、横溝亮一(2.17没、84歳、音楽評論家、横溝正史の長男)、シーナ(2.14没、61歳、「シーナ&ロケッツ」のボーカル)、宮崎総子(2.24没、71歳、フリーキャスター)、火坂雅志(2.26没、58歳、大河ドラマの「天地人の原作者)などの訃報が伝えられた。
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