MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

箱根登山鉄道3000形「アレグラ号」~最新型の観光車両

2015-03-10 | 小田急グループ

先月MAKIKYUは箱根へ足を運ぶ機会があり、箱根登山鉄道の鉄道線を利用する機会もありました。

その際には昨年秋に登場したばかりの最新型車両・3000形「アレグラ号」にも初めて乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。


「アレグラ号」は現段階では2両導入、通常の営業運転では既存車両・2000形2両編成と併結して3両編成で運行していますが、単行運転可能な両運転台車ですので、将来車両数が増えた場合などは、アレグラ号のみでの運行も見られるかもしれません。

同じ小田急グループの江ノ島電鉄(江ノ電)で近年登場した新型車両・500形と同様にステンレス車体を採用しながらも塗装仕上げ、そして下回りはVVVFインバーター制御が採用されており、これらは箱根登山鉄道の自社保有車両ではアレグラ号が初となります。

ガラス窓が可能な限り大きく取られ、展望性を配慮している辺りは、観光路線を走る車両ならではと感じ、独特な車体形状なども個性的、特に既存車両と併結して運行している現状では、両者を見比べるとその差は鮮烈です。

車内に足を踏み入れると、同じ小田急グループの小田急ロマンスカー・VSEやMSEを手がけたデザイナーが関与している事もあってか、何となくVSEなどを連想させる独特な雰囲気があり、昔から今日に至るまで、小田急ロマンスカーに接続運行する形態で運行しているグループ会社の運行路線らしいとも感じます。


天井やつり革の配列などは、他に類を見ないと言っても過言ではない特徴的なもので、外観以上に既存車両とは異なる雰囲気を感じたものです。

乗車時間の長い路線ではない事もあり、設備的に豪華さは余りないものの、ボックス席となった座席や、各ボックスに設置された木製テーブルなどは、観光路線を走る車両ならではと感じ、座席上に荷物棚が設けられず、代わりに各座席下を荷物収容スペースとしている点も独特と感じます。


最前部に特等席とも言える座席が設けられているのも嬉しい限りで、この区画は「展望ゾーン」とも称されており、MAKIKYUが乗車した際には、展望ゾーンの座席が空席でしたので、利用したものでした。


展望ゾーンの座席からは運転席もよく見え、運転席も見せるものとしてデザインされている雰囲気を感じたものですが、こちらは今日流行のワンハンドル式ではなく、前後方向へ動かすレバー式ながらも2ハンドルタイプとなっているのも特徴です。

強羅方展望ゾーンやドア付近の座席は、混雑対策で折り畳み可能な構造となっているのも大きな特徴で、観光電車ながらも混雑対策の輸送力増強用として導入した車両らしいと感じます。


最新型車両だけにLEDを用いた蛍光灯や、LCDモニターを用いた各種案内表示なども特徴で、これも箱根登山鉄道所属車両では初登場ですが、LCDモニターは英語以外に韓国語や中国語の表示も行われ、これも外国人観光客が多数利用する観光路線では重要な事かと思います。


また有名デザイナーが関与した車両故に、車内にはアレグラ号の名称と共に、このデザイナーが手がけた車両である旨を示した標記が見受けられた事も大きな特徴で、この標記は近年流行のステッカー式ではなく、きちんとしたプレートになっている辺りも、好感を感じたものでした。

このアレグラ号は一応観光電車ながらも、現段階では基本的に普通乗車券のみで乗車可能な普通列車として運行しているのは嬉しい限りで、充当時は強羅方1両に連結されます。

アレグラ号は日によって運用が異なり、早朝・深夜など運行本数の限られる時間帯は、2両共に入庫と言う可能性もありますので要注意です。

既存車両とは大きく異なる雰囲気のアレグラ号は一見の価値ありで、構想図が発表された時からの期待通りと感じ、機会があればまた乗車しても…と感じたものでした。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (NaCl)
2015-03-20 16:36:55
山岳の観光路線ゆえに他に見られない独特な車両になっていますね
愛称名の通り、姉妹鉄道提携を結んでいるスイスの山岳観光鉄道にも似た雰囲気を感じます
驚いたのが車両価格で2両で8億円もかかっているそうです
計画途中で両運転台車に変更したらしく、開発費が嵩んだからなのでしょうか
随所に見られる特殊仕様も影響しているのかもしれません
返信する
特殊車両とはいえ… (MAKIKYU)
2015-03-22 00:52:04
NaCl様こんばんは。

箱根登山鉄道では久々の新形式となった3000形「アレグラ号」、登山鉄道と言う特殊性に加え、デザイナーを起用した独自仕様が至る所に見受けられる点もあるにしろ、2両8億円→1両当たり4億円はかなり割高な部類ですね。

決して安いとは言い難い運賃を設定し、観光名物としてウリにしている鉄道ならではの車両と感じます。

線路幅は箱根登山鉄道と同一、運賃の高さは箱根登山鉄道以上にも関わらず、輸送品質の悪さが際立つ首都圏某ニュータウン鉄道も、少しは対価に見合うサービス提供に努めて頂きたいもので、忌まわしいボロ車両が消滅するのも、やっとこの時が来たと感じる状況ですので…
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。