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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

フェデリコ・エレーロ展@ワタリウム

2006-02-16 14:22:08 | 好きなもの・美術館や展覧会

 青山のワタリウム美術館へ行きました。

 フェデリコ・エレーロというアーチストの『ライブ・サーフェス』
という展覧会を見るためです。
 その日は、原宿同潤会アパートの跡地にできた『表参道ヒルズ』
オープンの日だったので、それはそれはすごい人で・・・ちょっとした神社の初詣より、
多くの人々がヒルズ詣でのために列をなしていました。

 フェデリコ・エレーロ。1978年、コスタリカ、サンホセ生まれ。
・・若いですね、まだ20代です。
昨年の『愛・地球博』で、会場の中にある池の底面に世界地図を描き、
来場者は足を浸して歩くことができる、というアートプログラムにも参加されていたとのこと。
そんなこともまったく知らずに、どうして今回青山まで出かけて行ったのかというと、
それはハンモックなんです。

 やしの木陰で、ハンモックに揺られながらのお昼寝。そんなことを夢見ながら、
一度もハンモックに寝た経験がないものですから、いつしか「ハンモック」という言葉そのものが、
夢の対象みたいになってきていて、耳から入ってくるその「音」にも敏感に反応していました。
そして、1ヶ月くらい前、新日曜美術館のアートシーンのコーナーで、この展覧会が取り上げられていて、
なんとハンモックが会場に設置され、そこでゆらゆらしている人の映像が流れていたのです。
 ゆったりとした気持ちで作品を見てもらいたい、忙しい東京の人(?)にひとときの
憩いの場を提供したい、そんな意図があるといった説明がされていたような。

 とにかく、そこへ行けば、ハンモックに寝られるのだということがわかり、私と娘
(彼女もハンモックに憧れている者のひとり)は、カレンダーの隅に
「フェデリコ・エレーロ ハンモック」といそいで書き込んだのでした。

 さて、やっと辿り着いたワタリウム美術館。ON SUNDAYSと同じビルにあったなんて知りませんでした。
いかに長い間、原宿青山方面にご無沙汰していたことか・・
 エレベーターで2階へ行くと、2階、3階が吹き抜けになっていて
(後から4階まで拭きぬけていたことを知りましたが)、その大きな壁一面が作品となっていました。
ハンモックの方は3階にあり、そこに横たわった状態でも、一応その壁画を鑑賞できる状態にありました。
しかし、寝心地のほうは、どうなのでしょう?あんなものなのでしょうか。ずっとずっとゆらゆらしていて、
正直あまり落ち着きませでした。娘は、すっかり気に入ったようで、3つあるハンモックの
すべての寝心地を確かめ、いつまでもその場を離れませんでした。

 肝心の絵のほうの説明をうまくできるといいのですが。
色の積み重ね方と、その色の群生の間から今生まれ出たばかりのように見える
「カエルの卵状の丸」(白い楕円の中に黒い点)、それと、人の顔のようにも猫型の動物のようにも
見える落書き状のイラスト。その3つが壁面の中でうまく融けあっていて。最初に思ったことは、
「こんなのが絵本になっていたらすごく楽しい」でした。その、壁一面に広がっている絵は、
床の一部にも繋がっていて(というより、床の一部からその絵が生まれてきたように見える)
なるほど、live・Surfaces だなと大きく頷いたのでした。

 入口でもらったリーフレットにはこんなふうに書かれていました。

 この「ライブ・サーフェス」というタイトルには、キャンバスを抜け出した
ペインティングが、建物の壁やさまざまな物体のサーフェス(表面)に移り、
そこに新たな命を吹き込み、社会における別の新しい機能を持つようになるという、
彼の希望が込められています。

 
会期は2月26日までです。
 

 

 

コメント (2)
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