こんばんわ。
10日ほど前、本覚寺と妙本寺をセットで訪ねた。本覚寺の枝垂れ桜が満開となり、妙本寺の海棠が開花した。さて、今日は?
本覚寺の枝垂れ桜はすっかり散り、隣りの八重桜が早くも開花した。
さてさて、妙本寺の祖師堂前の海棠は?三株共、いい色をしている。
近づいてみると。
満開です!
花嫁さんまで惹き寄せられている。
お堂に上って、観る。
お堂の左側のモミジが新緑になっている。10日前は芽吹きの頃だった。
お堂から見て、左側の海棠は”伝説の海棠”の三代目。小林秀雄と中原中也が手前の石に座って、話し合い、”和解”したという。この海棠の下に八重ドクダミが群生している。花の頃にまた、来なければ。
小林秀雄の”中原中也の思い出”の中に出てくる海棠。久し振りに紹介しよう(笑)。
中原と一緒に、花を眺めた時の情景が、鮮やかに思び出された。中原が鎌倉に移り住んだのは、死ぬ年の冬であつた。前年、子供をなくし、発狂状態に陥つた事を、私は知人から聞いてゐたが、どんな具合に恢復し、どんな事情で鎌倉に来るやうになつたか知らなかつた。久しく殆ど絶交状態にあつた彼は、突然現れたのである。晩春の暮方、二人は石に腰掛け、海棠の散るのを黙って見ていた、花びらは死んだような空気の中を、真っ直ぐ間断なく、落ちていた、樹影の地面は薄桃色にべっとりと染まっていた・・・その時、黙って見ていた中原が、突然、もういいよ、帰ろうよ、と言った(中原中也の思い出)
もちろん桜も満開。日蓮さんの銅像の前。
杉林の山吹も満開だった。
新緑もミツバツツジの紅紫色も目に染みる。
素晴らしい妙本寺の春であった。
では、おやすみなさい。
いい夢を。
(八幡さまの段葛の桜も満開!)