昨日MAKIKYUは青春18きっぷを利用し、日帰りで静岡に出向いていたのですが、昨日は静岡鉄道(静鉄)が1007号編成の撮影会を実施していましたので、MAKIKYUもせっかくの機会という事でこの撮影会に参加していました。
静鉄の電車は現在新静岡~新清水間の1路線のみ、使用車両も1000型と呼ばれるステンレス製車両で統一されていますので、趣味的な面白みという観点ではやや難ありと感じる方も居られるかと思います。
しかしながら電車はワンマン運転ながらも全線複線で、運転本数も現在は各駅停車のみながら、昼間6分間隔という高頻度を誇る事で知られ、運賃も地方私鉄の中では比較的割安な部類(中部地方の大手私鉄より割安です)に入ります。
全駅に自動改札機を設置してSFシステムも導入しており、更に近年ではICカード乗車にも対応し、日頃MAKIKYUが利用しているJRのICカード・ICOCAでも乗車可能(ただTOICA・PASMO・Suicaは使えませんので要注意です)であるなどサービスレベルは非常に高く、小規模ながらも大手私鉄に匹敵するサービスを実現しているのは大いに評価できるものです。
MAKIKYUも静鉄電車は新静岡~新清水間全線を乗り通した事がある他、JR線との乗継が至便な草薙駅を利用した事もあり、静岡を訪問した際には何度か利用する機会があったのですが、今まで草薙以外の静鉄途中駅を利用した事はありませんでした。
しかしながら今回1007号車の撮影会が開催されたのは、長沼駅に隣接する静鉄の鉄道線車庫でしたので、初めて長沼駅を利用したものでした。
(長沼駅というと新宿から出ている某大手私鉄のイメージが強いですが、MAKIKYUはこちらは何度も通っているものの、この駅も未だに利用した事がない有様です)
随分前置きが長くなってしまいましたが、昨日はこの長沼駅に隣接する車庫が撮影会会場となっており、10~16時までの開場時間に簡単な受付を済ませるだけで車庫内での撮影が可能となっており、MAKIKYUも昼食を済ませた後の昼下がりに長沼へ出向いたものでした。
土地柄もあってか、落ち着いた雰囲気で気の向くがままに車両の様子を眺めたり、撮影する事が出来たのは好感を感じたもので、JRや大手私鉄で開催されるイベントなどとは異なる魅力を感じたものでした。
そして今回の撮影会のメインとなる「1007号車」は、現在静鉄唯一の旅客用車両として活躍する1000型車両の中でも、今年に入ってから前面のラインなどを剥がし、登場当時のステンレス無塗装という装いが復元された期間限定のリバイバル塗装(?)編成です。
MAKIKYUがこの装いの静鉄電車を見るのは今回が初めてでしたが、ただでさえ製造メーカーが東急車輛製、車両規格の関係もあって東急線の電車によく似た雰囲気を放つ1000型が、尚更東急線の電車に良く似た雰囲気に感じたものでした。
また元々ステンレス無塗装で登場した電車は、日本国内では東急や静鉄以外にも幾つか存在したものの、現状では何らかのカラーテープなどが貼られ、銀色1色のシンプルな装いの車両は…というのが現状ですので、味気ないといわれた銀色1色の姿も久々に見ると、コルゲート板が張られた比較的初期のステンレス車では、この装いも悪くないのではと感じたものでした。
それに静鉄1000型は登場から今日まで比較的変化が少ない車両ながらも、最近になって排障器(スカート)の取り付けが順次進み、スカート取り付け車は若干趣が異なっています。
来年には1000型全編成へのスカート取り付けが完了するとの事で、今回の撮影会は「1000型登場当時の姿が見られる最後の機会」と宣伝していた程(1007編成は後に冷房化改造されていますので、厳密には登場当時と言うよりは往年の姿とでも言った方が良いのですが…)でしたが、これに加えて行先方向幕は「急行 新静岡-新清水」という現在は運転していない急行の幕が表示されたのも大きなポイントで、この表示を見たのもMAKIKYUは初めてでした。
そのためステンレス無塗装+急行幕の1000型だけでもなかなかのモノを見た気分でしたが、これに加えて旅客用車両ではないものの、デワ1号と呼ばれる大正生まれの小柄な古豪電動貨車も撮影会に登場しています。
こんな車両は各地の鉄道を探してもなかなかなく、博物館入りしてもおかしくない車両ですが、連結器が日本の鉄道で一般的な自動連結器や密着連結器ではなく、両端にバッファーを配したスタイルは見慣れないもので、一応日本車両製ですが、日本語の各種標記や標識がなければ、外国の古典車両と錯覚してしまいそうな雰囲気も感じたものでした。
静鉄では他にも比較的近年まで、車庫内の入換用に古参電車を保有していた事でも知られ、こちらは残念ながらMAKIKYUはその姿を見るがなかったのですが、老朽化の進行に伴って止む無く解体する際には、事前にその告知と共に一般公開を行なった実績もあります。
静鉄は地方私鉄ながらも近代化が進み、都会的な印象もあって趣味的には余り注目される鉄道ではないですが、ファン向けの企画は注目すべきものがあり、今回の撮影会に足を運んだ甲斐は充分にあったと感じたものでしたが、今後の企画にも注目したいと感じたものでした。