'07.09.26 『ロンドン・コーリング』@アミューズCQN
すごい見たかったコレ! 元THE CLASHのジョー・ストラマーの生涯を本人が語るラジオ音源や関係者、豪華著名人へのインタビューでつづった作品。THE CLASHは大好きだし、ストラマー本人にも興味があった。以前見た『レッツ・ロック・アゲイン』もかっこよかった。
THE CLASHは'70年代後半~'80年代にかけて活躍したイギリスのパンク・バンド。パンクはROCKのジャンルの1つで'60年代後半にニュー・ヨークで誕生。RAMONSのロンドン公演によりロンドン・パンク・ムーブメントが起こった。スリーコードの分かりやすく、コピーしやすい楽曲にアナーキー(反社会的)な歌詞を乗せたもの。ロック色の強かった他のバンドに比べると、THE CLASHはレゲエなども取り入れた。「pressure drop」も元はレゲエの曲のカバー。
パンク・ロッカー達の多くが労働者階級の出身なのに対して、ストラマーは中産階級出身。彼自身は中産階級であることや、パブリック・スクール(私立)出身であることをコンプレックスに思っていたようだ。ただ、父親が外交官だったので子供時代をいろんな国で過ごしたことで、違うジャンルの音楽を取り入れることに違和感がなかったのかも。勝手な想像だけど。
子供時代~退学になったアートスクール時代の話しは興味深いけれど、意外に淡々と進むので若干眠い。おそらく、このために作ったと思われる映像を、実際の写真や映像に混ぜてて、なかなか面白く作ってあったんだけど、お酒が入っていたせいか落ちてしまった(涙)でも、バンドを組んで音楽活動を始めた頃から楽しくなってきた。THE 101'ERS時代の音源も貴重。
音楽好きが集まってバンドができて、自分達の曲を作り、ライブをするようになる。だんだん人気が出て、デビューの話しが来る。しばらくは下積みだけど、ヒットが出て人気を得る。その人気に浮かれているうちに、バンド自体が一人歩きしだし、自分達の手に負えなくなる。歪みは個々のメンバー同士の軋轢を生み、会社の思惑も絡んで最悪の状態に。そして解散。そんなの何度も見てきた。でも、実際の映像や本人達の言葉で聞くとリアル。見ていて「やっぱりこうなるんだ」と納得。まぁ、結果を知ってるって事もあると思うけど…。
コメントを寄せる人達が豪華! U2のボノ、レッチリのフリーとアンソニーなどミュージシャンだけでなく、ジム・ジャームッシュや、ジョニー・デップ、ジョン・キューザックそしてスティーヴ・ブシェミ! 好きな人達ばっかりでうれしい(涙)やっぱり顔だけでファンになるわけじゃないから、その人の作品とか演技に受けてきた影響って絶対出てるはずで、そういうのって自然に自分の好きとリンクするんだと再認識。だから人は恋人になったり、友達になったりするんだし。とにかく彼らと好きな人や音楽が同じでうれしかった。
話しがそれたけど、個々にスゴイ人達がいかにジョーが好きで、彼やTHE CLASHから影響を受けたかってことを淡々と語るのがいい。ブルックリン・ブリッジを背景に焚火を囲んでジョーを語る演出がカッコイイ! このインタビューだけでも見る価値あり! 改めてジョーとTHE CLASHの偉大さを知る。当時の映像にはアンディ・ウォーホルの姿も!
もちろんジョー・ストラマーの映画なのだから、美化している部分も多いと思う。でも、バンド内での彼の振る舞いは決して品行方正ではなかった。そういう部分もきちんと描かれている。特にバンド内がガタガタになってジャンキーのトッパー・ヒードンを外し、仲たがいしたままミック・ジョーンズをも解雇したことは、本人達だけでなくジョー自身も生涯傷になったようだ。人は皆、いろんな局面で選択を迫られ、その時なりに判断を下して生きている。例えそれが焼肉定食なのか焼魚定食かの選択だとしても。2つを1度に食べられないのだとしたら、どちらかを選ぶしなかない。後から焼魚にしなかったことを後悔したとしても、その時は焼肉しか選べなかったのだから仕方がないのだ。変な例えだけど、失踪をでっちあげなければならないほどバンドの状態が悪いのなら、打開策を考えるのはリーダーの務め。いずれにせよバンドは終わっていた。でも、判断が正しかろうが間違っていようが、それぞれ傷を負ったことは間違いない。
ただ、それがとても人間らしい姿だと思った。見ながら歯痒く思ったりしたけど、でも彼らはまだ若かったのだ。自分より年上の人のことは何故か、初めから大人だった気がしてしまうけど、みんな悩んだり苦しんだりしてきたし、時には間違ったことやバカなことをして後悔したり、傷を抱えて生きていたりするのだと再認識。そして、それを乗り越えて成長する。
THE CLASH解散後、試行錯誤しながら自分の道を見つけようとするジョー。その姿がカッコ悪くもカッコイイ。バンドがなくなってからもファンや周りはTHE CLASHのジョー・ストラマーを求める。ファンの心理としてはとっても分かる。でも、それが彼の足枷になる。苦しみながらも自分の道を見つけたのは、家族や友人の存在も大きかったはず。消防士のデモ集会でのミック・ジョーンズとの共演は感動的。
当然ながら音楽もすごくいいし、映像もカッコイイ。「LONDON CALLING」は最高! ミックやトッパーの話しも生々しい。そして、なによりジョーがカッコイイ! カッコ悪いところも含めてカッコイイ!
「THE FUTURE IS UNWRITTEN」ジョーの口癖。勇気を貰った。
『ロンドン・コーリング』Official site
すごい見たかったコレ! 元THE CLASHのジョー・ストラマーの生涯を本人が語るラジオ音源や関係者、豪華著名人へのインタビューでつづった作品。THE CLASHは大好きだし、ストラマー本人にも興味があった。以前見た『レッツ・ロック・アゲイン』もかっこよかった。
THE CLASHは'70年代後半~'80年代にかけて活躍したイギリスのパンク・バンド。パンクはROCKのジャンルの1つで'60年代後半にニュー・ヨークで誕生。RAMONSのロンドン公演によりロンドン・パンク・ムーブメントが起こった。スリーコードの分かりやすく、コピーしやすい楽曲にアナーキー(反社会的)な歌詞を乗せたもの。ロック色の強かった他のバンドに比べると、THE CLASHはレゲエなども取り入れた。「pressure drop」も元はレゲエの曲のカバー。
パンク・ロッカー達の多くが労働者階級の出身なのに対して、ストラマーは中産階級出身。彼自身は中産階級であることや、パブリック・スクール(私立)出身であることをコンプレックスに思っていたようだ。ただ、父親が外交官だったので子供時代をいろんな国で過ごしたことで、違うジャンルの音楽を取り入れることに違和感がなかったのかも。勝手な想像だけど。
子供時代~退学になったアートスクール時代の話しは興味深いけれど、意外に淡々と進むので若干眠い。おそらく、このために作ったと思われる映像を、実際の写真や映像に混ぜてて、なかなか面白く作ってあったんだけど、お酒が入っていたせいか落ちてしまった(涙)でも、バンドを組んで音楽活動を始めた頃から楽しくなってきた。THE 101'ERS時代の音源も貴重。
音楽好きが集まってバンドができて、自分達の曲を作り、ライブをするようになる。だんだん人気が出て、デビューの話しが来る。しばらくは下積みだけど、ヒットが出て人気を得る。その人気に浮かれているうちに、バンド自体が一人歩きしだし、自分達の手に負えなくなる。歪みは個々のメンバー同士の軋轢を生み、会社の思惑も絡んで最悪の状態に。そして解散。そんなの何度も見てきた。でも、実際の映像や本人達の言葉で聞くとリアル。見ていて「やっぱりこうなるんだ」と納得。まぁ、結果を知ってるって事もあると思うけど…。
コメントを寄せる人達が豪華! U2のボノ、レッチリのフリーとアンソニーなどミュージシャンだけでなく、ジム・ジャームッシュや、ジョニー・デップ、ジョン・キューザックそしてスティーヴ・ブシェミ! 好きな人達ばっかりでうれしい(涙)やっぱり顔だけでファンになるわけじゃないから、その人の作品とか演技に受けてきた影響って絶対出てるはずで、そういうのって自然に自分の好きとリンクするんだと再認識。だから人は恋人になったり、友達になったりするんだし。とにかく彼らと好きな人や音楽が同じでうれしかった。
話しがそれたけど、個々にスゴイ人達がいかにジョーが好きで、彼やTHE CLASHから影響を受けたかってことを淡々と語るのがいい。ブルックリン・ブリッジを背景に焚火を囲んでジョーを語る演出がカッコイイ! このインタビューだけでも見る価値あり! 改めてジョーとTHE CLASHの偉大さを知る。当時の映像にはアンディ・ウォーホルの姿も!
もちろんジョー・ストラマーの映画なのだから、美化している部分も多いと思う。でも、バンド内での彼の振る舞いは決して品行方正ではなかった。そういう部分もきちんと描かれている。特にバンド内がガタガタになってジャンキーのトッパー・ヒードンを外し、仲たがいしたままミック・ジョーンズをも解雇したことは、本人達だけでなくジョー自身も生涯傷になったようだ。人は皆、いろんな局面で選択を迫られ、その時なりに判断を下して生きている。例えそれが焼肉定食なのか焼魚定食かの選択だとしても。2つを1度に食べられないのだとしたら、どちらかを選ぶしなかない。後から焼魚にしなかったことを後悔したとしても、その時は焼肉しか選べなかったのだから仕方がないのだ。変な例えだけど、失踪をでっちあげなければならないほどバンドの状態が悪いのなら、打開策を考えるのはリーダーの務め。いずれにせよバンドは終わっていた。でも、判断が正しかろうが間違っていようが、それぞれ傷を負ったことは間違いない。
ただ、それがとても人間らしい姿だと思った。見ながら歯痒く思ったりしたけど、でも彼らはまだ若かったのだ。自分より年上の人のことは何故か、初めから大人だった気がしてしまうけど、みんな悩んだり苦しんだりしてきたし、時には間違ったことやバカなことをして後悔したり、傷を抱えて生きていたりするのだと再認識。そして、それを乗り越えて成長する。
THE CLASH解散後、試行錯誤しながら自分の道を見つけようとするジョー。その姿がカッコ悪くもカッコイイ。バンドがなくなってからもファンや周りはTHE CLASHのジョー・ストラマーを求める。ファンの心理としてはとっても分かる。でも、それが彼の足枷になる。苦しみながらも自分の道を見つけたのは、家族や友人の存在も大きかったはず。消防士のデモ集会でのミック・ジョーンズとの共演は感動的。
当然ながら音楽もすごくいいし、映像もカッコイイ。「LONDON CALLING」は最高! ミックやトッパーの話しも生々しい。そして、なによりジョーがカッコイイ! カッコ悪いところも含めてカッコイイ!
「THE FUTURE IS UNWRITTEN」ジョーの口癖。勇気を貰った。
『ロンドン・コーリング』Official site