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京王5000系電車~有料列車にも充当予定の新型車両

2017-10-16 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先月末に京王電鉄では新型車両・5000系電車の運行を開始し、京王沿線や周辺地域では注目の存在となっていますが、MAKIKYUも今月京王線を利用した際、また営業開始から日が浅い新型車両・5000系に乗車機会がありましたので、取り上げたいと思います。


5000
系は京王線で活躍する既存各形式と同様の車体長約20m・客扉は両開き扉を片側に4枚配したもので、この仕様は京王線に限らず首都圏通勤型車両では標準的なものですが、前面形状は既存の京王線車両とは大きく異なる傾斜した形状となっており、最近中国で続々と開業している都市鉄道の新型車両などを連想したものでした。


前面形状やカラーテープ(ピンクと紺色)の配列をはじめ、車両内外の番号表記書体なども既存車両と異なり、既存車両では小さくやや見難いと感じた側面行先表示器もサイズが拡大されるなど、外見は既存車両と大きく異なる車両である事は一目瞭然です。


そして5000系の最大の特徴となっているのは車内設備で、今まで大手私鉄各社の中では唯一オールロングシート車のみだった京王では異例のクロスシート車となっているのが大きな特徴です。


このクロスシートは各車両のドア間に配置、ロング/クロス可変座席となっており、車端部分は一人分ずつひじ掛けで区分分けされたロングシートとなっています。

京王では来春に要特別料金の座席定員制列車を運行、この座席定員制列車ではロング/クロス可変座席をクロスシートモードに設定、それ以外の列車で運用する際はロングシートモードに設定して運行する事が発表されており、現在は各駅停車などで既存他形式車に混じり活躍中ですので、クロスシートモードでの営業運行は来春までお預け状態です。

そのためMAKIKYU5000系に乗車した際も、ロング/クロス改変座席は当然ながらロングシートモードとなっており、既に他社で活躍しているロングL/クロス可変座席装備車と同様、一般のロングシート車に比べると座席自体はやや高級な反面、構造上着席定員が少なくなってしまうのは難点と感じたものでした。

ロング/クロス改変座席は近鉄で採用された後に首都圏にも波及する状況で、元祖の近鉄では枕部分が非常に硬いのが大きな特徴ですが、京王では有料列車として充当する予定もあってか枕部分は軟らかめとなっており、座面のクッションなども近鉄のロング/クロス改変座席に比べるとやや高級と感じたものでした。

 
最新型車両らしくLCDモニターによる多言語案内も実施、中吊り広告を廃止している事もあり枕木方向に何台ものモニターが設置されているのも大きな特徴となっています。


このLCDモニターの表示内容は、既存車両9030系などで用いられているものとは異なっており、標準仕様化の進行を感じさせられたものですが、日本語と英語に加え、韓国語と中国語の案内も実施している辺りは評価できると感じたものでした。


また電源コンセントも装備、これは今春西武鉄道が地下鉄有楽町
/副都心線直通用の座席定員制列車「S-TRAIN」向けに導入したロング/クロス可変座席装備車両・40000系も同様ですが、電源コンセント装備に関しては各座席1つずつの装備となっており、西武40000系よりも更に深度化しているのも特徴です。


ただ電源コンセントは「ランプ点灯時に使用できます。」という注意書きがあり、クロスシートモード(原則として有料列車充当時)の際にしか使用できない仕様となっています。

近年一般車両でも京急などが電源コンセント設置車両を運行、また京王グループ内でも路線バスの一部車両(西東京バスの新型車両)で電源コンセント装備をウリにした車両を運行している程です。

そのため旅客サービス向上を図る意味でもコンセントは常時使用可能とした上で、有料列車以外の列車で運行する際には特急や準特急以外の列車に優先充当する事で、旅客の分散乗車を促進する方が得策なのでは…とも感じたものでした。

またMAKIKYUは日頃小田急線を利用、小田急ではステンレス車は光沢を抑えた仕上がりになっており、これに比べるとドアなどの光沢がきつくギラギラとした雰囲気、京王(相模原線)と小田急(多摩線)が並走する区間で両社のステンレス車が並走した場合、5000系と小田急の車両(3000形や4000)などでは両者の違いが一目瞭然かと思います。
(MAKIKYU
5000系に乗車したのは京王本線内のみですが…)

この辺りは車両設計やデザインの思想が異なる事も影響していると思いますが、5000系の場合は兼用車ながらも特別料金を徴収する列車にも充当予定となっていますので、特別な車両という印象を与えるために、ステンレスの光沢を少し抑えて落ち着いた雰囲気にした方が良かったのでは…とも感じたものでした。

5000
系は今までの京王における既存車両とは様々な面で異なり、今後予定されている有料列車への充当なども含め、賛否両論が色々出そうな車両とも感じたものでした。

MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もまだ営業運転を開始して間もない5000系に乗車した際の感想等ありましたらコメントもどうぞ。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
快適な車両です (NaCl)
2018-05-29 01:31:39
最近、新宿線で初めて遭遇しました。
デザインは設計者の狙い通り、万人受けするスタイリッシュな外観ですね。構体も余計な継ぎ目がなくスッキリしています。内装も今までのJ-TREC(旧東急車輛)のイメージとは打って変わって高級感あるスタイリッシュな内装です。J-TRECに変わってから今まで競合他社に遅れをとっていた、構体技術やデザイン面が追いついてきたように感じます。
当然ロングシート状態で乗車しましたが、普段乗り入れている京王9000系などの一般車両に比べハイバックなだけでなく座席幅が広く、座席の硬さも適度で格段に快適でした。京急2100系と比較しても遜色ないレベルに感じました。7人掛けの座席を6人掛けにするとこんなにも快適になるのかと驚きました。
現在一般車両としては新宿線直通運用が中心で、特急・準特急運用にはついていないのですが、少しもったいないような気がしますね・・・東武50090系がTJライナー折返し快急や急行など、優等列車にも充当されているのと対照的ですね。京王ライナーの折返しもわざわざ回送しているのも無駄が多い感じがします。
着席定員が少ないのがネックなんでしょうか。
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一般車両としては… (MAKIKYU)
2018-05-31 16:39:48
NaCl様こんにちは。

京王5000系は一般車両としては割合高評価が多いと感じ、座席数の少なさとギラギラした外観を除けば、個人的には悪くないと思っていますが、肝心のライナー運用に関しては停車駅や料金設定などでもう一工夫が必要なのでは…という気もします。

一般列車充当時も新宿線直通運用主体としているのは、座席数の少なさに加えて競合路線との差別化を意識している面もあるのでは…と感じており、混雑傾向にある特急・準特急以外への充当を増やす事で旅客分散を意図しているのかもしれませんね。

また京急2100形と同様に、夕方~夜間の有料列車折返しを回送運転する手法は不評を買う要因にもなり、車内環境維持程度しかメリットもない気がします。

上り列車での料金収受有無は賛否両論があると思いますが、何らかの形で活用される事を期待したいもので、今後土日昼間の高尾山方面行楽客輸送列車などにも充当できないのだろうか…とも感じています。
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Re:一般車両としては (NaCl)
2018-06-03 21:33:11
コメント返信、ブログ紹介ありがとうございます。
ステンレス車の表面処理についてですが、ダルフィニッシュ加工(つや消し)はステンレス車特有の光沢が抑えられるため一時期流行したものの、汚れが
付着しやすいため、最近の車両は大半が光沢のあるBG仕上げになっているようです。なのでその点については致し方ないかと思ってます。
あとは明大前に停車するにも関わらず、旅客扱いしないのはもったいないと感じてしまいます。座れないことが確実であるがゆえに着席需要見込めそうなんですが・・・
また、料金についてもホームウェイとのアコモの差を考えると割高感は否めないのはおっしゃる通りですね。
新宿線直通電車については特に京王線内の速達性が低すぎて不人気ですね・・・座席数の少なさのせいなのか、京急2100形や東武50090系と異なり、一般車両としては冷遇されているように感じてしまいます。まだ新宿線急行としてならアコモの良さを活かせそうなのですが・・・
京王5000系をはじめ、鉄道関係の受賞車両については当ブログでも簡単ではありますが取り上げましたのでよろしくおお願いします。
http://blog.livedoor.jp/nacl2940/archives/9680259.html
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Unknown (MAKIKYU)
2018-06-04 17:43:10
NaCl様こんにちは。

京王5000系の運用形態に関しては、一部区間で競合する小田急と同様に速達列車への旅客集中が著しい路線ですので、先述コメントでも記していますが、有料列車以外は敢えて速達性の高くない種別を中心に充当する事で、時間に余裕のある乗客を下位種別に誘導し、旅客分散を図っている可能性もあるのでは…と推測しています。

京王の都営新宿線乗入は、千代田線や副都心線関連などと異なり、地下鉄直通でも自社線利用距離は同一、全く減収にならない事も考慮すると、もっと地下鉄直通に対して積極的になっても良い気もしますが、直通先が「役所」であるだけに、相手方の事情も影響しているかもしれません。

また京王ライナーの明大前通過は商機を逸しているとしか言い様がなく、どっちーも!を大々的に宣伝している事なども考慮すると、今後是非検討頂きたい気もします。

ホームウェイとの設備差を考慮すると割高感が否めない京王ライナーも、明大前から確実に座れるとなれば、現行料金でも結構繁盛しそうな気もしますので…
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