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道の島交通の路線バス(2)~大型路線車編

2013-05-21 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、奄美大島を走る道の島交通の路線バスに関する記事を取り上げましたが、今日はその続編で同社の大型路線車に関して取り上げたいと思います。

道の島交通では旧奄美交通から引き継いだ車両を中心に、車両のダウンサイズ化が進む中でも大型路線車を使用しており、通学ラッシュ時間帯の学生輸送などに当たる便には、極力輸送力の確保できる車両を回している様です。

また名瀬(ウエストコート前)~奄美空港間の空港線は、MAKIKYUが見た限りでは観光・高速型車両が1台(残念ながら撮影できていないのですが…)走っている事を除くと、大型路線車ばかりと言う状況でした。

道の島交通の大型路線車における大きな特徴としては、現在活躍中の車両はトップドア車ばかり、そしてその大半は2人がけのリクライニングシートがずらりと並び、路線バスにしては豪華な設備を誇る事が大きな特徴です。

この中には車齢20年を越えた古参車も多く、大都市圏の排ガス規制対象区域でも車検更新可能な年式の車両は見受けられませんが、快適性と言う点では下手な新車などより…と感じる程で、大型路線車の古参車が好きなMAKIKYUとしては、是非乗りたいと思うバスが勢揃いしていると言っても過言ではありません。


大型路線車は中型路線車と同様に、旧奄美交通がいすず車を主体としており、年式的に古参の車両が多い事から、奄美交通から引き継いだキュービックが過半数を占めています。

トップドアのキュービックは、本来行先表示器が付く部分にスモークガラスが入り、行先表示器は左右ライト間にある小型のモノ…という車両が大半を占めています。


ネット上を検索すると、既に幾つかの他サイトでも取り上げられていますが、このタイプの車両に乗車すると、見慣れない形態故に物珍しさを感じます。

なかなかユニークなバスと言う印象を受けますが、スモークガラス部分の一部を覆う様に運賃表示器を装備するのはともかく、張り紙掲出(写真の車両では張り紙はありませんが…)まで掲出しているバスもあるとなると、わざわざこんな一風変わった仕様にする意義は一体…と感じてしまいます。

このタイプのキュービックは複数台が活躍しており、車両の格差が凄まじい道の島交通だけあって、時間帯や運用次第では幹線だけでなく支線にも充当されます。
(逆に名瀬(与儀又)~佐仁間の幹線(北大島線)などでも、便によってはマイクロバスが充当される事もあります)

MAKIKYUが笠利町内線(赤木名~屋仁~佐仁)に乗車した際には、せいぜい中型車が来れば上等、もしかしたらマイクロバスかも…と思っていただけに、この路線でのキュービック出没にはビックリでした。


奄美大島に足を運んだら、一番乗りたいと思っていたキュービックのトップドア車に、笠利町内線で乗車できたのは想定外、他にも空港線と北大島線(写真の社番違い)でもこのタイプに乗車できましたが、その代わり他の大型車に当たる機会は…という有様でした。
(大型車の運用はある程度決まっている様で、笠利町内線も佐仁駐在の車両でピストン運行するのではなく、名瀬~佐仁間を運行する一部ダイヤが、間合いで佐仁~赤木名間を数往復してから名瀬に帰還するとなれば、ありえない話でもないのですが…)


トップドア車は大半がいすず車で、ハイビスカスの絵柄が描かれた旧奄美交通塗装のままで活躍している車両が多いですが、中には最近道の島交通で増えている白1色のシンプルな装いに改められた車両も存在します。

他に乗車や撮影は出来なかったものの、旧奄美交通の大型トップドア車は、富士7E車体+日産ディーゼルの車両も活躍しており、こちらは前面行先表示幕部分こそ通常タイプであるものの、日産ディーゼルの路線車では少数派のV8エンジンを搭載した珍車です。

旧奄美交通だけでなく、いわさきグループ(鹿児島交通・三州自動車)では散見する車両ですが、全国的に見ても余り数の多くないバスですので、この車両に乗車できなかったのは少々残念でした。

旧奄美交通引継ぎ車以外にも、大型路線車でトップドアの三菱ふそう製車両も中古導入しており、こちらも乗車機会こそなかったものの、空港線で活躍している姿を目撃・撮影しています。


この車両も真っ白な装い、余りにシンプル過ぎて少々寂しい印象を受けます。

この車両も座席はハイバック型であるものの、リクライニング機能は付いていない様で、所要1時間に満たない空港線であれば、グレード的には充分なレベル、一般路線を運行するバスにしては上等な部類ですが、旧奄美交通から引き継いだトップドア車に比べると、若干のグレードダウンは否めません。


他に車庫内では真っ白な装いながらも、前面行先表示は通常タイプであるなど、旧奄美交通引継ぎ車とは雰囲気の異なる旧岩崎バスのキュービック(トップドア)も目撃していますが、これも結構古参の部類に入りますので、何時まで活躍が続くのか…と感じる所です。


また旧奄美交通ではトップドア車だけでなく、本土側の鹿児島交通とほぼ同仕様と言える中扉4枚折戸の大型路線車も運行しており、道の島交通にも一部が引き継がれています。


ただ見るからに都市型バスと言った雰囲気の車両は、奄美大島では余り使い勝手が良くないのか、運用離脱が相次いでおり、奄美ではさほど年式的に古くないにも関わらず、既に運用離脱となった車両も複数存在します。

MAKIKYUが奄美大島に滞在した2日間で、中4枚扉車が稼動している車両の姿を見かける機会は皆無、それどころか一応登録こそ残存しているものの、車庫の片隅で運用離脱中、今後稼動再開する機会はあるのだろうか…と感じる状況でした。

名瀬~古仁屋方面などでも小型・マイクロが当り前、空港線以外なら何処でもこの手の車両が出没する現状では、大型路線車の出番は少なくなる一方で、主力のトップドア車も古参車両ばかりですので、旧奄美交通引継ぎのキュービックなどは、いつまとめて代替されても不思議ではない気がします。

主流が中型以下の車両にシフトする現状では、現行大型路線車の代替を全て大型で…という可能性は極めて低いですが、三菱車中古導入の例などもあり、空港線などはそれなりの車両を走らせる必要があるかと思いますので、今後の車両代替で大型路線車はどの様な車両が導入されるのかも、注目したいものです。

小型車やマイクロバスなどに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。