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近江鉄道 100形電車~改造内容を簡略化した最新車両

2014-08-26 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先月MAKIKYUが岐阜県内へ足を運んだ際には、普通・快速列車であればJR全線が乗り放題となる青春18きっぷを利用していた事もあり、岐阜県内よりももう少し遠く、滋賀県内の米原周辺へも足を運んだものでした。

その際には米原駅で、近江鉄道の電車が発車待ちで停車している姿も目撃したのですが、発車待ちで停車している電車は昨年末に運行開始したばかりの同社最新鋭車両・100形電車でした。


最近近江鉄道の電車に乗車していなかったMAKIKYUは、同形にはまだ未乗という状況でしたので、せっかく滋賀まで足を運び、100形が目の前に止まっているならば…という事で、この車両への試乗も兼ねて近江鉄道の電車に乗車したものでした。

近江鉄道は西武グループと言う事もあり、現在活躍している鉄道車両の大半は西武鉄道からの移籍車両、バス部門も西武バスからの移籍車両が多数活躍しているなど、近畿地方でありながらも関東風の雰囲気を強く感じるのが大きな特徴です。

如何にも関西の電車と言う雰囲気のJR新快速電車などに乗車した後に、近江鉄道の電車やバスに乗車すると、滋賀県に居ながらも首都圏に戻ってきたのでは…と錯覚する事もある程で、昨年末に運行開始したばかりの最新鋭車両・100形も、西武鉄道からの移籍車両を改造した車両です。

近江鉄道の電車は、一昔前に西武鉄道からは全面退役した401系が主力を占めているのですが、最近では西武鉄道で新101系の退役が進み、同系の地方私鉄移籍が進行している事もあり、最新鋭車両・100形はこの新101系を種車としています。

401系と新101系は、どちらも20m級ながら、一昔前の西武線では標準的な3扉車で、編成も2両(新101系はそれ以上の編成もあり)であるなどの共通点がありますが、製造年代が異なる事もあってか前面デザインをはじめ、様々な所に差異も見受けられるのが特徴です。

新101系を種車とした100形は、特徴的な種車の前面形状などはそのまま存置していますので、西武線の電車を改造した車両である事は一目瞭然です。

しかしながら西武線の装いを保った車両が多数を占める401系改造車と異なり、100形は「湖風号」という愛称が付けられ、水色を基調に白細帯を纏った装いに改められていますので、近江鉄道ではなく系列外の地方私鉄に移籍したのでは…と感じる程です。
(この姿であれば、LED式に改められた行先表示が「多賀大社前」ではなく「流山」や「下仁田」などでも不思議ではない雰囲気ですので…)

ただ塗装変更で随分なイメージチェンジを図る一方、近年近江鉄道では特徴的なステンレス無塗装の客扉を、車体色と同じ色に塗装した車両も増えている中、如何にも西武線の電車といった雰囲気のステンレス無塗装の客扉を堅持しているのも大きな特徴となっています。


車内に足を踏み入れると、座席モケットや化粧板などが取り替えられ、少々草臥れた印象だった西武線時代末期の雰囲気とは異なるものになっており、自転車積載スペースが設けられているのも特徴的です。

ドアチャイムの設置をはじめ、客ドア付近に注意喚起の黄色いマーキングが施されている辺りは、最近走り始めたばかりの車両ならではと感じます。

 
近江鉄道は全線で車内収受式ワンマン運転を行っている事もあり、運賃表示器や整理券発行機、自動両替機能付き運賃箱などが装備され、都市型路線である西武線との大きな違いとなっていますが、運賃表示器は最新鋭のLCDモニターを装備しており、運賃表示以外にも数駅先までの停車駅案内など、LCDモニターならではの機能を生かした案内も行われています。


この運賃表示器は、首都圏路線バスの最大手・神奈川中央交通(神奈中)が、消費税増税に伴う運賃表示変更などを見込み、一部営業所(主に小田急沿線を運行している営業所)などで導入した運賃表示器と同形で、発車時の注意喚起なども同種のピクトグラムが表示されますが、設定プログラムの違いにより表示様式が異なる部分も見受けられるのが特徴です。

運転席を見渡すと、こちらもワンマン放送用にバス用音声合成装置が設置されており、設定モニターはこれも神奈中などで出回っているタイプ(各地で採用例あり)となっているのが目に付きます。


近江鉄道では西武鉄道からの移籍車両でも、今まではわざわざ特徴的なハンドル形状の電気指令式に改めており、それどころか吊り掛け駆動の220形ですらこのタイプの電気指令式ブレーキを装備している程ですが、100形ではこの改造をせずに種車のままとしているのも大きな特徴で、全国各地を見渡せば幾つも存在する新101系譲渡車としては一般的な仕様ながらも、近江鉄道で電磁直通ブレーキ(HSC)は少数派だけあり、現状では非常に際立つものです。

100形は現在2本が稼動しており、他にも彦根の工場で改造待ちとなっている元西武新101系が多数留置されていますので、今後も更に数を増やす事が見込まれますが、近江鉄道では他にも900形と言う新101系改造車が1編成活躍しています。

淡海号と名付けられた900形は、装いが大きく異なるだけでなく、車端部にクロスシートを設置し、近江鉄道特有の電気指令ブレーキへの改造も施されているなど、100形に比べると踏み込んだ改造を施している一方、内装やワンマン機器に関しては…という状況の様です。

900形は1編成だけの存在で、MAKIKYUはまだ乗車した事がありませんが、今後の新101系改造車は100形で統一されるのか、それとも再び900形登場となるのか、もしくは両者を折衷した車両を新形式として登場させるのかも気になる所です。

ちなみにMAKIKYUの100形試乗は米原→彦根で、有効な青春18きっぷを所持していればわざわざ近江鉄道を…と感じる方も多いかと思いますし、普通運賃を支払って同区間を移動する場合でも、所要時間・運賃・運行本数など様々な面で、JRに比べると並行区間での劣勢は否めないとも感じたものでした。
(米原~彦根間は約6km、近江鉄道の片道普通運賃は現在290円で、JRと比較すればジュース代程度の開きがありますが、それでも首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の同距離運賃などに比較すれば、まだ割安な運賃設定です)


またMAKIKYUが100系電車に乗車した際には、国内では最近地方私鉄で増えているとは言えども、まだ少数派の自転車積載対応列車にもなっているだけでなく、実際に自転車を載せて乗車する乗客の姿も見受けられたものでした。

MAKIKYUは日頃この様な光景を目にする機会は少ないだけに、100形登場記念の試乗とご祝儀も兼ねて乗車するのも悪くないと感じたものでした。

機会があればまだ未乗の900形や、今や路面電車を除くと国内では希少な存在の吊り掛け駆動車・220形を求めて、フリー乗車券設定日に近江鉄道を再訪するのも…と感じたものでした。
(フリー乗車券は以前より値上げされていますが、近江鉄道の普通運賃と比較すると、現行価格でも充分割安で、通用日が増えているのも評価できる点です) 



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