
先月小田急線で運行を開始し、鉄道ファンだけでなく一般利用者や沿線住民からも大きな注目を集めていた藤子富士夫キャラクターをラッピングした特別電車「F-Train」ですが、急遽今月末で車体ラッピングが終了となる事が発表されました。
(車内つり革などの装飾は継続される様です)
ラッピングが急遽終了になる事由は、東京都屋外広告物条例に接触するとの指摘が東京都都市整備局からあったとの事ですが、F-Trainの評判も上々だっただけに、ネット上でも「夢を乗せて走る電車を行政が潰す」「訳が分からない」といった類の見解が見られるなど、この事は随分波紋を呼んでいます。
F-Trainは沿線に藤子富士夫ミュージアムが開館する事に合わせて走らせたとはいえ、ミュージアム側からの広告費用を申し受けている訳でもなく、この列車を走らせる事で小田急側も直接特別な利益等は得ていない様ですし、中吊りではミュージアム開館の案内などもあるものの、車外にはこの事を宣伝する文句などもありません。
そのためMAKIKYUの個人的な解釈としては、広告電車という印象はなく特別塗装電車とみなしていますが、東京都側の見解としてはキャラクターのデザインだけでも屋外広告物の扱いになって届出が必要な上に、広告面積も規定を超えているとの事です。
東京都屋外広告物条例が広告物とみなす対象も随分厳しいと感じると共に、F-Trainは特に有害なものではなく、わざわざ取り締まり対象にする有益性がどれだけあるのか…と感じてしまいますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何お考えでしょうか?
また東京都内を走る電車以外でも、キャラクターのデザインを施した鉄道車両は全国で幾つも存在しており、その幾つかは「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、他路線を走るキャラクターのデザインを施した車両にも、同種の条例による取締りや、新たな条例制定などで影響が波及しないか気になる所です。
※写真は以前「F-Train」に関する記事で使用したものの再掲です。
小田急の場合は都に申請してなかっただけなのでしょうか?ラッピングが施される前に待ったがかからなかったのが不思議です。
私は特にラッピングに関しては害を及ぼすものではないので別にこのままでも良いと思うのですが、条例にひっかかるのであれば従うしかないと思います。
F-Trainが条例に接触したのは、届出の有無に加え、キャラクターの大きさや占有面積も影響していた様ですが、いわゆる宣伝広告とは趣旨が異なるものであるだけに、規制の有用性も如何なものかと思います。
(条例の制定目的は、有害な広告などを規制する事で街の美観や秩序を保つ事にあり、F-Trainの場合はむしろ有益な気がしますので…)
また都内では代表格的存在の西武3000系999号や、モノレールのポケモンなどは大丈夫なのかも気になる所で、今日のブログ記事でも触れていますが、この取締1件で各鉄道事業者がキャラクター列車の運行に消極的にならない事を願いたいものです。
今回の騒動は小田急側の不手際というよりは、都条例のガイドラインの不明確さが浮き彫りになった気がします。早急にガイドラインを策定し、今後の鉄道各社のラッピング車両が途絶えることの内容に願うばかりです。
ただ、山手線のラッピングカーはセーフで今回の小田急はアウトなのは、サイズがデカ過ぎると判断されたからとは言え、天下の藤子キャラなんだから、もうちょっと大目に見ても良さそうな気がします。少なくとも、この件はしばらく論議を呼びそうですが・・・
●各キャラクターのみステッカーで…ステンレスカーの場合は「白の縁取り」があれば映えるでしょう。(例・84年の京王のコアラ電車)
●ブルー帯部分か、窓上部に 現在の縮小版を編成全体に。
●戸袋部分のみ。
●ドア部分のみ。その他
…こんな世知辛い世の中だからこそ、西武のコピーではないですが「出かける人を微笑む人に」ではないでしょうか?
2編成用意すれば「すれ違い時の歓声」もこだましますし。
個人的にはファミリー鉄道展での目玉にならないのが残念です。
>とーる様
ご指摘の通り、小田急側よりも東京都側のやり方に問題があると感じます。
京阪10000系の記事でも触れた事ですが、今後の各社における特別塗装・ラッピング車運行等に影響が出ない事を願いたいものです。
>尾崎俊史様
東京都側の今回のやり方は、こちらもやり過ぎと感じており、改善勧告等でF-Trainの運行継続ができなかったものなのかと感じます。
また具体的な商品やキャンペーン等の宣伝ではなく、キャラクターのデザインを配しただけで広告扱いとなる点も、非常に不可解な気がしますが、東京都側にも苦情等が多発していないのか気になるものです。
>多摩準急様
小田急では4両編成以外、何らかの形で必然的に東京都に乗り入れる形となりますので、都側がダメといえばラッピングでの運用はできず、10両固定を遊ばせておくわけにはいかない事も考えると、ラッピング解消は止む無しかもしれません。
本当ならファミリー鉄道展の目玉として登場して欲しかったと思いますし、可能であれば4両編成に短縮して登山線関連運用に限定する事で、走らせる事もできないのかと感じてしまいます。
また今回のF-Trainは「アウト」でも、今度は条例に接触しない形での特別塗装電車が登場する事にも期待したいものです。