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JR北海道 キハ40形350番台気動車~日高本線を走る国鉄型気動車

2008-07-16 | 鉄道[北海道]

 

先日MAKIKYUが「ぐるり北海道フリーきっぷ」を使い、北海道へ出向いた目的の一つに、未乗で残っていたJR線3区間への乗車がありましたが、その中でも全く手付かずの状態で残っていた路線が日高本線で、今日はこの路線で現在活躍している車両・キハ40形350番台に関して取り上げたいと思います。

日高本線はJR化後に軽快気動車・キハ130形が導入され、一時は定期旅客列車がこの系列のみという状況になりましたが、この車両はJR化後に導入された車両とはいえ、コスト削減も兼ねて極力メーカー標準仕様を採用した事もあって、客室と乗降口を隔てるデッキがないなど、酷寒地・北海道で使用する車両にしては耐寒対策も不充分な状況でした。
(MAKIKYUは残念ながらキハ130形の現役時代に乗車した事はないのですが、ほぼ同形と言える道内の第3セクター鉄道・北海道ちほく鉄道(現在廃線)の車両に乗車した際には、とても北海道の車両とは思えない状況だったのを記憶しています)

加えて海沿いを走る区間も多い日高本線故に、車体の塩害なども影響して急速に老朽化が進んだ事もあって、事故廃車となった1両を除いても2000年頃に順次廃車となっていますが、この寿命の短さは路線バスとほぼ同等かそれ以下という状況で、新幹線やJR某社の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」を別とすれば、鉄道車両としては極めて短命な部類に入ります。

その代替車両は事故廃車となった車両の代替で、一両だけ製造されて暫くの間日高本線などで活躍した珍車・キハ160形(現在はハイブリッド車両の試作車に改造され、営業からは離脱)ではなく、キハ130形導入によって日高本線からは一旦淘汰されたキハ40形となっており、最近は珍車キハ160形も営業から離脱していますので、一旦はJR化後に登場した車両で統一されたにも関わらず、現在は皮肉にも国鉄時代に製造されたキハ40形のみが運行する状況(臨時列車を除く)となっています。

キハ40形といえば、最近はJR北海道各線を走る車両も順次更新工事が施工され、エンジンの換装などが行われているものの、基本的には重たい車体に非力なエンジンが1台だけという有様で、これでは軽快気動車の運用を前提としたダイヤでの運行には難がありますので、日高本線用としてキハ130形取替え用に導入された車両は、エンジンを載せ変えて出力を強化し、新たに350番台と区分された車両が専属運用されています。

そのためこの車両に乗車すると、のっそりと這う様に走る印象が強いキハ40形(特に北海道内の特急運行線区で走る普通列車に乗車すると、余計その感が強いです)とは思えない程快調に加速します。

その上350番台車は他の道内で走るキハ40形とは異なる白と青にピンクのラインが入った独自の塗装を纏っており、車内も座席モケットが札幌圏を走る新型通勤型電車・731系などで用いられているモノに取り替えられていますので、道内のキハ40形の中では異色の存在と言えます。

ただ接客面では座席モケットの交換だけは行われているものの、北海道以外のJR各社に所属する大半のキハ40系列で行われている冷房化改造(JR北海道でも札沼線の一部車両は冷房化改造されています)は施工されず、それどころか天井の扇風機に「JNR」(日本国有鉄道)のマークまで残存している状況ですので、改造は最小限に抑えた印象も感じられます。

とはいえ最近かなりの暑さで、MAKIKYUも体調を崩し気味の首都圏などとは異なり、日高本線沿線は夏でも比較的涼しく、MAKIKYUが乗車した際は長袖でも丁度良いと感じる程でしたので、下手に固定窓の冷房車を導入するよりも、路線条件を考えると窓の開く非冷房車の方が有難く、冷房がなくても困らない土地柄は羨ましいと感じたものです。
(これは今の時期限定の話で、酷寒の冬季などは足を踏み入れるのも躊躇う所ですが…)