すぐそこまで、クリスマスが来てますね。日本各地の大雪に、
北の国から遥々やってくるサンタクロース&トナカイたちも、
びっくりするでしょね。関東地方へ来る際は、深夜の強風で
橇ごと飛ばされないようにと、心配しています。
さて、今年のクリスマス絵本の最後は、↓
この絵本にしました。
『マドレーヌのクリスマス』
クリスマスといえばの・・・サンクロースもトナカイも、
ひみつのおもちゃ工場も出てきません。でも、この季節に
かかせない「夢見る気持ち」と、主人公マドレーヌの「元気」が
縦長のページのどこからも伝わってきて、とても温かい心で居ること
ができる絵本です。
マドレーヌシリーズでは、もうおなじみのフレーズ。
パリの、つたのからまる ふるいやしきに、
12にんの おんなのこたちが、
2れつにならんで くらしていました。
そのなかの いちばんのおちびさんが、マドレーヌ。
マドレーヌは、とても勇敢な女の子であるだけでなく、今回は、
病気にも強く、11人の女の子たち、先生のミス・クラベル、屋敷に
住むねずみまでもが風邪で寝込んでしまった中、ただ一人
てきぱきと はたらき げんきなのでした。
玄関を叩く音が聞こえると、「サンタクロースかしら?」と思って、
ドアを開ける。でも、それはサンタクロースではなくって、
じゅうたん商人。12枚の赤いじゅうたんを持っていることを見るや
いなや、12人の女の子のベッドの下に敷くマットにするために、
速攻まとめ買い。先生からは
「いいかいものだと おもいますよ」 と褒められます。
マドレーヌならではの明るさで、読んでるこちらが「えっ???」と
思っている間に、お話はどんどん進んでいき・・・。その後、じゅうたん
全部を売ってしまった商人が、寒さで凍りついても(ほんとにカチカチ
に凍っている絵です)、その商人が実は魔術師でもあったと言われ
ても、まったくマドレーヌは動じません。魔術師に皿洗いの手伝いを
させて、その「空いた時間」を使って、クリスマスツリーを買いに
いったりもしてしまいます。
おそるべし、マドレーヌ。 愛しのマドレーヌ。
お話の最後は、魔術師の「おおいなる じゅもん」によって、
女の子たちみんなへ、素敵なプレゼントが贈られます。
パリの、つたのからまる古い屋敷には、もしかしたら、
サンタクロースよりも、魔術師。トナカイがひく橇よりも、魔法の
かかった真っ赤なじゅうたん、の方が似合っているかもしれません。
全ページがカラーで、とてもきれいではありますが、私は、表紙の
裏に使われている「抑えた赤色」が、いちばん印象に残りました。
その色を見返し部分に選んだことで、この絵本全体が、数段
よくなったと言ってもいいと思います。
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いろんな形のいろんなクリスマスの「解釈」があって、
いろんな家族の、いろんな過ごし方があって。 そして、数々の
「クリスマス絵本」があって。絵本なのだから、絵があって、お話が
あるのは、あたりまえのことなのですが。それでも、絵とお話の
両方を楽しむことができるって、ほんとうに素晴らしく素敵なことだと、
思わずにはいられない、この頃なのでした。