おすすめ度 ☆☆★
純愛映画好き、満島ひかり好き ☆☆☆★
私小説「死の棘」を書いた島尾敏雄と、彼の妻島尾ミホの純愛を描いている。二人の小説を舞台に、小島での純愛物語を紡いでいる。
奄美群島・加計呂麻島(かけろまじま)。
そこに住む、女教師トエ。
この島に設置された特攻艇による攻撃のための小隊。隊長は、大学出の文学青年朔。
隊長が、小説をトエから借りたのを契機に恋心をはぐくむ。
奄美の島の景色の純朴さ、一方で、海の恐ろしさ。
子供たちは、トエ先生を尊敬している。
そして、やさしい隊長も、子供好き。
隊長は、村の生活になじんでいく。
彼は、軍隊の宴席を嫌い、島の唄を聞きたがる。
それにしても、長回しの連続。155分の長尺だけに眠いこと。
メリハリのない恋愛ものは、かったるい。
満島の体当たり演技は、うまいが、でも、
この映画、字幕が付く、それは島唄など、島の人々の話は、そのままでは、理解できないからだ。
そういう点では、よく、島の特徴を掴んでいるとはいえるのだが、
海辺の小屋が、愛の舞台だが、夜だから何しろ暗い。
実在の島尾夫妻の物語だけに、冒険できなかったのか。
戦争が背景にあるが、戦争シーンはわずか、原爆などはセリフで語られる。
特攻だから、死を前にしてはいるのだが。
朔を永山絢斗が演じ、監督は越川道夫。
根を据えた力作なのだが。