なんだかんだ言って、今現在ぼくが一番気に入っているクルマはスズキの“スイフト”である。
理由その1. 戦う中小企業魂!
あの巨大企業フォルクスワーゲンと戦っている、というか、悪戦苦闘していること。
きょうの朝刊にも、スズキがVWを相手に株式の譲渡だか、提携の解消だかを求めて国際商事仲裁の申し立てをしたという記事が載っていた。
何はともあれ、日本人としては日本の企業には頑張ってもらいたい。
“アクア”、“CR-Z”、“デミオ”、・・・と、まだまだ迷うだろうけれど、いずれにしても国産車である。外国車を選ぶことは絶対にない。
ちょっと前までは、“アルファ・ミト”だの、“VW・ポロ”だのにも触手を動かされたが、いまはその気はまったくなくなった。
理由その2. なぜか軽井沢!
YOUTUBEで、“岡崎吾朗のクルマで行こう スズキ新型スイフト・スペシャル”という番組を見つけたのだが、岡崎吾朗氏と藤島知子さんが新型(現行)スイフトの試乗ドライブに行った先が軽井沢だったこと。
新車の試乗というと、どうしてみんな箱根に出かけるのか、どうして軽井沢ではいけないのか、ぼくには不思議だった。
軽井沢にだってワインディングはいくらでもある。碓氷軽井沢インターから72ゴルフ場あたりまでは、高低差もあるうえに結構カーブはきつい。あそこで試乗すればいいのに、といつも思っていた。
そうしたら、この番組では、まさにあの山道をスイフトで登り、下っていた。それが気に入った。
ついでに言えば、「別冊モーターファン444号 新型スイフトのすべて」の写真の何枚かも、おそらく軽井沢で撮影されたものと思われる(38、39、44頁など)。
軽井沢の木々の緑にはブルーのボディーが似合うのである。
理由その3. シルクロードを逆走!
同じくYOUTUBEのスズキ“スイフト”(SUZUKI SWIFT)を紹介、批評するコーナーの国際的なこと。
たいていの日本車の紹介は英語かドイツ語だけだが、“SWIFT”は英語、ドイツ語もあるが、ロシア語、ハンガリー語(?)、インド(英語だけど・・・)、イタリア語、不明の音声、文字の国、と実に多様である。
2年前に東ヨーロッパを駆け足で旅行したときも、ワルシャワやブタペストの街角でスズキ・アルトをしばしば目にして、スズキの凄さを感じたが、YOUTUBEでも“SWIFT”の国際的な認知度がうかがえる。
そう言えば、2004年に中国に行ったときも、ALTOが多いのに驚いた。
アメリカ、(西)ヨーロッパだけが「世界」ではない。
中国、ロシア、東欧、インド、そしてイタリアへと、“SWIFT”はシルクロードをローマに向かっている。VWもきっとスズキのこの国際的な販売力がほしかったのだろう。
理由その4. アンチ・ステイタス!
そんな国際性をもちながら、“SWIFT”をあえて“スイフト”と呼んでしまうところがいい。
某先生の「ジャグァー」、「メルツェデス」などという表記は鼻につく。しかし、“SWIFT”は「スウィフト」と表記してもバチは当たらないと思うのだが、あえて「スイフト」ときわめてニッポン的に表記しているのがいい。
さらにデザインもどこかアルトの面影を残している(リアドアガラスのCピラー側など)。初代スイフトは、軽自動車を5ナンバーにしただけなどと批評されたが、まったく悪びれずスズキのDNAをあえて(?)刻印しているところがいい。
クルマでステイタスを誇る!などという恥ずかしい振舞いをしないのがいい。
理由その5. 結局はクルマの出来!
みんながあげることだが、ボディ・デザインと足のよさ。
実は試乗したこともないのだが、YOUTUBEの動画を見るだけでも後輪の接地のよさが分かる。
あえて難点をあげるなら、最上級のXSにはサイド&カーテン・エアが標準装備されているが、アイドリング・ストップをつけることができず、逆にXL,XGにはアイドリング・ストップが標準装備されているが、サイド&カーテン・エアをつけることができないこと。
あれこれの選択をさせないことで、内容の割に買得感のあるあの低価格を実現させたのだろうが、何とかならないものか。
とにかく、頑張って下され!
2011/11/20 記