MAKIKYUは先月末に東京都心へ出向く機会があり、その際には運賃の手頃さもあって日頃愛用している東急東横線を利用したのですが、東横線の一部区間は目黒線が併走している事は、ご存知の方も多いかと思います。
先月末に東横線を利用した際には、この目黒線で運行開始したばかりの新型車両・東京メトロ9000系(5次車)が稼動している姿も目撃し、早速乗車してきましたので、取り上げたいと思います。
9000系は旧営団→東京メトロ南北線用に製造された車両で、南北線を走る車両は、相互乗入先事業者の車両を除くと、現段階では全車両がこの系列を名乗っています。
この9000系は、1991年の南北線駒込~赤羽岩淵間開業当初に製造された車両をはじめ、その後の延伸に伴って数度の増備が行われています。
そのため幾つかのバリエーションが存在しているのですが、今まで数度に渡って増備された車両は、下回りや車内の造りなどに差異が見られるものの、外観や内装などは共通性を感じられるものでした。
しかしながら今年に入り、5次車と呼ばれる車両が導入され、この車両は南北線用車両としては久々の増備となるのですが、5次車は前面形状などが大幅に変化し、既存の南北線用車両(1~4次車:以下既存車両と記します)とは見るからに別物という雰囲気ですので、9000系という同一形式の続番で導入された事自体が不思議に感じる程です。
この5次車は既存の9000系とは製造時期が随分離れる事もあり、最新型車両に相応しくドア上にLCDモニターによる案内表示装置が設置(既存の9000系は2段式のLED文字表示タイプ)され、車内の更なる難燃化が図られている点などは、既存車両に比べて進化していると言えます。
ただ化粧板では9000系既存車両の暖色系柄入りに代わり、白色無地となっていますので、内装は随分シンプルな印象を受けたものです。
(ちなみに東京メトロで無地の化粧板を用いた車両は、同社発足後初の新形式となった副都心線用10000系という前例(こちらはグレー)もありますが、こちらは車端部の木目柄化粧板がアクセントとなり、車両端貫通路部分や天井などもかなり趣向を凝らした個性的で特徴あるものとなっていますので、最近首都圏で走り始めた通勤車両の中では、かなり豪華な部類に入ります)
この内装は東京メトロ線内を走る車両の中では評判が芳しくなく、低寿命であると共に、見るからに貧相な内外の雰囲気もあって「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称」で呼ばれる事も多い、東西線に乗り入れる他社ステンレス製車両などを連想させるものがあります。
その上ドアチャイムも旧営団車両では一般的なタイプでなく、この評判の芳しくない車両と同じタイプ(10000系もこのタイプですので、今後東京メトロでは標準的になるのかもしれませんが…)になってしまった事も、その印象をより強くしていると感じたものです。
(それでも車内の造りなどは、東西線に乗り入れてくるこの他社ステンレス車よりはまだ良いのが救いですが…)
また東京メトロ発足後は他線でもそこそこの年数活躍した車両を、大規模な改修などを行わずに廃車(新車で代替)する方針が打ち出されていますので、首都圏の中では比較的高級な造りの車両を導入し、改修を行って長く使い続ける旧営団とは、車両方針が180°転換したのでは?と感じる程です。
9000系既存車両をはじめ、旧営団時代末期に導入された車両は形式毎に内装を変えており、そのどれもが趣向を凝らしたものと感じる程ですので、それと今回導入された南北線9000系5次車を比べると、最新車両故に進化したと感じる面もある一方で、内装に関しては今までの9000系や、目黒線を走る他社車両に比べて見劣りが…と感じたもので、今後東京メトロで導入される車両が、どの様な仕様で導入される事になるのかも気になったものです。