気ままに

大船での気ままな生活日誌

夫婦それぞれ、うふふの一日

2007-06-08 09:42:11 | Weblog
今日、ワイフは一泊旅行に出掛けています。グルメツアーで、くろよんロイヤルホテルに泊まって、吉兆の日本料理を頂くのがメインだそうです。和食党のボクにも魅力的なツアーでしたが、なんとなく、女ばかりの参加になるのではないかという気がして、申し込みませんでした。予感は当りました。ワイフのメールで、全員女性、それも一人参加が大部分であることが分かりました。ああ良かったと思いました。もし参加していたら、あまたの熟女の視線を一身に受けなければならなかった。ごちそうを味合うどころではなかったでしょうね。あやうくトホホの一日になるところでした。

そんなわけで、ボクも負けずに、今日はグルメで行こうと出掛けたのでありんす。夜はめんどうなので、昼にしました。ボクの一番のごちそうは、鰻や天ぷらも好きですが、やっぱりお刺身には敵いません。大船の”かんのん”もうまいけれど、少し遠出して茅ヶ崎の居酒屋”えぼし”にしようと電車に乗りこみました。

電車が、藤沢、辻堂を過ぎる頃、せっかくだ、もう少し先へ、と気が変ってきました。いつか訪ねた真鶴漁港の近くのお店も良かった、それもいいと思い、茅ヶ崎駅をパスしたのでした。そして、小田原駅に到着、しばらく停車しますとのこと。そのわずかな隙間の時間がボクの運命を変えたのです。ここで、また、ボクの居酒屋担当遺伝子がピコピコ動き出し、小田原にもおいしい刺身を食べさせてくれるとこがあるじゃないか、とささやき始めたのです。

そこは、以前、箱根プチ旅行の帰りに、みつけたお店です。その後、何度か訪ね、お刺身や金目鯛の煮付けなど頂いたことがあるのです。ボクの居酒屋担当遺伝子はそのときのビデオ映像をちらつかし、ボクをふらふらと東口の繁華街の雑踏の中に押し出してしまったのでございます。

そのお店の名は”ふじ丸”。漁船の名前みたいでいいでしょ。12時半でしたが、お店はほぼ満席でした。やばい、と思いましたが、奥の座敷のテーブルがひとつだけ開いていました。それも、絶妙の席です。壁に寄りかかることができる、目立たない端の席です。”はにかみおう(や)じ”にはぴったりの席です。

お刺身は、地魚盛り(1050円)、それに、先付けのつもりで、鰺の酒盗和え(525円)、もちろんお酒も。冷酒でも10種類くらい用意されています、無難なところで、新潟の吉乃川を頼みました。

お酒はすぐ来ましたが、この混み具合ですから、お刺身はちょっと時間がかかりました。でもボクのは待つのが好きな人です。お酒をなめなめしながら、文庫本を取り出し、な(め)なめ読みします。白州正子さん(生シラスはメニューにはなかったけど)の「西行」です。これは西行ゆかりの土地を訪ねる旅みたいな本なので、どのページを読んでも、楽しめるので、こういう場所にはぴったりなのです。大磯を通ってきたしと、鴫立庵のところをみていました。

そうこうしているうちに、ふたついっぺんに来ました。まずお刺身、うううまい。舌で転がしているうちにお酒をそそいであげます。お刺身ちゃんが身を震わして喜んでくれます。そしてごっくと呑み込みます。あーとため息をつきます。それを何度も繰り返します。ときどき、間に、鰺の酒盗和えとお酒のコンビを口に入れます。これがまた絶品、お酒にぴったりの相性です。

お刺身ちゃんの気に合うお酒は日本酒しかないとボクは思います。ためしにビールやワインと一緒にさせてやると、口の中でお刺身ちゃんがいやいやしているのがよく分ります。日本蕎麦もそうですね。蕎麦屋でビールなんか呑んでる人の気がしれませんね(笑)。

途中で、ご飯代わりに、ポテト盛り合わせなど追加注文したりして、ゆっくりすごしました。1時半を過ぎると、あれほど混み合っていた店内も空席が目立つようになりました。ああ、今日は平日か、勤め人は職場に戻ったんだ、と思いながら、ボクは、酔いが回って、少しぼんやりしてきた頭の中で、現役時代のことを思い出していました。死ぬほど多忙な日々が続いたときも、いつかはくる、こういうのどかな、気ままな一日、うふふの一日を夢想して、しのいでいたものでした。

そして、ボクは店を出て、小田原の商店街や飲屋街などの知らない道をぶらぶら(フラフラと?)と散策してから、家に帰ったのでした。夜9時頃、ワイフからケイタイのメールが入りました。”すごいごちそうだったよ、うふふ”

夫婦それぞれ、うふふの一日でした。






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