先月MAKIKYUが広島県の大崎上島を訪問した際は、島内には1時間程の滞在時間しかなく、その短い時間で大西~天満間を移動しましたので、実質的に島内循環バス乗車のためだけに立ち寄ったと言っても過言ではない状況で、随分短い接続時間で数々の離島航路や路線バスを乗り継いだものでした。
この大崎上島と愛媛県の今治を結ぶローカル航路が、大三島ブルーラインで、宮浦(愛媛県大三島)~旧木江町・天満(広島県大崎上島町)~宗方(愛媛県大三島)~今治間を運行しています。
(一部便は天満~宗方~今治間のみの運航です)
起終点は共に愛媛県今治市(大三島は市町村合併で、現在今治市に編入されています)でありながら、大三島の2箇所の港を発着する間に、広島県に属する離島の大崎上島を経由する少々変わったルートを辿っているのが特徴です。
宮浦からはしまなみ海道を経て、直接今治へ向かう急行バスがそこそこ走っていますので、一応運行形態的には宮浦~今治間での乗船も可能ながら、実質的には大崎上島~今治市中心部間の流動をメインに、大崎上島~大三島(宮浦・宗方)間のローカル流動や、陸路での移動では時間や運賃面で不利になる宗方~今治市中心部間の流動を対象に運航していると言っても過言ではなく、船体にも「今治-木江-大三島」と記されている程です。
また本数は7往復(天満発着を含む)しかない航路にも関わらず、使用する船舶はフェリーと快速船の2種類が存在し、快速船は小型で車載ができない他、僅かながらも運賃が高額に設定されているのも特徴です。
MAKIKYUは天満から今治行きの船に乗船し、丁度良い時刻の便が快速船でしたので、快速船の方に乗船したのですが、この船で天満~今治間は片道1000円(フェリーの場合は930円)、安芸津から安芸津フェリー~さんようバス(大崎上島循環線)と乗り継いだ場合は合計1660円となります。
呉からでも2230円(呉~安芸津間はJR呉線利用)ですので、広島県西部から今治へ向かう場合、しまなみ海道を経由する高速バスでも結構な運賃を要する事を考えると、時間が合えば利用価値は充分にある航路と言えます。
MAKIKYUが乗船した快速船は、比較的小型の船と言う事もあり、安芸津~大西間で乗船した安芸津フェリーに比べると、船内は狭く騒音も大きい上に、内海の瀬戸内海でも結構揺れますので、快適さと言う点では余り歓迎できず、長時間乗船は余りおススメできません。
とはいえフェリーとの所要時間差の割には快速船の運賃割増幅は小さく、快速船では今治~天満間が44分程度と言う事も考えると、余程海が荒れて揺れる状況でなければ、充分許容範囲のレベルなのでは…と感じます。
ちなみにこの日のMAKIKYUの宿泊先は今治市中心部でしたので、天満からそのまま今治まで乗船しても良かったのですが、なかなか足を運ぶ機会がない大三島にも立ち寄りたかった事もあり、快速船には僅か10分程度の乗船で到着し、大崎上島からも目視ではっきりと姿が確認できる程近い大三島の宗方で下船したものでした。
天満~宗方間でも、フェリーと快速船の運賃は若干差があり、快速船だと30円割高(280円)になりますが、本数の少なさ故に選択余地は小さいものの、この程度の乗船時間や距離では、快速船の意義は…と感じてしまったものでした。