3月に東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始し、最近注目を集めている東急東横線、MAKIKYUは現在横浜市内某所に身を置き、
都心方面への最安ルートにもなりますので、都内などへ足を運ぶ際には、相互直通運転開始以前からよく利用しているのですが、数日前にもこの東横線を利用する機会がありました。
東横線は副都心線との相互直通運転開始に伴い、東京メトロ・西武・東武の車両が乗り入れる事で、車両のバラエティは格段に増えましたが、更に先月には「ヒカリエトレイン」も運行を開始しており、先日このヒカリエトレインにも初めて乗車する機会がありました。
ヒカリエトレインとは、東急5050系4000番台の4110編成の事で、車両自体は「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派と言える低コスト型標準仕様車ですので、同系自体はどちらかというと趣味的には余り注目されない存在と感じますが、渋谷にある東急の商業施設をPRする特別仕様車になっています。
車体形状こそ5000系列の他車両と大差ないのですが、黄色を基調とした装いは他の同系列とは大きく異なり、特別仕様車ならではの非常に目立つ独特な装いが目を引きます。
5000系列は各路線・用途などによって、ほぼ同種の車両でも装いだけでなく、内装も座席モケットや化粧板などを変えており、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派にしては、比較的上質な車両なのでは…と感じています。
「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家と言える事業者などは、かなりの数の車両を導入していながらも、同じ様な車両ばかりで単調な印象を受けるのに比べると、東急5000系列は低コスト型車両ながらもそこそこ好感が持てる気がしますが、ヒカリエトレインは他の5050系とは装いだけでなく内装も異なるものとなっており、5000系列の更なるバリエーション充実にも貢献しています。
(東横線内を走る5000系列だけでも、5000系・5050系・横浜高速Y500系と合わせて4種類、そして一部区間で並行する目黒線の5080系を合わせると大きく分けて5種類のバリエーションが存在し、更に製造時期などによる差異も含めると…という状況です)
その中でもヒカリエトレインは特別仕様車だけあり、装いだけでなく内装も特別仕様となっており、色彩が異なるだけでなく、座席やつり革、袖仕切りなど至る所で他の5000系列とは異なるパーツが用いられているのも大きな特徴です。
MAKIKYUは東横線内で通勤特急に一部区間だけ乗車し、利用が旺盛な列車だけあって、車内は余り撮影できず、乗車した車両以外の様子も視察できなかったのですが、某デザイナーが非常に強烈なデザインを施したJR九州や両備グループの一部車両程ではないのですが、空いていればちょっと車内を散策したくなる気分、、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派では最高傑作の部類なのでは…と感じます。
化粧板や袖仕切りなどは、最近の東京メトロ車両を連想させる雰囲気を感じたもので、つり革は材質こそ本皮や木材などの異色素材ではなく、一般的なモノを用いながらも、最近の首都圏では少数派、他の5000系列では用いていない吊り輪の丸いつり革となっています。
その吊り輪も様々な色を用いていてカラフル、中には馬車軌(軌道幅1372mm)の大手私鉄を連想させる黄緑色の吊り輪も存在します。
そして座席は利用旺盛な東横線で、専ら優等列車として用いられる10両編成車だけあって、当然ながらオールロングシートを採用しているものの、背もたれが若干大きいセミハイバック型となっているのが特徴で、座席モケットも編成内で複数種が存在しています。
この座席に座った印象は、他の5000系列で最近導入された車両と比べ、物凄く変わった感触は受けなかったものの、一部では「スーパーロングシート」などと称され、京阪電車やJR九州の一部車両などで用いられているハイバック型ロングシートに比べると、割合万人受けする座席なのでは…と感じたものです。
そして床材も市松模様風になっているなど、素人目に見ても他車両とは異なる存在である事が一目瞭然で、手すりまで特別仕様になっているなど、至る所に違いが…という状況でしたが、最近流行のLEDを用いた車内照明は一般的な棒状蛍光灯タイプだったのは、特別仕様車にしては少々意外と感じたものでした。
ちなみにこのヒカリエトレインは東急車輛製ではなく、J-TREC(総合車両製作所)製で、車内のステッカーにも同社名が記されていますが、同社では新標準車両「sustina」も登場させており、5000系列は更にバリエーションが増える事になります。
ヒカリエトレインの内装パーツやデザインも、特徴的な座席や吊り輪を除けば、評判が良ければ他の増備車に取り入れても…と感じたものですが、東急では東横線の車両代替こそ一段落したものの、田園都市線の車両代替は滞っておりこれから…という状況ですので、今後の展開にも注目したいと感じたものです。