MAKIKYUはここ数日東北地方へ出向いており、その際にはまだ3月18日に開通したばかりで、名取~仙台空港間を運行する仙台空港鉄道(仙台空港アクセス線:列車は仙台まで直通運転)にも乗車する事が出来ましたので、今日はその際に乗車した仙台空港鉄道のSAT721系車両に関して取り上げたいと思います。
この車両はJR東日本が仙台地区に導入を進めている新型電車・E721系と仕様を合わせているのが特徴で、JRと相互乗り入れを行う事や車両数が少ない事も考えると妥当な選択と言う気がしますが、空港アクセス用という事でJR側が仙台空港アクセス用に導入したE721系500番台と呼ばれる車両と同様に、一般のE721系(0番台)とは若干仕様が異なるのが特徴です。
一般車両との仕様の違いは、車端部にスーツケースなどの荷物を置くためのスペースが設けられている事が最大の特徴で、またドア上には仙台~仙台空港間の路線図が4ヶ国語(日本語・英語・韓国語・中国語)で掲出されているのも空港アクセス列車らしいですが、仙台空港の韓国語表記での「空港」は日本語の発音である「くうこう」ではなく、韓国語での「空港」の読み方である「コン ハン」で表記されており、また表音文字が存在しない中国語での杜せきのしたは、杜関下(この路線図での中国語は大陸本土の簡字体を用いており、「関」は「門」を省略)となっているのは興味深い所ですが、駅名のみを4ヶ国語表記としており、乗り換え路線の案内は日本語のみとなっているのはどうも片手落ちの様な感がします。
また空港アクセス線の列車はワンマン運転を実施するために、ワンマン運転関連の装備が設けられている事(空港関連以外のE721系はワンマン運転準備は施されているものの、機器の設置はなし)も一般車両との違いとして挙げられますが、仙台空港アクセス線列車の運行区間は全駅で自動改札機が設置されている事もあって車内での運賃収受はありませんので、料金箱や運賃表示器、整理券発行機の設置はなく、またE721系は各車両共に自動放送装置を設置・使用していますので、ワンマン運転を行っている列車という感覚は余り感じません。
ちなみにJRのE721系500番台とSAT721系の違いは、同じ用途で同時期に製造され、同仕様の車両と言う事で外観の塗装を除くと殆どありませんが、座席はモケットの色が異なる他にボックスシート部分の頭が当たる上部がSAT721系では一般のモケットになっている事が挙げられ、JR車両では近年他地区でも導入されている新型車両と同様に異様に硬い材質のモノが使われていますので、この点ではSAT車両の方が若干良いとMAKIKYUは感じます。
ただMAKIKYUが乗車した際には、仙台~仙台空港間を乗り通す乗客こそさほど多くないものの、仙台近郊でJR線区間のみを乗車する乗客や、仙台空港アクセス線沿線の杜せきのした駅を利用する乗客(ダイヤモンドシティ・エアリという最近オープンしたばかりの大型ショッピングセンターが駅と直結しており、恐らく大半はこの利用客)が多く見られ、また昼間の列車は専ら2両編成という状況もあって随分混雑している状況でした。
これは仙台空港アクセス線の滑り出しが順調という事で喜ばしい面もあり、同線の今後にも期待したいものですが、現在の状況が続く様であれば車両の増結(仙台近郊のJR線区間での運行本数増加は厳しいかと思いますので…)や、乗客の多い杜せきのした駅への快速停車といった施策が採られる事を望みたいもので、また空港アクセス列車の運行区間の短さ(仙台~仙台空港間は、普通列車で運行時間の長い列車でもせいぜい30分程度)や混雑を考えると、車内設備も敢えてボックスシートを設置する必要があったのか疑問に感じてしまいますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何なものでしょうか?
(既に仙台空港アクセス線に乗車された方が居られましたら、感想等是非どうぞ)
写真はSAT721系の外観と空港アクセス列車ならではの装備ともいえる荷物置場、座席(ボックスシート)とドア上に設置されている4ヶ国語の路線図です。
あとE721系に関しては、近日中にまた別の記事でも取り上げたいと思います。