尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

根津甚八、小川宏、ジョン・グレン等ー2016年12月の訃報

2017年01月03日 22時58分05秒 | 追悼
 2016年最後の12月は比較的に「大きな訃報」が報じられないで来たんだけど、年末になって俳優、根津甚八が亡くなった。12月29日没、69歳。僕の時代の映画、演劇ファンには忘れられない名前だけど、数年来病気が伝えられていたので意外感はなかった。2015年の映画「GONIN サーガ」が最後だが、20年前の映画「GONIN」で死んでいたはずの役を、生きていたことにして病身で出演していた。
 
 もともと唐十郎の状況劇場(紅テント)出身の役者で、テント芝居からスターが登場してきたと70年代後半には「一世風靡」という感じの勢いがあった。芸名も唐十郎が付けたもので、本名の根津姓に「真田十勇士」の根津甚八をあてがったものである。今じゃ講談で有名だった十勇士も知らない人が多いかと思うけど、ずいぶんいい加減なネーミングだと僕はずっと怒っていた。
 (「さらば愛しき大地」)
 テントでも見ているような気がするが、あまり覚えてない。79年に退団しているから、全部じゃないけど状況劇場でも見てるはず。テレビのニュースでは黒澤監督の「影武者」「乱」に出たと報じていたが、そっちも覚えてないんだから、どうも昔のことは遠くなってきた。僕が一番印象にあるのは、キネ旬主演男優賞を取った「さらば愛しき大地」である。映画では男性的な役柄が多かったが、テレビ出演もとても多い。見てないのが多くてあまり判らない。そこらへんはやはり男優で見てたわけじゃないので…。

 27日に、スター・ウォーズのレイア姫だったキャリー・フィッシャーが亡くなった。60歳。と思ったら、28日に母親のデビー・レイノルズが娘の死にショックを受けて急死したと報じられた。84歳。キャリーの方は、飛行機内で心臓発作を起こしたと報じられていた。スター・ウォーズは見てるけど、どうもレイア姫は僕の好みに入ってなくて、正直名前も覚えてなかった。デビー・レイノルズは、「雨に唄えば」のヒロインで有名。下のポスターの真ん中でダンスをしているのがデビーである。3回結婚して、その最初の歌手エディ・フィッシャーとの間の子がキャリー。娘はポール・サイモンと結婚していた。その後の結婚で生まれた娘ビリー・ラードも女優。下の写真の最初はキャリー。
 
 フジテレビ系のワイドショー、「小川宏ショー」で有名だった小川宏が11月19日に亡くなった。90歳。NHKの「ジェスチャー」の司会者で人気が出た。当時はNHKで人気が出て民放の司会者に転身するケースが多かった。「小川宏ショー」は17年間続いた。穏やかな感じの司会者だったと思う。90年代に「うつ」を患ったと出ているが、もうその時代はよく知らない。

 元ジャイアンツの打撃コーチの荒川博が死去。12月4日、86歳。もう「王選手に一本足打法を指導した」ことで伝説になっている存在である。現役時代は毎日(現ロッテ)ということだが、全然知らない。その後70年代半ばにヤクルトの監督をしているが、それも覚えてない。ほとんど巨人時代の「荒川道場」で記憶されているのである。葬儀のニュースには長嶋、王両氏が参列していた。

 野球では加藤初(はじめ)の訃報もあった。12月11日没、66歳。72年に西鉄に入団し新人王。76年には巨人に移籍し、ノーヒットノーランを記録した。通算141勝113敗22セーブ。76年というのは、75年に長嶋監督で最下位だった翌年ということである。75年優勝の広島から、4月に加藤初が大記録を達成した。76,77と長嶋監督はセリーグを連覇したのは加藤初の移籍が大きいとされる。

 義太夫節三味線の人間国宝、鶴澤友路(つるさわ・ともじ)が12月13日没、103歳。阪神淡路大震災の時の地震対策担当相を務めた自民党の元衆院議員、小里貞利が12月14日没、86歳。

 外国では、米国初の地球周回飛行に成功した元宇宙飛行士、ジョン・グレンが亡くなった。12月8日没、95歳。紹介に限定が多いが、米国初の宇宙飛行士はアラン・シェパードで、61年5月である。だが、周知のように、有人宇宙飛行の最初は61年4月のソ連のガガーリンだった。61年8月、ソ連のチトフが宇宙に一日滞在する。そして、62年2月にグレンが地球を3周した。そういう米ソの宇宙競争時代のスターだった。それ以前はテスト・パイロットで、つまり映画「ライトスタッフ」のモデルである。そして、74年から99年まで、民主党からオハイオ州選出の連邦上院議員を務めた。98年には、77歳にして再び宇宙に飛び立った。向井千秋さんと同じ時の「ディスカバリー」である。という戦後アメリカの伝説のような人。

 フランスの女優ミシェル・モルガンが12月20日に死去、96歳。1946年の第一回カンヌ映画祭で最初の女優賞を「田園交響楽」で得た。へえ、そうなんだ。調べると確かにそう記録されている。もともと戦前のフランス映画で活躍していた。マルセル・カルネの「霧の波止場」など。だけど、戦時中はアメリカに逃れて、そこで結婚した。だから米英の映画主演もけっこうある。キャロル・リードの「落ちた偶像」とか。その後フランスで、「夜の騎士道」のジェラール・フィリップの相手役などを務めた。ヌーベルバーグ以前のフランス映画はほとんど忘れられているが、フランスを代表する美人女優だった人。

 「ラスト・クリスマス」などで知られる歌手、ジョージ・マイケルが、12月25日に死去、55歳。84年の曲だというけど、僕は全然知らないなあ。大体80年代はほぼ空白な感じがする。新米教員で学校が荒れて多忙を極めたし、結婚してテレビのない生活をしていたから、80年代のヒット曲やヒット映画はずいぶん抜けている。フランスの作詞・作曲家ピエール・バル―が28日に死去、82歳。ルルーシュの「男と女」の「ダバダバダ」という歌詞(?)の作詞をして、男声パートを歌った人という。
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