最近はICカードの普及が進み、磁気プリペイドカードの発売や取り扱いの縮小が全国的に進んでいますが、その中でもオレンジカードは全国ネットの旧国鉄が発売を開始し、交通系プリペイドカードの代表格的存在と言えます。
オレンジカードは国鉄の分割民営化後も、JR旅客各社が現在まで継続して発売しており、各地でその土地毎の特色ある車両や名所などをデザインしたカードを発売し、旅先での土産物としても定番アイテムと言えます。
そのためICカードが普及し、利用頻度は減少しているとは言っても、自動改札機などへの直接投入ができない旧式のカードながら、現在まで継続して発売され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、オレンジカードを手元に何枚も持っているという方は多いかと思います。
最近は発売枚数も減少し、絵柄も少なくなっていますので、購入頻度は減少していますが、現状では額面金額が保証される事もあり、MAKIKYUも手元にコレクションとして多数所持していますが、先日JR東日本では来年4月以降オレンジカード発売駅大幅縮小をHPで公表しています。
JR東日本はICカード導入に最も積極的な事業者である事や、ドル箱とも言える首都圏の通勤通学輸送を抱え、莫大な収益を上げている事業者と言う事もあってか、JR旅客各社の中ではオレンジカード発売に比較的消極的な印象があります。
(逆に不採算路線を多く抱えるJR北海道とJR四国はオレンジカード発売に積極的な印象があり、MAKIKYUは首都圏在住の身でありながらも、手元にあるオレンジカードはこの2社が発行したモノが多いです)
おまけにJR東日本では最近、各地区で発売駅の集約化を行い、各地域の基幹駅のみでの発売となる傾向が強まっていますが、先日の発表ではこの施策を更に深度化し、発売箇所を主にSuicaエリア外の主要駅(但し仙台駅や新潟駅での取り扱いは継続)とした上で、首都圏での発売を全面終了する事を謳っています。
ICカード普及に伴い、需要が減少している事や、少数毎発売の為に煩雑な事務作業が生じる事などを考えると、ある程度発売駅を集約する事は止む無しとはいえども、首都圏での発売を全面終了するのはやり過ぎという気がします。
全国共通で記念品や贈答用として有用なカードである事や、比較的最近ではJR九州が発売した485系電車の引退記念カードセットが大好評を博し、急遽通信販売限定による受注生産で再発売となった事などを考えると、数駅程度での発売は継続して欲しい気がします。
この様な発表が出てくるという事は、磁気プリペイドカードが一つの時代を終えた事の現われと言っても過言ではなく、他のJR旅客各社でも今後同様の動きが生じるのか気になる所ですが、オレンジカード以外にもイオカードやパスネット、スルッとKANSAIカード各種など幾つものプリペイドカードをコレクションする身としては、少々寂しい気がします。
(中には首都圏バス共通カードの様に取り扱いを終了しており、早く払い戻ししないと額面金額分が無効になってしまうカードも含まれていますが…)
また今回の発表でJR東日本が今後もオレンジカードの発売を継続する駅としては、首都圏外の各県で2~3駅程度の主要駅(但し宮城県は仙台駅のみ)となっていますが、秋田県内だけは比較的小規模な駅でも発売継続対象となる箇所が多くなっています。
秋田県内で7駅が対象となっているのは少々意外に感じ、MAKIKYUも秋田支社発行のオレンジカードを何枚か所持していますが、秋田支社では今後もオレンジカード発売に積極的に取り組む意思の表れなのかも気になる所です。
写真は旧国鉄とJR旅客各社の発行したオレンジカード、内1枚は来年春に発売を大幅縮小するJR東日本発行のカードです。
絵柄は全て過去帳入りした車両が含まれており、何気なく購入したカードも今見ると興味深く感じるものが多く、コレクションとしてもなかなか面白いものです。
需要減少や偽造対策などを考えると、オレンジカード縮小は必須かと思いますし、既に発売・利用停止となったカードが多種存在することを考えれば、残っているだけ…とも感じますが、Suica普及が狙いであるならば、全エリアでの利用が可能な状況になるように努めて欲しいものです。
またカード自体が先細りする状況では、ファン層も先細りは必須で、最近はこちらも買いたいカードも北海道や四国で時折…という有様ですが、カード自体が廃止→その数年後には無効という事態にだけはならない事を願いたいものです。