ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「海辺の生と死」、太平洋戦争末期、奄美の小島で繰り広げられる美しい純愛!

2018-02-09 18:56:50 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆★

純愛映画好き、満島ひかり好き ☆☆☆★

私小説「死の棘」を書いた島尾敏雄と、彼の妻島尾ミホの純愛を描いている。二人の小説を舞台に、小島での純愛物語を紡いでいる。

奄美群島・加計呂麻島(かけろまじま)。

そこに住む、女教師トエ。

この島に設置された特攻艇による攻撃のための小隊。隊長は、大学出の文学青年朔。

隊長が、小説をトエから借りたのを契機に恋心をはぐくむ。

奄美の島の景色の純朴さ、一方で、海の恐ろしさ。

子供たちは、トエ先生を尊敬している。

そして、やさしい隊長も、子供好き。

隊長は、村の生活になじんでいく。

彼は、軍隊の宴席を嫌い、島の唄を聞きたがる。

それにしても、長回しの連続。155分の長尺だけに眠いこと。

メリハリのない恋愛ものは、かったるい。

満島の体当たり演技は、うまいが、でも、

この映画、字幕が付く、それは島唄など、島の人々の話は、そのままでは、理解できないからだ。

そういう点では、よく、島の特徴を掴んでいるとはいえるのだが、

海辺の小屋が、愛の舞台だが、夜だから何しろ暗い。

実在の島尾夫妻の物語だけに、冒険できなかったのか。

戦争が背景にあるが、戦争シーンはわずか、原爆などはセリフで語られる。

特攻だから、死を前にしてはいるのだが。

朔を永山絢斗が演じ、監督は越川道夫。

根を据えた力作なのだが。

 


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「ソニータ」、イランへ避難していたアフガン難民ソニータ、ラップで世界を沸かす!

2018-02-08 17:41:30 | 映画

おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)

ラップ好き、中東の情勢に関心ある方 ☆☆☆☆

ドイツ・スイス・イラン合作

ソニータ・アリザデ、はアフガニスタン出身の女性ラッパーで、歌を通して強制結婚への抗議を行っている。 

そのソニータのアメリカ留学までを追ったドキュメント。

アフガンで戦災を受け、イランへ避難した難民ソニータ。

彼女はパスポートも滞在許可証もなく、不法移民として施設でカウンセリングや将来のアドバイスを受けている。

その施設で、自らの置かれた立場をラップにして発表、世間の注目を浴びる。

彼女自身も、南米・バルバドス出身のリアーナのファンで、ラッパーを目指している。

だが、アフガニスタンの現状はすごい。娘を結婚させ、結婚資金を稼がせるのだ。

ソニータも、16歳になり、母親は施設にやってきて、結婚を迫る。兄の結婚資金を得るためだ。

そこで、この映画の製作陣が、金を工面し、渡米させるまでのいきさつを描いたドキュメント映画だ。

それにしても、そのラップの中身は、自らの置かれたアフガンの事情を語るもの。

やはりこれは、海外に出て初めて有効となる。

今現在、ソニータは、学校に通っている。何しろ英語の基礎からの勉強だ。

映画は、第32回サンダンス映画祭ワールドシネマドキュメンタリー部門でグランプリを獲得。

監督は、イラン テヘラン出身のロクサレ・ガエム・マガミ。 

 



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「地獄愛」、結婚詐欺師男と、嫉妬に狂い殺人を犯す女!

2018-02-07 17:38:35 | ヨーロッパ映画

おすすめ度 ☆☆

猟奇、エロチック(熟女)映画好き ☆☆☆

フランス・ベルギー合作 R15+

1940年代に約20人の女性を殺害し死刑となった実在の殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスの事件に着想を得た狂気のラブストーリー。

オースティン・ファンタスティック映画祭2014で最優秀作品賞など4部門、ベルギーのアカデミー賞といわれるマグリット映画賞2016で最優秀撮影賞ほか3部門を受賞。

結婚詐欺師の勢力男と、その男に惚れた殺人女。出会い系サイトで知り合った二人。

最初は、男主導だったが、後は女が主導権を握り、狂気の世界に。

独特の映像表現で、その憎々しさが伝わります。

途中、ハンフリー・ボガートの「アフリカの女王」が上映されている映画館で、マネをしだす悪ふざけとか、

全裸死体の横で、突然ミュージカル風に歌いだすとか、裸でキャンプファイアとか、まさに狂気。

だが、なぜか、引き付けられない、それは、被害者が熟女ばかりの所為なのか?

監督は、ベルギー出身のファブリス・ドゥ・ベルツ。「変態村」の監督だ。

愛の狂態に興味ある方にはいいかもしれないが?


 


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「オペレーション・クロマイト」、朝鮮戦争、仁川上陸作戦、スパイの活躍!

2018-02-07 14:49:09 | 韓国映画

おすすめ度 ☆☆☆

韓国で観客動員700万人を突破したという評判の作品。

未だ、解決していない朝鮮戦争。

平昌オリンピックで、北朝鮮と韓国、合同チームを作るなど、和解ムードが盛り上がっているが。

本映画は、朝鮮戦争のハイライト、仁川上陸作戦時の、韓国のスパイの活躍を描いている。

総大将は、連合国軍司令長官マッカーサー。

本映画では、リーアム・ニーソンが、演じているがやや、貫録不足。

だがメインは仁川の北朝鮮軍の司令官と、韓国のスパイ軍との争い。

史実を参考にしているが、史実通りではない。

なにしろ、敵の機雷の位置を探れとの命令。

北朝鮮軍に成りすまして、地図を探るのだが、敵に見つかり、一人また一人と殺されていく。中には、処刑されるメンバーも。まさに危機突破だ。

でも、作戦中に家族と会ったりするのは、韓国映画の骨頂。

さらに、灯台のある島での大乱闘と、戦争シーンも加わる。

敵の将校と、スパイ軍の隊長の一騎打ちなど見どころは用意されている。

韓国人ではないので、辛めの評価だが、韓国人にとっては身につまされる映画だ。


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「台湾萬歳」、酒井充子監督の台湾三部作の最終巻!

2018-02-06 17:58:39 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆ (劇場鑑賞 なりゆきで)

台湾好き、自然好き ☆☆☆

「台湾人生」「台湾アイデンティティー」で、歴史のうねりの中で変わりゆく台湾の姿を描いた酒井充子監督の三部作最終巻。

題名だけで見てしまった。台湾映画かと思ったら、日本映画、それもドキュメンタリー。

延々と魚とりの話が出て戸惑う。

台湾には、観光で行ったことがあるが、台北がメイン。

二回目は、台中、台南(高雄)と花蓮。

この映画の舞台となるのは、人口約1万5000人の人びとが暮らす台東縣成功鎮。まあ、観光とは無縁の町だ。

台湾は、原住民と中国人、それに、共産党に追われて逃げてきた蒋介石グループだ。

一方で、大戦で中国に返還されるまでの51年間は、日本の統治下。

もう、日本語を話す人は少ないだろうが、日本ビーキだ。

で、この映画、日本時代に教わったカジキマグロ漁の漁師と原住民ブヌン族の山での狩りの話が主テーマ。

要は、今でも昔ながらの生活を送る人たちの今を映している。

都会の喧騒化で暮らす、われわれと真逆の生活。そこに命の尊さを学ぶ。

酒井監督は、今までの人生の半分を台湾にささげてきたと言える。

それだけ台湾に魅力があるのだろう。

それにしても、延々の長回しは、いささか眠い。

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「DEVIL デビル」、連続殺人鬼と彼を追うサイコ刑事!

2018-02-05 18:21:53 | 映画

おすすめ度 ☆☆

殺人映画好き、インド映画好き ☆☆★

一部劇場公開後DVD化。

プチョン国際ファンタスティック映画祭 作品賞 受賞他、アジア映画祭で評判の映画。

インド映画には、珍しく歌や踊りのないシリアスな映画。

いささか、ヒンズーやイスラムの宗教色が絡むので、わかりづらいが話は簡単。

41人を殺害し、世界中を揺るがした実在のラマン・ラガブ事件にあこがれる連続殺人犯とそれを追う刑事の話。

見た目から極悪人と思わせる風貌の連続殺人犯と、ヤク漬けの汚職警官のストーリーが交互にエピソード形式で展開される。

グロくはないですが、インドの下町の貧乏くささが、ノアールです。

実の妹まで殺す、容赦ないサイコ。

映像と音楽の切れが良くて、はまります。

しかし、まあ、こんな薬漬け刑事が部下を取り仕切るなんて、ちょっとやばくない。

韓国映画の暗さに似てはいるが、また別物。

ラストは、予想されるがあっけない。

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「歓びのトスカーナ」、精神を患った二人の女性の逃避行!

2018-02-05 10:06:01 | イタリア映画

おすすめ度 ☆☆☆★

イタリアのアカデミー賞と言われるダビッド・ディ・ドナテッロ賞で17部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門を受賞。

冒頭、虚言、妄想癖のベアトリーチェ。精神病施設で、しゃべりまくる。

そこへ、鬱に陥ったタトゥ女のドナテッラが新しく入所してくる。

要は、二人の狂った女性の物語だ。

おかげで、タイトルの「歓び」なぞ正反対の日々だ。

ちなみに原題は「La pazza gioia」、狂った歓び。

邦題をみて、楽しいイタリア映画を期待したら裏切られる。

だが、この二人の珍道中、施設を後にして、世の中を楽しむ旅だ。イタリアの景色は美しい。

まず、ベアトリーチェの弁舌のさわやかさに驚かされる。いわゆる詐欺だ。車は盗むは、高級レストランでトンずらするは、銀行までだますのだから、まったくもって罪の意識がない。

一方のドナッテラ、鬱ゆえに、子供から離され、養子に出され、会うことすら拒絶される。

こちらは、入水自殺から、子供との海辺の戯れまで、涙せずには見ていられない。

風刺を聞かせながら、イタリア社会の膿をあぶりだす。

それにしても、精神病院の対応の人間尊重は、傾聴に値する。

監督は、「人間の値打ち」のパオロ・ビルツィ。ベアトリーチェをバレリア・ブルーニ・テデスキ、ドナッテラをミカエラ・ラマゾッティが好演。

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「ラフ・ナイト 史上最悪!?の独身さよならパーティー」、スカーレット・ヨハンソンが下ネタ満載で笑わせます!

2018-02-04 17:49:08 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆

スカーレットヨハンソン好き、下ネタ好き ☆☆☆

 劇場未公開 R15+ 下ネタ満載

独身最後のバチェロレッテパーティに繰り出した5人の女性。

大学出てから離れ離れになっていたが、久しぶりの集まりで大いに盛り上がり。

女子ばかりだから、下ネタもふんだん。男性のストリッパーを呼んで楽しもうと。

ところが、ひょんなことで男性が死亡。

そこからのドタバタ喜劇。

かなり本がしっかりしているので、サスペンス風の下ネタ満載。

このお下劣な映画に、のりのりのスカーレット嬢。

ほかの役者も、下ネタ好きのバラエティ。

ノリノリのダンスもあって。

スカオハ見るだけでも満足か?

 


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「スキップ・トレース」久々、ジャッキーチェーン、ポリス版です。

2018-02-04 10:24:07 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆

ジャッキーチェーン好き ☆☆☆★

アメリカ・中国・香港合作


ジャッキーも63歳。もう昔のようにはいかない。『ダイ・ハード2』『クリフハンガー』のレニー・ハーリン監督による、アメリカ人とのバディムービー。

で、今回は『ジャッカス』のジョニー・ノックスビルを相棒に、世界及び中国のツアー映画です。

逃走劇が主体なので、アクションは少ないが、スリルは満点。結構、金かかっています。

おまけに美女が絡んで、まあ、お遊びに懸命。あまり人が死なないので、安心してみていられる。

やりすぎぐらいのご都合主義だが、ジャッキーの面目躍如です。

ロシアンマフィアが絡むので、ロシア臭もふんだん。

最期はマカオで豪勢に決めてくれます。

まだまだ頑張れるかな、ジャッキーさん。

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「忍びの国」、大野智、天正伊賀の乱の忍者無門を好演。

2018-02-03 14:20:19 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

大野智、忍者映画好き ☆☆☆☆

織田信長が、伊賀に攻め入った天正伊賀の乱。その第一戦を描いた和田竜の小説を映画化。

一応、実録に沿って話は進む。

ただ主人公無門は、架空の人。

ぐうたらで、妻には頭が上がらず、そのくせ、めっぽう忍術にたけている。

今や忍術は世界に知れ渡った日本の文化。

この映画でも、忍者は徹底してお金のために動く。

早い話が、戦に勝ったのは、無門が、手にした陶器を糧に忍者たちを金で釣ったためだ。

ただ、無門の強さはめっぽうで、おなじ忍者仲間の兄弟を一対一で仕留めている。

その争いも、川の字という忍者の掟に従った一対一の対決。

忍者だから、並みの剣法とは違う。

なかなかひねった展開だ。

それにしても、裏の裏をいく戦だけに、大活劇とはいかない。

ただ、中で、忍者たちが、突然現代の町中を行くサラリーマンに映像がかぶさるのは、語りえて妙。

忍者ファンには、納得してもらえただろうか?

大野さんはじめ、豪華配役陣は、要所を占めている。

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