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JR北海道 789系電車~本州でも北の大地を感じさせる特急車両

2008-07-21 | 鉄道[北海道]

  

先日MAKIKYUが「ぐるり北海道フリーきっぷ」を利用して北海道へ出向いた際には、往路は新幹線+特急の乗継で札幌(厳密には南千歳で特急は下車しているのですが…)へ向かったのですが、その際新幹線を八戸で下車してから北海道までのアクセスとして利用した列車が特急「スーパー白鳥」号で、今日はこの列車に用いられる789系電車に関して取り上げたいと思います。

現在運転されている「スーパー白鳥」「白鳥」号は、かつて大阪~青森間を運行し、日本最長距離を走る昼行特急として知られた「白鳥」号とは異なり、この列車が廃止されてからしばらく経過した2002年の東北新幹線八戸延伸にあわせ、八戸駅発着の新幹線接続北海道連絡列車として、それまで東北本線盛岡以遠を運行していた「はつかり」号(一部は函館まで足を伸ばしていました)を改編して誕生した列車です。

八戸~青森~函館間(一部列車は青森~函館間のみ)を運行しており、「スーパー」を冠する列車と、そうでない列車の双方が存在していますが、これは車種による違いを表しており、「スーパー」を冠する列車は今日取り上げる789系、そうでない列車は旧国鉄から引き継いだJR東日本所属の485系(原型ではなく、随分手が加えられた車両ですが…)による運行となっています。

789系はJR北海道の新標準仕様特急車とも言える存在の一つで、前面貫通型の高運転台となった先頭部や、その貫通路部分に設けられた小窓などは、この車両が登場する前から運行している、北海道内を走る新系列特急形気動車と共通する特徴となっています。

最前面の小窓からは、青函トンネル進入時やトンネル内走行時をはじめ、常に最前部からの車窓を楽しめ、その上789系では手動のワイパーも備えられていますので、これは他社の車両では余り見られない特徴と言え、なかなか面白いものです。

車内も特急車両の中では、決して豪華な部類に入る車両とは言えないものの、近年の他のJR北海道車両と同じく、デンマーク国鉄(DSB)との共同制作によるデザインとなっており、青色の天井や照明配置などは特徴的ですし、外観もシンプルなステンレス製ながらも、北海道をイメージさせる黄緑色をベースに、青函海峡をイメージしたカラーテープをドア周りに配したデザインとなっており、走行エリアを強く打ち出したものとなっています。

車内も各座席に備えられた背面テーブルに、「スーパー白鳥」号各列車の青函トンネル通過予定時刻を掲出するなど、如何にも現在世界最長を誇る青函トンネルを走り、北海道へ至る列車である事をアピールしており、内外共に北の大地・北海道を感じさせる車両となっています。

車内の自動放送も特徴的なJR北海道仕様になっていますので、北海道まで出向く用事がなく、八戸~青森間のみを乗車する場合でも、この車両に当たれば、手頃に北海道気分を味わう事が出来るのは嬉しい限りです。
(こんな事を考えるのは本州の人間だけで、道内の方にはあまり関係ない話かもしれませんが…)

またこの列車の登場と共に、津軽海峡線(正式名称ではなく愛称で、本来は幾つかの路線に跨っているのですが…)を走り、JRでは希少な昼行客車列車として知られた快速「海峡」も置き換えているのですが、これによって青函トンネルを挟む区間においては、普通・快速列車の設定が無くなった事もあって、本州~北海道跨ぎの蟹田~木古内間(その途中駅も含む)のみを乗車する場合に限り、自由席車は特急券なしで乗車できる特例が設けられたほか、この区間内のみであれば、青春18きっぷなどでの乗車も可能となっています。

そのため普通・快速列車利用で本州~北海道を移動するとなれば、蟹田・木古内の両駅で普通列車との乗継が必須となり、両駅共に比較的短い時間で接続するダイヤは限られますので、以前(5~6年以上前の話ですが…)に比べて不便になった感もありますが、時間帯次第では普通乗車券のみ(時期によっては格安な青春18きっぷでも)でこの車両に乗車し、青函トンネルを越える事も可能ですので、非常に乗り得感があり、昼間に青函トンネルを超えて本州~北海道間を移動する機会があるならば、是非選んで乗車したい車両とも言えます。

ただそんな事をいうMAKIKYUは、この列車の運行開始以来、青函トンネルを先日の旅行を含め、昼間には往復合わせて3回通っているのですが、3回とも時間帯の関係もあってこの車両に当たっており、「白鳥」号の方にはまだ一度も乗車していない有様ですので、また今度北海道へ行く機会があるとすれば、どちらの列車に乗車しようか迷いそうな所です。
(首都圏~函館間を新幹線+特急乗継往復の旅行であれば、比較的迷わずに往復で列車を変える事も出来そうですが…)

写真は789系電車の外観と、座席背面テーブルに貼られた青函トンネル通過予定時刻案内、海峡線内の北海道側一部区間で見られ、新幹線用の軌道が敷設された区間を走る、この車両ならではとも言える最前部からの前面展望シーンです。