合宿2日目の8月31日(月)、夜。
ゼミの学生たちは、ひそかに(といっても半公然と)飲み会をやっている。
ぼくは、学生たちの酒の飲み方と騒ぎ方が嫌いなので、付き合わない。
夕食後、9時過ぎに部屋に戻って、入浴後は、DVDを見る。
持ってきたのは、ケーリー・グラント他“フィラデルフィア物語”、サム・ペキンパー監督“荒野のガンマン”、ヘンリー・フォンダ“牛泥棒”の3本。
西部劇を見る気分にならなかったので、“フィラデルフィア物語”を見ることにした。
解説の水野晴郎が「ソフィスティケイテッド・コメディ」と言うので、“ティファニーで朝食を”のようなお洒落なストーリーを期待していたのだが、見事に裏切られた。
キャサリン・ヘップバーンをめぐって、ケーリー・グラントとジェームス・スチュアートが競い合うのだが、キャサリン・ヘップバーンにまったく魅力がないのである。
エラの出た頬、きつい目つき、骨ばった体つき。性格も悪い。
こんな女と離婚しておきながら、ヨリを戻そうというケーリー・グラントの気も知れなければ、こんな女に恋をするジェームス・スチュアートの気も知れない。
台詞もあまり洒落ていない。
30分で嫌になり、1時間でやめて寝ることにした。
程よい“ナイト・キャップ”になったらしく、朝7時55分まで爆睡してしまった。
朝食は8時から。
常々、学生たちに「何時まで飲もうと勝手だが、朝食の時間にはちゃんと顔を出せ!」と言っている手前、自分が遅刻するわけにはいかない。
きわどいところで間に合った。
* 写真は、“フィラデルフィア物語”(1940年)、“水野晴郎のDVDで観る世界名作映画”(Keep)のケースカバー。