先日「MAKIKYUのページ」では、茨城県ひたちなか市内を走る「ひたちなか海浜鉄道」の古参気動車による「湊線真夏の暑いレトロ列車」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが数日前にこの列車に乗車した後は、勝田からJR常磐線で北上し、いわき方面へ向かったものでした。
その道中の車内からは、旧日立電鉄線の廃線跡を活用し、今年春に運行開始した「ひたちBRT」の専用道路の姿も見る事ができました。
利用当日であればJR線普通列車が乗り降り自由な青春18きっぷを利用していた事もあり、存在が気になる「ひたちBRT」に是非一度…という事で、勝田から乗車した列車を大甕(Omika)で途中下車し、この「ひたちBRT」に乗車したものでした。
「ひたちBRT」は現在大甕駅を起点に、旧日立電鉄線では隣駅だった久慈浜駅(南部図書館)を経由し、おさかなセンターまでの1路線・系統のみの運行となっており、途中の一部区間で旧日立電鉄線の廃線跡を再整備したバス専用道路を運行します。
茨城県内では既に旧鹿島鉄道の廃線跡を再整備した「かしてつバス」が石岡近郊で運行している前例があり、これに比べると「ひたちBRT」は全区間乗り通しても所要10分程度と、現在の運行規模は「かしてつバス」に比べて小規模なものです。
BRT専用道路区間は、バス1台分が走行できる道路幅+α程度の道路幅となっており、なだらかなカーブや勾配の存在などは、元々単線だった線路敷を転用・再整備したBRT専用道路ならではの雰囲気を感じます。
所々で道路幅を拡張し、バス同士の行き違いが可能になっている事や、専用道路と一般道路の境界には、一般車両の進入を防止するための遮断機が設置されている事などは、かしてつバスや、JR東日本が東日本大震災による津波被災路線の仮復旧路線として運行しているBRT(気仙沼線・大船渡線の一部区間)などと同様です。
運行は旧日立電鉄線も運行していた日立電鉄→日立電鉄交通サービスが行っており、同社は一般路線バスを多数運行していますが、「ひたちBRT」運行開始に際しては、既存車両充当ではなく、専用塗装の新車2台を導入して運行しており、他路線との差別化が図られています。
現在運行しているBRT専用の新車は、「サクララピッド」と称するピンク系統の装いを纏った中型車と、「ブルーラピッド」と称するブルー系統の装いを纏った大型ハイブリッド車で、車両スペックは大きく異なりますが、どちらも一応日野自動車製の車両です。
(日立電鉄交通サービスの一般路線では、日野製車両も活躍していますが、他メーカー製の車両も多数活躍しています)
バリアフリー対応をはじめ、車内案内表示装置にLCDモニターを採用している点などは、鳴り物入りで運行開始した「ひたちBRT」用に導入された新車らしい所で、既存路線にも導入されているICカードシステム(でんてつハイカード)をはじめ、他社では類を見ない独特の「IC整理券」も健在です。
MAKIKYUは日立電鉄交通サービスの路線バスを利用する際、以前発売していた磁気カード(現在は利用終了)を利用した事はありましたが、最近は専ら現金利用と言う状況でしたが、「ひたちBRT」車内では、BRT運行開始を記念した特別デザインのICカード(でんてつハイカード・記念カードは枚数限定)も発売しています。
しかしながらでんてつハイカードのデポジットは200円と割安、入金時のプレミア付与(1000円入金だと100円)以外にも、乗継割引(ひたちBRTと既存路線の乗継でも適用)などのメリットもあり、好感の持てるデザインの「ひたちBRT」運行開始記念カードを購入した場合、特製キーホルダー贈呈という特典(車内購入可)も存在します。
押すと光るLEDライトが組み込まれた、「ブルーラピッド」デザインの特製キーホルダー贈呈特典だけでも、カードのデポジット額以上の価値はあると感じ、BRT乗車記念も兼ねて、MAKIKYUはこの「ひたちBRT」デザインの記念カードを購入したものでした。
「ひたちBRT」は現在の運行規模こそ小規模ですが、今後路線が延伸される予定もありますので、その際にはBRTならではの機動性を生かし、一般路線車によるBRT区間運行なども実現するのか否かも気になる所で、機会があればその暁にはまた「でんてつハイカード」を利用し、「ひたちBRT」に乗車できれば…と感じたものでした。
雲行きが怪しくなってまいりました
必ずしもBRT=連接バスでは無いですすが
京成バスが利用していた富士重工+ボルボの
連接バスも残念ながら新天地で本番稼動して
おりません。
12mを越える特認車両という事で営業認可を
取得するのが手強いのでしょうか?理由は複数
あれど、新天地での活躍を願って止みません
鹿児島と白河で利用できる日が来るといいな~
と思っています。
連接バス自体が希少な日本では、現段階で連接車を充当しているBRT路線は…という状況ですが、こちらは以前中国へ足を運んだ際、北京と大連で連接車運行のBRT路線に乗車した事があります。
ただ日本ではBRTというと、鉄道代替+αのバス路線といった印象が強いですが、中国で乗車したBRTは名古屋の基幹2号を更に深度化させたバス路線と言う印象(中央バスレーンの専用車路化や収容力の大きい連接車の充当、乗車ホームに改札を設置して運賃収受を行う事で、車内での運賃収受扱いなしなど)を受けたもので、世界的にはこのタイプのBRTが多数派を占めている様ですので、日本でも今後このスタイルのBRTが登場しないのか…とも感じます。
あと連接バスの運行に際してですが、こちらが足を運んだ事がある範囲では、中国・北京ではウンザリする程の台数(市内だけで4桁)が走り回っており、その気になればさほど道路条件が悪くない限り、運行自体はさほど難しくない気もします。
ただ日本では連接バス自体が極めて少数派の特殊車両になっており、バス事業者はもとより、道路構造なども…という状況も、運行を難しくしている要因と感じます。
(神奈中がTwin Linerを走らせるのに際し、運行区間の交差点で、停止線を手前にずらした箇所などが存在する程ですので…)
また白河(JRバス関東)に譲渡された元京成の富士重工連接バスは、こちらも先月JRで彼の地を通った際にも姿を目撃しており、JR研修施設への特定輸送に用いられている様ですが、現段階で営業運行に供されたという話は聞きませんね。
(現地の道路事情やバス利用状況などを踏まえれば、輸送力強化を行うとしても、既存車両活用や中古車導入などによる増便で足りる気もしますので…)
鹿児島に関しては、譲渡された話だけは聞くものの、その後は…という状況で、こちらは道路条件も決して芳しいとは言い難く、仮に運用するとしても充当可能な路線は相当限られるかと思いますので、こちらは果たして運行できるのか…と感じる所です。