おすすめ度 ☆☆☆
人の生き方に関心のある方、福島のその後を知りたい方 ☆☆☆★
福島生まれの監督広木隆一。
原発被害の故郷に思いをはせ、綴った小説「彼女の人生は間違いじゃない」を自ら映画化。
仮設住宅に住み、市役所に勤めるみゆきと、今は、農業ができなくなったため、補償金でパチンコをする父修。
この二人を中心に、震災により失った過去を清算し、明日を生きようとする人たちを描いたヒューマンドラマ。
みゆきは、週末デリヘリをするため、東京へ高速バスで向かう。その途中、バスからの遠景やみゆきのアップが、福島のその後が象徴される。
みゆきは、デリヘルという究極の選択をして、傷つき、彷徨い、明日を勝ち取る。
修は、妻の遺品を、まだ立ち入り禁止区域へ行って持ち帰り、海へ放り投げて、過去を清算しようとする。
その間に、福島の今に暮らす人たちの、エピソードを加えながら、再生への道を探る。
みゆきは、元カレに言い寄られるが、デリヘル勤めを告白、清算しようとする。
一見ドキュメンタリー風だが、あくまでヒューマンドラマ。
トラウマからの回復は人さまざま。
広木流の斬り込みで、浮かび上がる。
全裸セックスシーンを含め、まさに体当たりのみゆき役を瀧内公美が熱演。
修役は、光石研。