おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)
大林監督好き、文学好き、アート映画好き ☆☆☆☆★
檀一雄の初期の短編小説をもとに映画化。
大林監督が、自作の第一作「HOUSE」より前に撮りたかった念願の作品だけに思い入れは一入。
戦争3部作の第三作。
大林監督は、現在80歳。
この映画の舞台となる1941年には、まだ3,4歳。でも一応、その時代の空気は吸っていたことになる。
CMディレクターとして活躍していたこともあり、そのアーティスチックな映像表現はお得意。
がんを宣告され、のめり込んで作った本作。
青春映画であり、反戦映画でもある。
映画は、書割で作られ、むしろ演劇っぽい。
おまけにセリフ過多。
ただ、唐津市のご当地映画でもあるのだが、その祭りの映像は後半、ドラマの佳境に訪れる。
カット割りと、映像、音楽の巧さと編集の業で、見事なもの。
迫りくる戦争と、はかない青春。
あなたは飛び降りられますかと問うてくる。
ま、このような映画は、大林しか撮れない。
美しい女たちと、ゲイに見まごう男の友情。
登場人物が多く、そこここに役者がいて、大団円。169分の大作だ。