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三木鉄道~軽快気動車1形式のみが走る短距離ローカル線

2007-01-27 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

「MAKIKYUのページ」では先週、地方の第3セクター鉄道が苦境に陥っているニュースを取り上げ、その中で廃線が検討されている路線の一つとして、先週取り上げた若桜鉄道以外にも幾つかの鉄道の名前が挙がっていましたが、このうち三木(みき)鉄道に関しては先月乗車する機会もありましたので、今日取り上げたいと思います。

三木鉄道は旧国鉄から経営分離された第3セクター鉄道で、厄神~三木間を運行する全長6km強のローカル線ですが、近年成田空港建設の見返りで建設され、全列車が京成線に直通して実質的に京成の一支線と化している千葉県の芝山鉄道を除くと全国の3セク鉄道では最も小規模な部類に入り、3セク以外の鉄道を含めても三木鉄道より小規模な鉄道は、和歌山県の紀州鉄道など数える程です。

三木鉄道沿線は大阪や神戸といった大都市からもさほど離れてはいないのですが、起点の厄神で加古川線に接続するとはいえ、これも近年電化されたとはいえローカル線で使い勝手が良いとは言えず、また大阪や神戸方面から厄神回りではかなりの大回りを強いられる状況です。

また終点の三木でも市内中心部を走り神戸へ直結する神戸電鉄(神鉄)が頻発している上に駅の立地も良いとは言えず、神鉄とは駅も離れており結節性は今一つ、沿線も自家用車の使用が多い上に割合平坦で自転車の使用も割合容易、三木鉄道の全長も短く他線の駅へ向かうのもさほど困難な状況ではありません。

その上に国鉄時代は列車の運行本数も極めて少ない状況だった様ですので、利用不振にならないのが不思議といっても過言ではない状況でしたが、三木鉄道移管後は駅(停留所)の増設や運行本数の増便(概ね毎時1本運行されています)が行われていますが、それでも余り利用は振るわない様です。

またバスでも充分な程度の乗客数(MAKIKYUが乗車した際は昼下がりという事もあり、利用客は指の数で足りる程でした)という事もあって、三木市長(3セク鉄道で地元自治体が株主ですので、自治体が強大な権限を持っています)が廃線を打ち出しています。

この様な路線ですので三木鉄道移管当初からコスト低減に努め、使用車両も小型軽量のレールバスを導入してワンマン運行を行い、運賃収受は全て車内精算にするなど可能な限りの合理化を図っています。

ただレールバスは導入コストが安いだけでなくだけでなく、寿命もバス並みに短い事から早くも取替え時期に来てしまい、90年代後半には早くも軽快気動車に置き換えられていますが、この軽快気動車が写真のミキ300形です。

現在三木鉄道で運行される車両はこのミキ300形一形式のみとなっており、塗装も在籍車両全てが同じ塗装となっていますが、この車両は3セク用に設計されたメーカー標準仕様をそのまま取り入れた関係なのか、極めて短い距離を運行する鉄道であるにも関わらず、車内中央部にはボックスシートが配列されたセミクロスシートになっているのも特徴です。

また近隣を走り三木鉄道と比較される事も多い3セクの北条(ほうじょう)鉄道をはじめ、幾つかの3セク鉄道で色違いの同形車両が走っており、三木鉄道に乗車された事がない方でも、何処かで見た様な車両という印象を受ける方が多いかと思います。

この三木鉄道は沿線も平凡な田舎の風景が広がる地味な路線で、運行車両も現在はこの軽快気動車のみですが、いつまで運行し続けるかも予断を許さない状況で、大阪辺りからは比較的訪問も容易な場所を運行していますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?



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