ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ロープ 戦場の生命線」、それは紛争地帯のありふれた一日!

2018-02-17 17:44:23 | スペイン映画

おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)

国際活動に興味ある方 ☆☆☆☆

たったロープ一本のあれこれで、106分の佳作。

1995年、ボスニア紛争停戦直後のバルカン半島の山岳地帯。

このボスニア紛争の実情については、ちょと、難しくて日本人には理解し辛い面がある。

ただ、映画は、深くかかわらず、必要な情報を提供してくれるので迷うことはない。

映画の主役たちは、「国境なき水と衛生管理団」の面々、各国の寄せ集めだ。

要は、現地の水と衛星の環境改善が主任務。

井戸に死体があり、水が使えない。死体を引き上げるが、水分を含んで重すぎて、ロープが切れてしまう。

そこで、ロープ探しを始めるのだが、この土地の現状から、ロープがあるのに手に入らない。

サッカーボールでいじめられていた少年を助け、これがロープにつながるが、ここにも一悲劇が。

この少年のエピソードが一番胸に響く。(少年は一家惨殺の事実を知らない)

やっと、ロープが手に入り引き上げが始まると、国連から横やりが。

途中、道路に地雷が埋められているので、走行に注意が必要、なのに道の真ん中に動物の死体が。

アクションや血しぶきなど一切ないのに、平和を訴える力は強い。

辛辣なコメディ要素が多いが、展開がスローなので、要注意。

「トラフィック」のベニチオ・デル・トロ、「ショーシャンクの空に」のティム・ロビンス、「オブリビオン」のオルガ・キュリレンコ、「ゼロの未来」のメラニー・ティエリーら豪華キャスト。

 

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「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、東野圭吾原作のSF小説の映画化!感動物語!

2018-02-16 18:18:15 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

東野圭吾原作だけに、物語のつながりがうまく、ラストにまとまってくる。

1960年、1980年、2012年、それぞれの時代と場所がつながっていく。

ナミヤ雑貨店当主波矢さん(西田敏行)が始めた悩み相談の手紙のやり取り。

それが、2012年、古びた家に入り込んだ三人の青年が、33回忌に「悩み相談受付」がネットにアップされたことにより、時空を超えて悩み相談にこたえる羽目に。

それぞれの物語が、哀しい。

音楽への夢を捨てずに、作曲を続けた青年の唄が、火事の時にその青年に助けられた少女が語り歌う。これがこの映画のテーマソングとなり、山下達郎が自身でエンドロールで歌い上げる。

子供を身ごもったまま、懸命に生きた母親、事故で亡くなったのに、新聞記事で自殺と報じられ、悩む娘。

不倫に悩む女性には、既視の青年たちは、近いうちに景気が良くなるという予言で、金儲けを指南。女社長になるという話。

一方で、波矢さんの奥さんが登場したり、まさにSF的。

最期は、強盗を働いている青年に、生きるん道を説いた波矢老人。

児童施設「丸光園」が、もう一つの回り舞台となって紡がれる、人々の心の温かさ。

まさに、日本的ハートウォーミングな映画だ。




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「マンハント」、福山雅治主演のアクション映画。監督は、ジョン・ウー。

2018-02-15 17:46:00 | 中国映画

おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)

アクション映画好き ☆☆☆★

1976年に高倉健主演で映画化された西村寿行の小説「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク。

昨今、中国で日本映画ブームがあり、「家族はつらいよ」がリメイクされている。

「君よ憤怒の河を渉れ」は、中国で評判となったので、今回のリメイクとなった。ジョン・ウー監督の好みだったのか。

ただ一説では、中野良子の裸が見られたとか。

その時の題名「追補」(追っかけて逮捕する)。それを英訳した題名が「マンハント」。

なにしろ、45億のつもりが66億ドルになったという製作費。まあ、カネはかかっています。

アクションに次ぐアクション。その映像の華麗さ。まあ、考え抜かれたアクションシーン。

福山のために日本刀での立ち回りも用意。

大阪ロケも、狙いの一つ。中国へ、大阪を売り込もうと自治体も協力。

濡れ衣で、追われる羽目になったドゥ・チュウ(チャンハンユ)、それを追う刑事矢村(福山雅治)。

製薬会社の闇がバックにあり、ドゥと矢村は、殺し屋集団に追われることに。

堂島川での水中バイクの追っかけ、道頓堀での祭りのシーン、地下鉄構内でおっかけとローカル色。

ほかは、狭い空間での立ち回り。

ウー監督の娘が殺し屋に出演しているのはおまけ。

日本語、英語、中国語と国際色豊か。でもちょっとたどたどしい。

女性陣もきれいどこが出ていて花を添える。

ド派手な日中合作。娯楽として楽しみましょう。Rもつかない大人の映画。




 

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「ドローン・オブ・クライム」ドローンが生む悲劇!

2018-02-14 18:34:48 | カナダ映画

おすすめ度 ☆☆

ドローン操縦士のニールはCIAの極秘任務でテロリストへの爆撃を繰り返しているが、私生活では愛する家族に囲まれて平穏な毎日を送っていた。

これが事実なのだろうか?

いまや、自らの身を安全な場所において、ドローン攻撃をする。

これはまさに、パソコンゲームそのものだ。

だが、実際の爆撃では、巻き添えを食って死ぬ人がいる。

まさに重い命題だ。

本映画は、そんなドローン操縦兼射撃の猛者を描いている。

安全な家庭のすぐ近くに、戦場がある。

それも敵に絶対に近づかれない場所にいて。

現実には、パキスタン、アフガニスタン、イエメン等では、誤爆により民間人が巻き添えになって死亡していることが明らかになっている。

そこえ得体のしれないパキスタン人がやってくる。

ドローン攻撃の詳細を記したデータが流出。

実は、パキスタン人は、そのデータから、操縦士を割り出し、やってきたのだ。

後半は、この男がどんな動きをるのか、サスペンス満点。

だが、結果はあっけない。

ドローンの悲劇を訴えているにしては、話がしょぼい。

映写時間90分の小品だ。

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「花筐 HANAGATAMI」、大林監督渾身の作品です!

2018-02-13 19:16:24 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)

大林監督好き、文学好き、アート映画好き ☆☆☆☆★

檀一雄の初期の短編小説をもとに映画化。

大林監督が、自作の第一作「HOUSE」より前に撮りたかった念願の作品だけに思い入れは一入。

戦争3部作の第三作。

大林監督は、現在80歳。

この映画の舞台となる1941年には、まだ3,4歳。でも一応、その時代の空気は吸っていたことになる。

CMディレクターとして活躍していたこともあり、そのアーティスチックな映像表現はお得意。

がんを宣告され、のめり込んで作った本作。

青春映画であり、反戦映画でもある。

映画は、書割で作られ、むしろ演劇っぽい。

おまけにセリフ過多。

ただ、唐津市のご当地映画でもあるのだが、その祭りの映像は後半、ドラマの佳境に訪れる。

カット割りと、映像、音楽の巧さと編集の業で、見事なもの。

迫りくる戦争と、はかない青春。

あなたは飛び降りられますかと問うてくる。

ま、このような映画は、大林しか撮れない。

美しい女たちと、ゲイに見まごう男の友情。

登場人物が多く、そこここに役者がいて、大団円。169分の大作だ。

 

 

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「毎日映画コンクール」の各賞が決まりました。

2018-02-13 09:01:01 | 映画

 

日本映画大賞 「花筐/HANAGATAMI」(大林宣彦監督)

 日本映画優秀賞 「あゝ、荒野」(岸善幸監督)

 監督賞 富田克也「バンコクナイツ」

 男優主演賞 菅田将暉「あゝ、荒野」

 女優主演賞 長澤まさみ「散歩する侵略者」

 田中絹代賞 水野久美

外国映画ベストワン賞 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 ケン・ローチ 監督


脚本賞 石田裕也 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

男優助演賞 役所広司

女優助演賞 田中麗奈

新人賞 高杉真宙 伊東蒼

ドキュメンタリー娼 三里塚のイカロス

ツタヤ映画ファン賞

 忍びの者

 ラ・ラ・ランド

 

 

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「彼女の人生は間違いじゃない」、震災後の福島、そこに生きる人たちの明日!

2018-02-12 15:49:21 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

人の生き方に関心のある方、福島のその後を知りたい方 ☆☆☆★

福島生まれの監督広木隆一。

原発被害の故郷に思いをはせ、綴った小説「彼女の人生は間違いじゃない」を自ら映画化。

仮設住宅に住み、市役所に勤めるみゆきと、今は、農業ができなくなったため、補償金でパチンコをする父修。

この二人を中心に、震災により失った過去を清算し、明日を生きようとする人たちを描いたヒューマンドラマ。

みゆきは、週末デリヘリをするため、東京へ高速バスで向かう。その途中、バスからの遠景やみゆきのアップが、福島のその後が象徴される。

みゆきは、デリヘルという究極の選択をして、傷つき、彷徨い、明日を勝ち取る。

修は、妻の遺品を、まだ立ち入り禁止区域へ行って持ち帰り、海へ放り投げて、過去を清算しようとする。

その間に、福島の今に暮らす人たちの、エピソードを加えながら、再生への道を探る。

みゆきは、元カレに言い寄られるが、デリヘル勤めを告白、清算しようとする。

一見ドキュメンタリー風だが、あくまでヒューマンドラマ。

トラウマからの回復は人さまざま。

広木流の斬り込みで、浮かび上がる。

全裸セックスシーンを含め、まさに体当たりのみゆき役を瀧内公美が熱演。

修役は、光石研。

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「アンダー・ハー・マウス」、最高に美しいレズビアン!

2018-02-11 18:50:06 | カナダ映画

おすすめ度 ☆☆

レズビアン好き、官能映画好き ☆☆☆★

R18+ ふんだんなセックス描写

この映画のDVD、設定場面がない。おかげで、日本語セリフが不明のまま鑑賞。(英語理解力不足)

セックスシーンが多いので、むしろAV映画っぽいとそのまま、鑑賞。

ところが、後半、一旦DVDを挿入しなおして鑑賞すると、日本語字幕付き。なんなんだ。

再度見直す気もなく、そのまま鑑賞。

でもこの映画、男役のエリカ・リンダーに圧倒される。役としては屋根ふき大工を家業とする男勝り。

ユニセックスモデルをしていたというだけあって、その存在感には圧倒される。

一方の、ナタリークリル、婚約者がいながらレズに走るという複雑な役。

大工の音を聞きながら、全裸でオナニーするシーンは見もの。

話としては、ありきたりなので、それを期待すると外れ。

だが、スタッフオール女性で臨んでいるので、これは女性向けの映画か?

でも、エリカに惚れる男性は多いだろう。

全裸シーンが多いが、ぼかしが入って、台無しになっている。

R18以上のものにはできなかったのか?残念。

官能映画としては、堪能できる出来だ。

 

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「フランケンシュタイン アダム・ザ・モンスター」、モンスター映画です。

2018-02-11 15:18:02 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆

劇場未公開

ぐろいシーンが多いので要注意。

フランケンシュタインは、イギリスの小説家メアリーシェリーが著した小説に登場。以後、この名の小説や映画が数多くある。

本作も、フランケンシュタイン博士が、生み出した人造人間の物語。

当初、赤ちゃんのように育てていくが、細胞複製が失敗して傷ができる。そのため、傷だらけの顔や肉体となる。

フランケンシュタイン博士は、このモンスターを亡き者にしようとするが、暴れだし、逃走。

やがて、近づいた人たちを次々と殺害。警察をも巻き込んで。

当初育ててくれた、フランケンシュタイン博士の妻をママと呼び、

ママを探し求める。

ちょっと、愛ある話でほろっとさせられる。

特に、目新しい展開ではないので、凡庸。

監督はバーナード・ローズ。

 

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「スリー・ビルボード」、ミズリー州に建てられた三枚の立て看板!

2018-02-10 18:06:03 | イギリス映画

おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)

映画好き ☆☆☆☆★

第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、トロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞。

この映画の舞台は、アメリカを代表するミズリー州田舎町。一応、神を信じる町だ。

まず、主人公ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)の肝っ玉母さんに驚かされる。

娘が強姦・殺害されたのに、犯人が捕まらないのは、警察のせいだと3枚の看板にでかでかと書き込んだのだ。

だが、そこで名指しされた警察署長(ウッディ・ハレルソン)は、ちゃんと真面目に捜査したが犯人は見つかっていない。人格的にいい人で、ミルドレッドにも同情的。ただ、末期のがんを患っていた。

一方、署長の部下の巡査ディクソン(サム・ロックウェル)。粗野な品行。職務怠慢、傲岸不遜、黒人を差別し、すぐにキレて暴力をふるう。典型的ヤンキー。

この映画の良いところは、まったく先が読めないところだ。

次々に、事件が起きる。

そりゃあ、荒っぽいおばさんに、すぐ暴力のポリさん。

まあ、やることがでかい。看板屋をぼこぼこにし、2階から階下に放り投げる。

警察に、火炎瓶を投げて放火、警察は火事に。

だけど、実は、それぞれに弱みがあった。

おばさんは、娘が出かけるとき、「レイプされて死んじまえ」と放言していたのだ。そのれを悔いての行動なのだ。

いちばん優しいのは、警察署長。

がんで死ぬのがわかったので、家族と盛大なパーティを開いた後自殺。

おばさんへの手紙は、看板をけなすのではなく、自ら看板代を同封。

一方、ディクソンには、「お前はいい警官だが、すぐきれるのはよくない」と。

荒々しかった人たちが、本当は、やさしいという二面性。

一方で、教会や警察などの権力側は?

ラストの結末は微妙だが、観客にゆだねる手法はありだ。

監督は、「スリービルボード」のマーティン・マクドナー。

 

 

 


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