気ままに

大船での気ままな生活日誌

明治神宮御苑の花菖蒲は日本一だと思う

2007-06-14 09:25:17 | Weblog
久し振りに訪ねたのですが、明治神宮御苑の花菖蒲はやっぱり日本一だと思いました。本土寺や明月院、それに水元公園、堀切菖蒲園といろんなところの菖蒲園をみましたが、やっぱり、神宮御苑には敵わないと、今日改めて思いました。

ボクの職場がむかし都内にあった頃、渋谷、新宿は通勤コースでした。ですから、原宿で途中下車し、明治神宮の森をよく散歩しました。仕事始めの日は必ずここに初参りしましたし、今頃の時期はいつも花菖蒲の見学に来ていました。

はじめてここの花菖蒲をみたときのカンゲキは忘れられません。そのときは、まさに最高の見頃で息を飲むような美しさでした。ゆるやかにカーブしながらつづく菖蒲田は一番奥が見渡せないほど広く、そこには、さまざまな色合いの紫の、そしてその間に白いろの菖蒲の花がびっしりと埋め尽くされているのです。そして、神宮の雑木林の緑が、それらの花々をやさしく包むように佇んでいます。こうした周囲の木々の緑にいだかれた、むらさきに煙る菖蒲田の景色が、そのときボクの脳裏にしっかりと焼き付いてしまったのです。

その後、ボクの職場はつくばに移転し、原宿は遠いところになってしまい、めったに訪れなくなってしまっていたのです。比較的近場の、常磐沿線の本土寺とか水元公園とかの菖蒲園もすばらしく、それなりに満足していたこともあります。

そして、ボクは今また、比較的近くに(湘南新宿ラインに乗ると1時間かからないのです)住むようになり、本当に久し振りに神宮御苑の菖蒲田を訪れたというわけなのです。9時ちょと過ぎには明治神宮御苑に到着しました。東門から入り、素晴らしい緑の雑木林の中の木漏れ日の小径を進むと、南池が現われ、その先にお目当ての菖蒲田があります。

はじめてみたときと同じほどのカンゲキが蘇ってきました。ほとんど最高といってよい見頃でした。ワイフもボクもその菖蒲田の端にしばらく佇み、視界に入ってくる菖蒲田全体のむらさき色ベースの色のハーモニーを楽しんでいました。そして、”あぜ道”をゆっくりと、今度は一つひとつの花をみてあげました。お姫さまのように大事に育てられていることがよく分かります。ここのはすべて江戸系(伊勢系、肥後系の3系統があるそうです)で、150品種、1500株もあるそうです。奥万里、小町娘、夕日潟、大紫等々、白からはじまり紫色をすこしずつ加えて、濃い紫まで、よくここまで育成したと思うほどの多様な色合いでした。とくに、白地にほのかなむらさきがちらばる”深窓佳人”が良かったです(品種名にくらくらときたのが真相です)。

そして、ボクらは一番奥の田がようやく見渡せるところまで来ました。こちらの田には花がら摘みの作業をしている方がいて、他の田に較べて少し花が少ないようでした。ボクらは木陰のベンチに座り、また菖蒲田全体を見渡していました。目の前には、絵画サークルの団体がいて、みなそれぞれ、大きな風景を描いたり、一本一本をしっかりデッサンしてたりしていました。

隣りに座っておられた80才ぐらいのご婦人が話しかけてきました。自分は埼玉の坂戸に住んでいるのだけれど、毎年必ずここに来る、去年は花のつきが悪かったけど今年は最高だ、透析を1日おきにしている身体だけど、どうしてもみたくて今年も来た、とおっしゃておられました。

そして、そのご婦人は、しばらく菖蒲田に目をやったあと、ここの菖蒲は日本一ですよ、とつぶやきました。ボクは、この菖蒲田をみてカンゲキした若き日のことも思い出しながら、本当にそうですね、と心からの相槌をうったのでした。


コメント
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