'09.12.11 『ウルルの森の物語』(試写会)@朝日ホール
yaplogで当選。いつもありがとうございます。『マリと子犬の物語』のスタッフとキャストが再結集した作品。前作は未見だけど、緑の芝生の上にペタンと体を伏せて、顔をはさむように前足をちょこんと置いて、見上げるようにこちらを見つめるウルルのチラシのかわいさに惹かれて応募。見事当選した。
18:00開場だけど、ぜんぜん入場がかからない。朝日ホールは有楽町マリオンの11F。入口を入った11Fのフロアにはギャラリーがあって、ホールはさらに上、つまり12Fになる。ホールの階にもトイレはあるのに、今回はこの階のトイレしか使えないとのこと。変だなと思っていると、開場時間を過ぎた頃、エスカレーターを上がる一団が。よく見えなかったけど、前に並んでいた女性が「深キョンだ」と! 試写状には特に舞台挨拶ありとは書いていないけど・・・。などと思いつつ、10分くらい過ぎて入場。本日は全席指定。とりあえずロビーでおにぎり食べて、トイレに行くも階下のトイレは長蛇の列。8Fにもトイレがあるとのことで急いで降りる。前を行くオバさまによると、紀子様がいらっしゃるとのこと。なるほど、だから厳重警備なのか。席は2列目の右の方。最前列は取材席なので実質1列目。後ろを振り返ると段差を上がったところに、関係者がズラリ。その中央から2人目に主演の船越英一郎、その隣に深キョン。深キョンかわいい! 顔小さい。アナウンスがあって紀子様と眞子様ご入場。紀子様は茶色のわりと地味めなスーツ。眞子様も黒系の服装だったけれど、ちょっと遠かったのであまりよく見えず。というわけで、なんと紀子様、眞子様と見るロイヤル試写会となった。
*ネタバレあり。 ごめんなさい! かなり辛口です
「小学生の昴としずくは母が入院したため、北海道に住む父の元へやってくる。野生動物救命所で働く父は、5年ぶりの再会よりも動物保護を優先するほど仕事に追われていた。ある日、ネイチャーカメラマンの叔母千恵と森で遊んでいる時、傷ついた子犬を見つける。父の手当てにより元気になった子犬をウルルと名づけ世話し始めるが、ウルルは絶滅したエゾオオカミである可能性が高まって・・・」という話で、これはウルルを通して絆を取り戻していく、家族再生の物語。という、この一言だけですべてを言い切ってしまったという感じ。そのくらい王道ストーリー。正直、結構泣いてしまったけれど、それは子犬ウルルの名演技によるもので、家族再生はちょっととってつけたみたいな感じだったかも。それでも泣いてしまったのは、涙目になってしまったからだけではないと思うけれど・・・。
ウルルというのはしずくがウルフと言えなくて、ウルルになってしまったことから名づけられた。結局、映画の中ではウルルがオオカミであるという科学的証明はできず、かなりの高確率でオオカミだと言うにとどまっているけど、ウルルがオオカミじゃないと成り立たないファンタジー部分があるわけで、その部分を信じる、信じないは自由ですというスタンスで描くとしたら、こんな感じでいいのかもと思うけど、なんとなく全部がとってつけたようになってしまったかなぁ。こういう言い方はもしかすると、とんでもなく上からな感じになってしまうかもしれないけれど、小さな子供からお年寄りまで幅広く、普段あまり映画を見ない人たちにもウケることを狙ったのであれば、分かりやすく作られているのかなと思うけれど。うーん、上手く言えないけど。もちろん一生懸命作られた作品だと思うし、子供だましというつもりはぜんぜんない。でも、ちょっと安易に泣かせどころや、山場を盛り込み過ぎな気がするし、仕事を優先してしまう父親像も類型的で、しかも何故そこまで野生動物保護に力を注いでいるのか、掘り下げがあまりないので、なんとなく落ち着きのない人に見えてしまう。
ウルルがエゾオオカミならばそれでいいし、だから研究対象として重要であって、そういう機関から追われるのも分かる。ウルルとの間に絆が生まれた幼い兄妹が、なんとかして森に返してやりたいと思う気持ちも分かる。やみくもに山に返すのもどうかということで、ウルルのお母さんが待っているであろう"ホロケシ"というオオカミの国を目指すという設定もいいと思う。『ロード・オブ・ザ・リング』は大好きだけど、特別ファンタジー好きではない。でも、ウルルが幸せに暮らせるならばホロケシがあって欲しい思うし、子供たちが心からウルルの幸せを願って、伝説の土地を信じるならば、そういう世界はあるのですと言ってもと思う。だから、とってつけたようだと言っているのは、このファンタジー部分のことではなくて、たぶん本当に見せたかったであろう家族愛の方。
正直に言ってしまうと、いろんな要素を盛り込みすぎて、一つ一つのエピソードがかえって希薄になってしまった気がする。両親が別れた理由にしても、実は奥が深いように描きたいのかもしれないけれど、自分の心臓病のことを隠したまま結婚したり、そんな体では足手まといになるから夫の夢のために身を引いたというけれど、子供を生むというのは女性の体には大変な負担なわけで、2人も生んでいるのに夫が何も知らないというのは説得力がない。というように、なんとなくちぐはぐ。ウルルを育てることによって子供たちが命の大切さを知り、父親との絆を取り戻すのであれば、瀕死のウルルを徹夜で看病するシーンを山場にするか、後の冒険シーンを山場にするか、どちらか一つでよかった気がする。なんとなく、どちらもとってつけたようになってしまっていたように思う。全体的に見せ場や山場は盛りだくさんだけど、やけにあっさり解決してしまう。冒険中も、崖崩れに遭ってみたり、足を滑らせて川に落ちてみたり、小学生にしては大アドベンチャーなのに、わりとあっさり解決。川に落ちちゃうのは実は船越さんで、かなり体格のいい船越さんが服を着たまま川に落ちた場合、いくらウルルが流れ着いた浅瀬に子供たちを誘導したとしても、小学生の兄妹が岸に引き上げるのは無理でしょ。というツッコミがヤボなのは承知しておりますが(笑) ちょっとそういうご都合主義的な感じが気になってしまった。
ウルルをオオカミに設定したのはホロケシを描きたかったのだと思うし、そこに至る道のりがあまりにあっさりしているのはどうかと思うけど、その障害となるのは何も崖崩れじゃなくてもいいはず。一つ一つのエピソードがありがちで、あっさり解決するので、全体的に盛りだくさんなわりにサラリとした印象。両親の離婚、母の心臓の手術、自分たちよりも仕事を優先する父、助けた子犬が実はオオカミ、ウルルを狙う大人との闘い、あるか分からないホロケシへの冒険と、小学生にしてはかなりドラマチック(笑) でも、あっさりしているのは何故だろう? なんて、ちょっと言い過ぎかな。ごめんなさい。イヤ別に、娯楽作品ということならいいんです。山場てんこ盛りであっさり解決でも。でも、ウルルがとってもかわいかったので、ウルルの健気な演技をもう少し生かしてあげたいなと思ったもので・・・。
キャストは・・・。うーん。子供たちは特別上手いとは思わなかったけど頑張っていたと思うし、下手ではなかった。特にしずくの北村沙羅ちゃんは、児童劇団のお稽古どおりという感じだったし。よく知らないけど(笑) もちろんホメてます! 何といっても2人とも健気でかわいいので、それだけでOK。ただし、2人が物語を引っ張っていくという展開は、ちょっと荷が重かったかな。深キョンはかわいいけど・・・。子供たちより仕事を優先してしまう兄に代わって、甥っ子と姪っ子の面倒を見るしっかりものの叔母っていう風には見えないかな(涙) 深キョンのことが好きでいろいろ便利に使われているというありがちな役どころで、よゐこの濱口が出てたけど、何故? イヤ別にいいけど。下手ではなかったし。でも、お笑い芸人がよくドラマや映画の脇役で出演しているけど、たいてい浮いているように思うんだけど・・・。例えば『空気人形』の板尾さんみたいにジャンルを超えても個性が生きて"この人"ってことで使うなら分かるんだけど。光石さん・・・。とっても損な役だった。ウルルを研究対象としてしか見ない悪役だからってことではなく、船越さんのウルルを森に返すために頑張る子供たちを見守ってあげたいからという連絡を聞き、捨て台詞を残してどこかに行ったきりという、何とも中途半端な退場のしかたで終わってしまったので・・・。まぁ、諦めたことは分かりますけど(笑)
そして、なんとなく全体的に空回りしてしまった理由の一つは、 正直に言ってしまいますが、船越さんの大げさな演技によるものかと・・・。ごめんなさい! でも、これはちょっと・・・。このお父さんが20代~30代前半なら迷走しててもいいと思うし、熱いのもいい。でも、船越さんが演じているなら、どんなに若く見積もっても40代前半が限度でしょう。親になったことないので、エラソウなことを言う権利はないし、親だっていくつになっても悩んだり、迷ったりしながら生きているんだと思う。でも、もう少し落ち着いて欲しかった(笑) この映画は動物モノであり家族モノなのでサスペンス調ではちょっと辛いかも(涙) 子供たちの行方が分からない時も、周りはあっさりしているのに、1人ボンネットに手を叩きつけて「どこへ行ったんだあいつら!」と叫ばれても・・・。ホロケシに行くには霧が濃すぎて危険だと力説するわりに、全く危険そうに見えないのは別に船越さんの演技のせいではないけど、そういう見せ場のシーンも含め、おそらく計算して入れているちょこっとした演技も、周りのほとんど淡々とした感じの演技から浮いてしまっている。どちらがいいかは別として。でも、子供たちより野生動物を優先してしまうのも、空回りしている人にしか見えない。って、言い過ぎかなぁ・・・。ホントにごめんなさい。サスペンスの船越さんは好きなのですが。
ホントに辛口でごめんなさい(涙) ただ、ホントにウルルが健気でかわいくて、演技が上手かったので、なんとなく不憫に思えてしまって。この映画で一番自然な演技だったのはウルルかもというくらいウルルいいです。だから、兄妹がウルルを森に返すため、心を鬼にして泣きながらウルルにビー玉を投げつけるシーンは号泣してしまった。ここ、子役2人の演技も良かった。リュックの中に入っているウルル。前足で気遣うようにしずくの顔を触るウルル。もう目ウルウルです。お兄ちゃんの「生きろ!」の言葉に応えるように、気高くこちらを見るウルルの姿は見る価値ありです!
北海道の自然も美しくて、時々映る野生動物たちもかわいい。野生動物と人間の共存の難しさも伝わってきた。野生動物たちが命を落としたり、傷ついたりする原因の90%は人間のせいなのだそう。だからこそ、人間が共存のあり方を考えるしかない。だからこそ船越さんの仕事は、その辺りのことを訴えるものなんだと思うんだけど。とにかく、ウルルを守りたいという思いが、ほんの少しでも野生動物保護へ向けられればいい。それには私のように演技が、脚本がとエラソウに言わず、素直に見ればいいのかもしれないけれど。
個人的には手放しでオススメとは言えないけれど、動物好きでファミリー向け映画(バカにしてません!)が、見たいという人にはいいと思う。小さい子供たちには分かりやすいかも。大ベテラン大滝秀治さんが良かった。そして、なによりウルルがかわいい!
『ウルルの森の物語』Official site
yaplogで当選。いつもありがとうございます。『マリと子犬の物語』のスタッフとキャストが再結集した作品。前作は未見だけど、緑の芝生の上にペタンと体を伏せて、顔をはさむように前足をちょこんと置いて、見上げるようにこちらを見つめるウルルのチラシのかわいさに惹かれて応募。見事当選した。
18:00開場だけど、ぜんぜん入場がかからない。朝日ホールは有楽町マリオンの11F。入口を入った11Fのフロアにはギャラリーがあって、ホールはさらに上、つまり12Fになる。ホールの階にもトイレはあるのに、今回はこの階のトイレしか使えないとのこと。変だなと思っていると、開場時間を過ぎた頃、エスカレーターを上がる一団が。よく見えなかったけど、前に並んでいた女性が「深キョンだ」と! 試写状には特に舞台挨拶ありとは書いていないけど・・・。などと思いつつ、10分くらい過ぎて入場。本日は全席指定。とりあえずロビーでおにぎり食べて、トイレに行くも階下のトイレは長蛇の列。8Fにもトイレがあるとのことで急いで降りる。前を行くオバさまによると、紀子様がいらっしゃるとのこと。なるほど、だから厳重警備なのか。席は2列目の右の方。最前列は取材席なので実質1列目。後ろを振り返ると段差を上がったところに、関係者がズラリ。その中央から2人目に主演の船越英一郎、その隣に深キョン。深キョンかわいい! 顔小さい。アナウンスがあって紀子様と眞子様ご入場。紀子様は茶色のわりと地味めなスーツ。眞子様も黒系の服装だったけれど、ちょっと遠かったのであまりよく見えず。というわけで、なんと紀子様、眞子様と見るロイヤル試写会となった。
*ネタバレあり。 ごめんなさい! かなり辛口です
「小学生の昴としずくは母が入院したため、北海道に住む父の元へやってくる。野生動物救命所で働く父は、5年ぶりの再会よりも動物保護を優先するほど仕事に追われていた。ある日、ネイチャーカメラマンの叔母千恵と森で遊んでいる時、傷ついた子犬を見つける。父の手当てにより元気になった子犬をウルルと名づけ世話し始めるが、ウルルは絶滅したエゾオオカミである可能性が高まって・・・」という話で、これはウルルを通して絆を取り戻していく、家族再生の物語。という、この一言だけですべてを言い切ってしまったという感じ。そのくらい王道ストーリー。正直、結構泣いてしまったけれど、それは子犬ウルルの名演技によるもので、家族再生はちょっととってつけたみたいな感じだったかも。それでも泣いてしまったのは、涙目になってしまったからだけではないと思うけれど・・・。
ウルルというのはしずくがウルフと言えなくて、ウルルになってしまったことから名づけられた。結局、映画の中ではウルルがオオカミであるという科学的証明はできず、かなりの高確率でオオカミだと言うにとどまっているけど、ウルルがオオカミじゃないと成り立たないファンタジー部分があるわけで、その部分を信じる、信じないは自由ですというスタンスで描くとしたら、こんな感じでいいのかもと思うけど、なんとなく全部がとってつけたようになってしまったかなぁ。こういう言い方はもしかすると、とんでもなく上からな感じになってしまうかもしれないけれど、小さな子供からお年寄りまで幅広く、普段あまり映画を見ない人たちにもウケることを狙ったのであれば、分かりやすく作られているのかなと思うけれど。うーん、上手く言えないけど。もちろん一生懸命作られた作品だと思うし、子供だましというつもりはぜんぜんない。でも、ちょっと安易に泣かせどころや、山場を盛り込み過ぎな気がするし、仕事を優先してしまう父親像も類型的で、しかも何故そこまで野生動物保護に力を注いでいるのか、掘り下げがあまりないので、なんとなく落ち着きのない人に見えてしまう。
ウルルがエゾオオカミならばそれでいいし、だから研究対象として重要であって、そういう機関から追われるのも分かる。ウルルとの間に絆が生まれた幼い兄妹が、なんとかして森に返してやりたいと思う気持ちも分かる。やみくもに山に返すのもどうかということで、ウルルのお母さんが待っているであろう"ホロケシ"というオオカミの国を目指すという設定もいいと思う。『ロード・オブ・ザ・リング』は大好きだけど、特別ファンタジー好きではない。でも、ウルルが幸せに暮らせるならばホロケシがあって欲しい思うし、子供たちが心からウルルの幸せを願って、伝説の土地を信じるならば、そういう世界はあるのですと言ってもと思う。だから、とってつけたようだと言っているのは、このファンタジー部分のことではなくて、たぶん本当に見せたかったであろう家族愛の方。
正直に言ってしまうと、いろんな要素を盛り込みすぎて、一つ一つのエピソードがかえって希薄になってしまった気がする。両親が別れた理由にしても、実は奥が深いように描きたいのかもしれないけれど、自分の心臓病のことを隠したまま結婚したり、そんな体では足手まといになるから夫の夢のために身を引いたというけれど、子供を生むというのは女性の体には大変な負担なわけで、2人も生んでいるのに夫が何も知らないというのは説得力がない。というように、なんとなくちぐはぐ。ウルルを育てることによって子供たちが命の大切さを知り、父親との絆を取り戻すのであれば、瀕死のウルルを徹夜で看病するシーンを山場にするか、後の冒険シーンを山場にするか、どちらか一つでよかった気がする。なんとなく、どちらもとってつけたようになってしまっていたように思う。全体的に見せ場や山場は盛りだくさんだけど、やけにあっさり解決してしまう。冒険中も、崖崩れに遭ってみたり、足を滑らせて川に落ちてみたり、小学生にしては大アドベンチャーなのに、わりとあっさり解決。川に落ちちゃうのは実は船越さんで、かなり体格のいい船越さんが服を着たまま川に落ちた場合、いくらウルルが流れ着いた浅瀬に子供たちを誘導したとしても、小学生の兄妹が岸に引き上げるのは無理でしょ。というツッコミがヤボなのは承知しておりますが(笑) ちょっとそういうご都合主義的な感じが気になってしまった。
ウルルをオオカミに設定したのはホロケシを描きたかったのだと思うし、そこに至る道のりがあまりにあっさりしているのはどうかと思うけど、その障害となるのは何も崖崩れじゃなくてもいいはず。一つ一つのエピソードがありがちで、あっさり解決するので、全体的に盛りだくさんなわりにサラリとした印象。両親の離婚、母の心臓の手術、自分たちよりも仕事を優先する父、助けた子犬が実はオオカミ、ウルルを狙う大人との闘い、あるか分からないホロケシへの冒険と、小学生にしてはかなりドラマチック(笑) でも、あっさりしているのは何故だろう? なんて、ちょっと言い過ぎかな。ごめんなさい。イヤ別に、娯楽作品ということならいいんです。山場てんこ盛りであっさり解決でも。でも、ウルルがとってもかわいかったので、ウルルの健気な演技をもう少し生かしてあげたいなと思ったもので・・・。
キャストは・・・。うーん。子供たちは特別上手いとは思わなかったけど頑張っていたと思うし、下手ではなかった。特にしずくの北村沙羅ちゃんは、児童劇団のお稽古どおりという感じだったし。よく知らないけど(笑) もちろんホメてます! 何といっても2人とも健気でかわいいので、それだけでOK。ただし、2人が物語を引っ張っていくという展開は、ちょっと荷が重かったかな。深キョンはかわいいけど・・・。子供たちより仕事を優先してしまう兄に代わって、甥っ子と姪っ子の面倒を見るしっかりものの叔母っていう風には見えないかな(涙) 深キョンのことが好きでいろいろ便利に使われているというありがちな役どころで、よゐこの濱口が出てたけど、何故? イヤ別にいいけど。下手ではなかったし。でも、お笑い芸人がよくドラマや映画の脇役で出演しているけど、たいてい浮いているように思うんだけど・・・。例えば『空気人形』の板尾さんみたいにジャンルを超えても個性が生きて"この人"ってことで使うなら分かるんだけど。光石さん・・・。とっても損な役だった。ウルルを研究対象としてしか見ない悪役だからってことではなく、船越さんのウルルを森に返すために頑張る子供たちを見守ってあげたいからという連絡を聞き、捨て台詞を残してどこかに行ったきりという、何とも中途半端な退場のしかたで終わってしまったので・・・。まぁ、諦めたことは分かりますけど(笑)
そして、なんとなく全体的に空回りしてしまった理由の一つは、 正直に言ってしまいますが、船越さんの大げさな演技によるものかと・・・。ごめんなさい! でも、これはちょっと・・・。このお父さんが20代~30代前半なら迷走しててもいいと思うし、熱いのもいい。でも、船越さんが演じているなら、どんなに若く見積もっても40代前半が限度でしょう。親になったことないので、エラソウなことを言う権利はないし、親だっていくつになっても悩んだり、迷ったりしながら生きているんだと思う。でも、もう少し落ち着いて欲しかった(笑) この映画は動物モノであり家族モノなのでサスペンス調ではちょっと辛いかも(涙) 子供たちの行方が分からない時も、周りはあっさりしているのに、1人ボンネットに手を叩きつけて「どこへ行ったんだあいつら!」と叫ばれても・・・。ホロケシに行くには霧が濃すぎて危険だと力説するわりに、全く危険そうに見えないのは別に船越さんの演技のせいではないけど、そういう見せ場のシーンも含め、おそらく計算して入れているちょこっとした演技も、周りのほとんど淡々とした感じの演技から浮いてしまっている。どちらがいいかは別として。でも、子供たちより野生動物を優先してしまうのも、空回りしている人にしか見えない。って、言い過ぎかなぁ・・・。ホントにごめんなさい。サスペンスの船越さんは好きなのですが。
ホントに辛口でごめんなさい(涙) ただ、ホントにウルルが健気でかわいくて、演技が上手かったので、なんとなく不憫に思えてしまって。この映画で一番自然な演技だったのはウルルかもというくらいウルルいいです。だから、兄妹がウルルを森に返すため、心を鬼にして泣きながらウルルにビー玉を投げつけるシーンは号泣してしまった。ここ、子役2人の演技も良かった。リュックの中に入っているウルル。前足で気遣うようにしずくの顔を触るウルル。もう目ウルウルです。お兄ちゃんの「生きろ!」の言葉に応えるように、気高くこちらを見るウルルの姿は見る価値ありです!
北海道の自然も美しくて、時々映る野生動物たちもかわいい。野生動物と人間の共存の難しさも伝わってきた。野生動物たちが命を落としたり、傷ついたりする原因の90%は人間のせいなのだそう。だからこそ、人間が共存のあり方を考えるしかない。だからこそ船越さんの仕事は、その辺りのことを訴えるものなんだと思うんだけど。とにかく、ウルルを守りたいという思いが、ほんの少しでも野生動物保護へ向けられればいい。それには私のように演技が、脚本がとエラソウに言わず、素直に見ればいいのかもしれないけれど。
個人的には手放しでオススメとは言えないけれど、動物好きでファミリー向け映画(バカにしてません!)が、見たいという人にはいいと思う。小さい子供たちには分かりやすいかも。大ベテラン大滝秀治さんが良かった。そして、なによりウルルがかわいい!
『ウルルの森の物語』Official site