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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

クリスマスの絵本・その2(ぐりとぐら)

2005-12-07 17:48:53 | 思い出の絵本

 題名にクリスマスとか、サンタクロースとか、贈り物とかついていないのに、
すでに多くの、とっても多くの人が、この絵本が、日本のクリスマス絵本の代表だと
思っているのではないでしょうか‥。
ぐりとぐらのおきゃくさま


『ぐりとぐらのおきゃくさま』
 







 いつかも、どこかで書いたかもしれませんが、私は子供の頃にあまり絵本を
読んだ記憶も、読んでもらった記憶もありません。けれど、母親になってから
本屋さんで、『ぐりとぐら』を見つけた時と、この『ぐりとぐらのおきゃくさま』を
見つけた時だけは、じんわりとしたなつかしさで、胸がいっぱいになったのでした。
(シリーズの他の本は題名さえ、聞いたこともありませんでした)
だからこの絵本は、娘と読んだ「思い出の絵本」になる前に、私にとっての
数少ない、自分自身の思い出の絵本なのです。

 最初に「こどもとも」として発売されたのが、1966年! です。
若いママたちは、まったく生まれていない年ですよね。ぐりとぐらは、
「ケーキ」を焼く匂いとは言わず、ここでも、「カステラ」と言っているし、
サンタクロースのおじいさんも「メリークリスマス」ではなく、
「クリスマスおめでとう」と言っています。来年でもう40年!もたつというのに、
それでもこの絵本は、古さなんてどこにも感じさせず、1966年頃生まれた人も、
それ以前に生まれた人も、つい2、3年前に生まれた人も魅了させてしまう力を持っています。  

 どこなのでしょうね、その魅力。  
 
 お話が始まって、たったの2行目で、お話の中にすんなりと溶け込む
ことができるからかもしれません。誰もがぐりかぐらのどちらかになって、
「おかしな あな」を見つけ、その跡を辿っていくことができるのです。
そして、辿っていった先は、なんと見慣れた我が家。でも、そこかしこに、
明らかに自分たちのものではない数々の「大きなもの」。  

 私は、ぐりとぐらがマント、えりまき、ぼうしと次々に脱いでいくたびに、
「すでにそこにあるもの」を発見するところと、からのベッド、誰もいない
おふろばの場面が大好きです。そしてなぜかそこを読むたびに、
『3びきのくま』の絵本を思い出してしまいます。(からっぽの家の、
ベッドのイメージが重なるからかも)  

 『ぐりとぐら』で、すっかり二人(二匹?)のことが好きになった人たちが、
ぐりとぐらの家や部屋の中を見る事ができて、さらに二人のことを好きに
なったことでしょう。暖炉はあるし、ピアノはあるし、大きなみどりのソファだって、
揺り椅子だってあるのです。(緑色のバスタブのあるおふろば、当時としては
かなりおしゃれですよねえ)

コメント (15)
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