昨日辺りからネット上でニュースが流れ出し、今日は新聞にも掲載された茨城県の鹿島鉄道(石岡~鉾田)廃線確定のニュース、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様でもご存知の方は大勢居られるかと思います。
鹿島鉄道はMAKIKYUも2回程乗車した事がありまして、終点の鉾田付近はかなりの閑散線区ですが、JR常磐線と接続する基点の石岡付近では単線・非電化路線とはいえ概ね毎時2本の列車が設定され、それなりに乗客の姿も見られますので、一部区間だけでも何とかならなかったものかと感じてしまいます。
しかし元々関東鉄道から不採算路線と言う事で関鉄から切り離された路線で、
関鉄からの支援で成り立っていた側面もあり、つくばエクスプレス(TX)開通に伴う関鉄の鉄道・高速バス部門への打撃もあって鹿島鉄道支援へ手が回らなくなった事や、鹿島鉄道自体も一部車両の著しい老朽化、またそれに伴う改善勧告まで受ける状況となれば止むを得ないのかもしれません。
ちなみに廃線確定のニュース抜粋は以下に青字で表記していますので、まだこのニュースをご存知でない方は方は以下を参照して下さい。
・茨城の鹿島鉄道が廃線へ 引き継ぎ会社公募、採用なし
国内現役最古のディーゼル車が走る茨城県の鹿島鉄道(石岡市―鉾田市)の廃線が24日、決まった。
利用客の減少に歯止めがかからず、同鉄道が11月に今年度限りでの撤退を表明したのを受け、県と沿線4市が作る鹿島鉄道対策協議会が、「引き継ぎ会社」を公募。
2団体がそれぞれの再建案を提出していたが、審査の結果、採用にはならなかった。
公募は11月末から今月11日まで行われ、地元の市民団体と東京の旅行会社が応募していた。
協議会は不採用の理由として、
(1)県と4市は来年度から5年間で6億5000万円を限度に支援を予定しているが、
それを超える負担が生じる可能性が高い
(2)無償で同鉄道から施設の移譲を受けるのは困難――などを挙げた。
霞ケ浦湖北を走る同鉄道は、鹿島参宮鉄道として1924(大正13)年に営業を開始した。
単線非電化だが、特色のある車両も多く鉄道ファンに根強い人気がある。
この路線は霞ヶ浦湖畔のなかなか車窓の良い所を走り、特色ある車両(=日本一古い気動車を含む旧型車両)の数々…とレールファンにもたまらない路線ですが、この特色ある車両と言うのが改善勧告の要因にもなってしまったのは皮肉な事で、また日頃鹿島鉄道を利用する乗客にとって決して有難い車両とは言えないですので、この車両を今後も使い続けるのは難しいと思いますが、これらは貴重な車両ですので、せめて解体だけは免れて何処かで保存でも期待したいものです。
また旧型車両(現在5両あります)に混じって活躍する1990年前後に導入された4両の軽快気動車・KR-500形の今後も気になりますが、こちらはまだ耐用年数には達しておらず、まだ活躍が期待できそうですので、親会社の関東鉄道が引き取るか、さもなければ何処かの地方私鉄にでも譲渡されて第2の活躍を見出して欲しいものですが、今の所この車両の今後に関しての情報等は聞きませんので、廃線と共にそのまま廃車解体では余りに惜しい気がします。
ちなみにこのKR-500形気動車、レールファンの皆様方からは余り人気のない車両の様ですが、性能や居住性は鹿島鉄道の車両の中で抜群ですので稼働率が高く、鹿島鉄道の現行使用車両の中では唯一のクロスシート付きになっているのも特徴です。
また現在では1両ごとに異なる塗装を纏っていますので、こういった意味でも見ごたえがあり、鹿島鉄道を取り上げた様々な記事でも他車両に比べてあまり出番がない様ですので、以前MAKIKYUが乗車した際に撮影した画像を掲載しておきたいと思います。
あと「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、鹿島鉄道廃線に関して様々な感想や意見をお持ちの方も居られるかと思いますが、何かありましたらコメント等も是非どうぞ。
(鹿島鉄道廃線後に追記)KR-500形は残念ながら、4両中写真の車両を含む2両が既に解体処分されています。
現在旅行中、姫路にいるMAKIKYUです。
鹿島鉄道の件は本当に良くない結果ですね。全線存続は厳しいとしても、部分存続という選択肢もあった気がします。
ただ茨城県では以前、鹿島鉄道よりも乗客が乗っている日立電鉄ですら廃線という状況になっていますので、それならここも…という風になっているのかもしれません。
この状況は以前の新潟県の新潟交通廃止→蒲原鉄道もという図式と良く似ている気がしますが、茨城のローカル私鉄廃線がこれ以上起こらない様に願うばかりです。(他にも危ない所がある様で…)
常陸小川以西を残すというプランは、関東鉄道がいちばん売りたがっていた石岡機関区の土地を売却できなくなるからダメってことだったらしい。
公募は、あれはポーズでしょうねえ。本気でやるならもっとリードタイムが必要だし。日立のときも、岡山が応募しようとして経営関係の資料を請求したら「そんなものはない」という返事で愕然、みたいな話がありました。ある意味、「もしかしたら残せるかも」みたいな希望を各方面に抱かせたことの罪はでかいなあと思います。誰も何も言わずに唯々諾々と従うような状況が望ましい、という基本的な考え方が、茨城には強そうな気がしますから、「文句を言うようなやつは、おもいっきり地面にたたきつけてつぶしておけ」みたいな感覚があったのかもしれませんねえ。
鹿島鉄道の公募の件は本当にご指摘の通りで、廃止のための確証を積み上げるためといった感を受けます。
本当に宜しくない結果という気がしますが、まだまだ使えるKR-500形に関しては第2の活躍を期待したいですね。
譲渡といっても、名鉄のキハ30形の様に冷房装置を外され、ボロボロの姿で活躍でしたら寂しいですが…