'11.11.04 『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(試写会)@よみうりホール
rose_chocolatさんのお誘い。久しぶりにroseさんにお会いしたかったのと、余貴美子さん好きだから行ってきたー♪
「定年まで1ヶ月を迎えた鉄道運転士 滝島徹。定年後は妻とのんびり暮らそうと思っていたが、妻は結婚前にしていた看護士の仕事に戻りたいと言い出し・・・」という話。うーん。ベタではあるけど、普通にいい話。正直、ドラマでも良かったかなと個人的には思う。ただ、多分ターゲットにしているのは、おそらく主人公と同世代か上の世代で、映画を娯楽として楽しむタイプの人たち。いわゆる"映画好き"でない人たちなのかなと思うので、この感じはいいのではないかと思う。
なんだか、いきなり上から目線みたいになっちゃってる?! 娯楽として映画を楽しむタイプというのは、あくまでそういうタイプの人たちということであって、決してバカにしているわけじゃない。映画ってそもそも娯楽だと思うので・・・。例え、文芸大作であっても。でも、それは別に映画を否定しているわけでもなくて・・・ 上手く言えないな(笑) 例えば音楽にしても、クラシックだってもともとは娯楽だったんだと思う。ただ、後付で高尚になって行っただけ。だから、映画鑑賞が趣味だけど、別に高尚な趣味だと思ったこともない。ただ、映画だけに限らないけれど、どんどんジャンルも手法も多様化していくことは間違いなくて、いわゆるオーソドックスなものよりも、より刺激的だったり、難解なものの方が話題になりがちなのも事実。だけど、もう少し分かりやすい映画を見て育った世代の人で、普段そんなに映画を見ないタイプの人には、こういう分かりやすい映画はいいんじゃないかと思う。前置きが長くなっちゃった・・・(笑)
ストーリーは本当にシンプル。定年を機に迎えた夫婦の危機と再生の話。ホントにそれだけ(笑) 42年間無事故。仕事一筋の主人公は、自分の気持ちや思いを伝えるのが極端に下手。自分の中だけで、家族はこうあるべきと決めている。だけど、その視点や視界が自分だけのものであり、妻にも妻の視点や視界があることに気づいていない。定年後も自分のビジョンで推し進めようとしている。読売新聞朝刊の人生相談コーナーにいやというほど登場するタイプの熟年男性。困ったものだ(笑) 42年間立派に勤めた滝島さんは素晴しいけれど、それが出来たのは看護士をやめて家庭を守った妻の存在があったからなのに。イヤ、感謝していると怒鳴られそうだけれど(笑) でも、この場合の感謝の表現として、2人でのんびり温泉旅行ではないのだと。いくら妻の佐和子が大切な話があると言っても、自分の話を優先させて聞く耳を持たない。ここは2人の関係や滝島の性格がよく分るシーンで良かった。三浦友和と余貴美子が上手いので、2人はずっとこんな感じだったんだろうなと、語られていない過去まで感じられる。佐和子は若い頃は、そんな夫を頼もしくもかわいらしく思っていたのかもしれない。だから自然と身を引いて、知らず知らずに自分を殺してきたのかも。でも愛情の愛よりも情が勝ってきた頃、自分というものが無視されているように感じたんだと思う。会話はしているし、必要とされてもいる。でもそれは家事をしてくれる人が必要なのであって、別に自分じゃなくてもいいのじゃないか・・・。
佐和子は家を出て末期ガン患者の訪問看護の仕事を始める。どんな仕事でも、あなたじゃなければならないと言われるような人は一握りなんじゃないかと思う。誰よりもその仕事が出来るという人はたくさんいると思うけれど、その人じゃなければ出来ないという状態は、会社という組織ではあまりいいことじゃない。その人が倒れたら仕事が回らないという状況はよくないわけだから・・・。だから、仕事に自分を求めるのは実はむなしい。でも、自分を認めて欲しいというよりも、自分がやりがいを感じたいんだと思う。自分にも出来ることがあるという実感。もちろんそれを家事に見出している専業主婦の方もたくさんいると思うので、主婦の仕事がダメだと言っているわけではない。佐和子はそれに生きがいを感じなかったというだけのこと。それはわがままではないと思う。この訪問看護の患者さんが吉行和子で、存在感のある演技を見せている。佐和子の仕事部分については、適度に辛く、適度にやりがいがあり、適度に挫折し、適度に喜びもある。まぁ、後にとってもベタな展開もあるけれど(笑) この、適度というのも決してバカにしているわけじゃない。実際の末期ガン患者の方に接したこともないし、看護の現場を見たわけでもないので、これが"適度"であると言ってしまうのは乱暴なのだけど、あくまで"娯楽作品としての感動"に仕上げているということ。上手く言えないけれど、あんまり重くならないタッチで、笑いや感動を盛り込みつつ、じんわりと感動させたいということなのだと思うので、おそらく全ての項目で平均点を目指して作られているのじゃないかと感じたので。もちろん、ホメてます!
どうやらこれは、中井貴一主演の『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』を第1作目として、人生を鉄道になぞらえたRAILWAYSシリーズの2作目ということらしい。前作も試写会で鑑賞した。前作の主人公が転職して運転士になるのに対し、本作では定年を控えたベテラン運転士。なので、鉄道にあまり詳しくない身としては、ちょっと分かりにくい部分もあった。前作は主人公と一緒にいろいろ知ることが出来たので・・・。でも、全くつながりのない別の話ではあっても、シリーズなのだとすれば、電車そのものについての説明は重複になってしまうので、まぁいいのかもしれない。もちろんRAILWAYSと言っているからには、電車はたくさん出てくるし、鉄道について詳しくない人のためには、滝島が担当する新人運転士の教育シーンで知ることは出来る。前作より詳しくはないけれど・・・。ここの同僚の中には「時効警察」(古ッ!)の熊本課長こと岩松了が! 相変わらずのおとぼけ感で(・∀・)イイ!! 中川家礼二もわりと大きめの役で出てたけど、どうにも大芝居・・・。何度も書いているけど、お笑い芸人とか、歌手とかを俳優として起用するのはあまり好きじゃない。その役にピッタリはまればいいのだけど・・・。キャラ的にはいい加減な人という設定なので、合っている気もするけれど、下手ではないけど大袈裟演技が鼻について笑えない。周りの方々は笑っていたので、個人的に合わなかったというだけの話。個人的には新人くんの"イマドキの若者"という感じのキャラ設定も、ちょっという感じではあったけれど、まぁ彼が成長していく姿も適度な感じで描きたいのだと思うので、そんな感じでいいのかも・・・。
よく考えると結構エピソードを詰め込んでいる。主人公の定年、妻の家出、離婚の危機、妊娠中の娘(生まれた?)、新人君の成長・・・。でも、全てが前述したとおり適度であり、平均点なのでスルリと通り過ぎてしまい、詰め込み過ぎな息苦しさはない。唐突に高校時代の同級生と再会して、付き合っちゃおうかと口説かれたりするし(笑) 彼女の存在は何だったんだろう? 彼女とバーで会うシーンで、年齢層の高かった観客の方々から笑いが起きていたのだけど、何故笑ったんだろう? イヤ、笑うシーンじゃないでしょう(*`д´) ということじゃなくて、単純に疑問だったので・・・。実は、そういうシーンは結構あって、自分としては混乱した。上手く言えないけど・・・。例えば、中川家礼二がベタにお尻をかくシーンは、笑わせポイントなんだと分かっていても、過剰演技が合わなくて笑えないってことになるんだけど、仁科亜季子とのバーカウンター・シーンが笑わせどころとは思わないのに、周りが笑っているというような場面が結構あって、その度に取り残されている感じがしてしまい、ちょっと入り込めなかったのは残念・・・ でも、誰が悪いのかサッパリ分からない(笑)
あんまり、くどくど書いてしまうのもどうかと思うので、詳細は避けるけれども、滝島が乗車中の電車が落雷による停電で動けなくなってしまい、その車内で佐和子を見つめ直すきっかけとなる出来事がある。正直、かなりベタ・・・。もう、ファイト一発みたいなことになっちゃってるし(笑) でも、このシーンも的確に仕事をこなす佐和子を、余貴美子が自然に演じているため、その手際に見入ってしまう。これなら、頑固な滝島も認めざるをえないでしょうという感じ。そして、滝島は離婚を決意する。離婚届けを出したと電話をかけたシーンで後ろのおじさんが爆笑してたけど何故? まぁ、ここはさすがにそのおじさんしか笑ってなかったので、笑いどころではないのでしょう(笑) 離婚の報告をして、佐和子にあるお願いをする。いよいよ迎えた最後の運転。そのシーンはホントにキレイだった! ローカルな電車がかわいらしく、真剣だけれども力や思いの入りすぎていない三浦友和の表情もいい。同僚たちだけでなく、整備士の人たちや、既に定年した先輩が、線路脇や駅のホームで見送る姿は、ベタだけど微笑ましくもちょっぴり感動。何より、富山の自然が素晴しい! 終点に到着し、乗客を送り、車内を点検すると、そこには・・・。この後、ビックリというよりはベタな展開になるけれど、それはそれで微笑ましい。思わずにっこりしちゃうラスト。
キャストは意外に豪華で、個人的に好きな役者さんが多かった。三浦友和にはいわゆる頑固親父という印象はないけれど、思っていることを的確な言葉で表現できないばっかりに、なんと意固地なのかと思われてしまう損なタイプを、しっかりと演じていたと思う。あぁ、もう・・・ と思いながらも、滝島さんのことが嫌いにならなかったのは三浦友和のおかげ。末期ガン患者の吉行和子はファイト一発場面をアシストしてしまう役どころであって、これまたベタだなと思いながらも感動してしまうのは、さすがの演技という感じ。佐和子の上司役の西村雅彦、滝島の同僚役の岩松了、徳井優、先輩役の米倉斉加年など脇を固める役者さんたちは、少ない見せ場ながらしっかり締めている。娘役の小池栄子はキャラまんまという感じで、特別上手いとは思わないけど、彼女の潔さはいいと思う。そして、やっぱり余貴美子が良かった! 最初はかなり生活に疲れちゃってる・・・ その感じもすごく説得力があった。衝撃的だったのは一心不乱に換気扇を洗うシーン。その、鬼気迫る感じがすごかった。背中が悲鳴をあげてる感じ。でも、滝島気づかずみたいな・・・(涙) そして、後半どんどんきれいになっていく! 余貴美子さんの自然で、でも思わず引き込まれる演技は好き。
最初に書いたけれど、正直ストーリーだけ取ってみれば、ドラマでよかったかなという印象。でも、とにかく富山の自然がスゴイ! 立山連峰バックに街がある感じは、ちょっと外国みたいでもあり、でも日本でしかありえない風景でもあり。滝島定年ランのシーンでは、その自然が堪能できる。ホントに美しい。この景色は映画館の大きなスクリーンで見た方がいいかも! そうそう! もちろん電車好きの方には、富山地方鉄道が舞台になっているので、旧西武鉄道のレッドアロー号が登場しますよ♪ すごいカワイイ電車 ちょっと乗りたいかも。他にもいろいろ電車は出てくるけど、詳しくないもので・・・
あ、ホントにちょい役でななめ45°が出てた(笑)
スゴイ感動! という作品ではないけれど、疲れた時や、ちょっと映画を見たいなと思った時にいい感じ。熟年夫婦の方、電車好きの方にオススメ。富山県出身の方は是非!
『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』Official site
rose_chocolatさんのお誘い。久しぶりにroseさんにお会いしたかったのと、余貴美子さん好きだから行ってきたー♪

なんだか、いきなり上から目線みたいになっちゃってる?! 娯楽として映画を楽しむタイプというのは、あくまでそういうタイプの人たちということであって、決してバカにしているわけじゃない。映画ってそもそも娯楽だと思うので・・・。例え、文芸大作であっても。でも、それは別に映画を否定しているわけでもなくて・・・ 上手く言えないな(笑) 例えば音楽にしても、クラシックだってもともとは娯楽だったんだと思う。ただ、後付で高尚になって行っただけ。だから、映画鑑賞が趣味だけど、別に高尚な趣味だと思ったこともない。ただ、映画だけに限らないけれど、どんどんジャンルも手法も多様化していくことは間違いなくて、いわゆるオーソドックスなものよりも、より刺激的だったり、難解なものの方が話題になりがちなのも事実。だけど、もう少し分かりやすい映画を見て育った世代の人で、普段そんなに映画を見ないタイプの人には、こういう分かりやすい映画はいいんじゃないかと思う。前置きが長くなっちゃった・・・(笑)
ストーリーは本当にシンプル。定年を機に迎えた夫婦の危機と再生の話。ホントにそれだけ(笑) 42年間無事故。仕事一筋の主人公は、自分の気持ちや思いを伝えるのが極端に下手。自分の中だけで、家族はこうあるべきと決めている。だけど、その視点や視界が自分だけのものであり、妻にも妻の視点や視界があることに気づいていない。定年後も自分のビジョンで推し進めようとしている。読売新聞朝刊の人生相談コーナーにいやというほど登場するタイプの熟年男性。困ったものだ(笑) 42年間立派に勤めた滝島さんは素晴しいけれど、それが出来たのは看護士をやめて家庭を守った妻の存在があったからなのに。イヤ、感謝していると怒鳴られそうだけれど(笑) でも、この場合の感謝の表現として、2人でのんびり温泉旅行ではないのだと。いくら妻の佐和子が大切な話があると言っても、自分の話を優先させて聞く耳を持たない。ここは2人の関係や滝島の性格がよく分るシーンで良かった。三浦友和と余貴美子が上手いので、2人はずっとこんな感じだったんだろうなと、語られていない過去まで感じられる。佐和子は若い頃は、そんな夫を頼もしくもかわいらしく思っていたのかもしれない。だから自然と身を引いて、知らず知らずに自分を殺してきたのかも。でも愛情の愛よりも情が勝ってきた頃、自分というものが無視されているように感じたんだと思う。会話はしているし、必要とされてもいる。でもそれは家事をしてくれる人が必要なのであって、別に自分じゃなくてもいいのじゃないか・・・。
佐和子は家を出て末期ガン患者の訪問看護の仕事を始める。どんな仕事でも、あなたじゃなければならないと言われるような人は一握りなんじゃないかと思う。誰よりもその仕事が出来るという人はたくさんいると思うけれど、その人じゃなければ出来ないという状態は、会社という組織ではあまりいいことじゃない。その人が倒れたら仕事が回らないという状況はよくないわけだから・・・。だから、仕事に自分を求めるのは実はむなしい。でも、自分を認めて欲しいというよりも、自分がやりがいを感じたいんだと思う。自分にも出来ることがあるという実感。もちろんそれを家事に見出している専業主婦の方もたくさんいると思うので、主婦の仕事がダメだと言っているわけではない。佐和子はそれに生きがいを感じなかったというだけのこと。それはわがままではないと思う。この訪問看護の患者さんが吉行和子で、存在感のある演技を見せている。佐和子の仕事部分については、適度に辛く、適度にやりがいがあり、適度に挫折し、適度に喜びもある。まぁ、後にとってもベタな展開もあるけれど(笑) この、適度というのも決してバカにしているわけじゃない。実際の末期ガン患者の方に接したこともないし、看護の現場を見たわけでもないので、これが"適度"であると言ってしまうのは乱暴なのだけど、あくまで"娯楽作品としての感動"に仕上げているということ。上手く言えないけれど、あんまり重くならないタッチで、笑いや感動を盛り込みつつ、じんわりと感動させたいということなのだと思うので、おそらく全ての項目で平均点を目指して作られているのじゃないかと感じたので。もちろん、ホメてます!
どうやらこれは、中井貴一主演の『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』を第1作目として、人生を鉄道になぞらえたRAILWAYSシリーズの2作目ということらしい。前作も試写会で鑑賞した。前作の主人公が転職して運転士になるのに対し、本作では定年を控えたベテラン運転士。なので、鉄道にあまり詳しくない身としては、ちょっと分かりにくい部分もあった。前作は主人公と一緒にいろいろ知ることが出来たので・・・。でも、全くつながりのない別の話ではあっても、シリーズなのだとすれば、電車そのものについての説明は重複になってしまうので、まぁいいのかもしれない。もちろんRAILWAYSと言っているからには、電車はたくさん出てくるし、鉄道について詳しくない人のためには、滝島が担当する新人運転士の教育シーンで知ることは出来る。前作より詳しくはないけれど・・・。ここの同僚の中には「時効警察」(古ッ!)の熊本課長こと岩松了が! 相変わらずのおとぼけ感で(・∀・)イイ!! 中川家礼二もわりと大きめの役で出てたけど、どうにも大芝居・・・。何度も書いているけど、お笑い芸人とか、歌手とかを俳優として起用するのはあまり好きじゃない。その役にピッタリはまればいいのだけど・・・。キャラ的にはいい加減な人という設定なので、合っている気もするけれど、下手ではないけど大袈裟演技が鼻について笑えない。周りの方々は笑っていたので、個人的に合わなかったというだけの話。個人的には新人くんの"イマドキの若者"という感じのキャラ設定も、ちょっという感じではあったけれど、まぁ彼が成長していく姿も適度な感じで描きたいのだと思うので、そんな感じでいいのかも・・・。
よく考えると結構エピソードを詰め込んでいる。主人公の定年、妻の家出、離婚の危機、妊娠中の娘(生まれた?)、新人君の成長・・・。でも、全てが前述したとおり適度であり、平均点なのでスルリと通り過ぎてしまい、詰め込み過ぎな息苦しさはない。唐突に高校時代の同級生と再会して、付き合っちゃおうかと口説かれたりするし(笑) 彼女の存在は何だったんだろう? 彼女とバーで会うシーンで、年齢層の高かった観客の方々から笑いが起きていたのだけど、何故笑ったんだろう? イヤ、笑うシーンじゃないでしょう(*`д´) ということじゃなくて、単純に疑問だったので・・・。実は、そういうシーンは結構あって、自分としては混乱した。上手く言えないけど・・・。例えば、中川家礼二がベタにお尻をかくシーンは、笑わせポイントなんだと分かっていても、過剰演技が合わなくて笑えないってことになるんだけど、仁科亜季子とのバーカウンター・シーンが笑わせどころとは思わないのに、周りが笑っているというような場面が結構あって、その度に取り残されている感じがしてしまい、ちょっと入り込めなかったのは残念・・・ でも、誰が悪いのかサッパリ分からない(笑)
あんまり、くどくど書いてしまうのもどうかと思うので、詳細は避けるけれども、滝島が乗車中の電車が落雷による停電で動けなくなってしまい、その車内で佐和子を見つめ直すきっかけとなる出来事がある。正直、かなりベタ・・・。もう、ファイト一発みたいなことになっちゃってるし(笑) でも、このシーンも的確に仕事をこなす佐和子を、余貴美子が自然に演じているため、その手際に見入ってしまう。これなら、頑固な滝島も認めざるをえないでしょうという感じ。そして、滝島は離婚を決意する。離婚届けを出したと電話をかけたシーンで後ろのおじさんが爆笑してたけど何故? まぁ、ここはさすがにそのおじさんしか笑ってなかったので、笑いどころではないのでしょう(笑) 離婚の報告をして、佐和子にあるお願いをする。いよいよ迎えた最後の運転。そのシーンはホントにキレイだった! ローカルな電車がかわいらしく、真剣だけれども力や思いの入りすぎていない三浦友和の表情もいい。同僚たちだけでなく、整備士の人たちや、既に定年した先輩が、線路脇や駅のホームで見送る姿は、ベタだけど微笑ましくもちょっぴり感動。何より、富山の自然が素晴しい! 終点に到着し、乗客を送り、車内を点検すると、そこには・・・。この後、ビックリというよりはベタな展開になるけれど、それはそれで微笑ましい。思わずにっこりしちゃうラスト。
キャストは意外に豪華で、個人的に好きな役者さんが多かった。三浦友和にはいわゆる頑固親父という印象はないけれど、思っていることを的確な言葉で表現できないばっかりに、なんと意固地なのかと思われてしまう損なタイプを、しっかりと演じていたと思う。あぁ、もう・・・ と思いながらも、滝島さんのことが嫌いにならなかったのは三浦友和のおかげ。末期ガン患者の吉行和子はファイト一発場面をアシストしてしまう役どころであって、これまたベタだなと思いながらも感動してしまうのは、さすがの演技という感じ。佐和子の上司役の西村雅彦、滝島の同僚役の岩松了、徳井優、先輩役の米倉斉加年など脇を固める役者さんたちは、少ない見せ場ながらしっかり締めている。娘役の小池栄子はキャラまんまという感じで、特別上手いとは思わないけど、彼女の潔さはいいと思う。そして、やっぱり余貴美子が良かった! 最初はかなり生活に疲れちゃってる・・・ その感じもすごく説得力があった。衝撃的だったのは一心不乱に換気扇を洗うシーン。その、鬼気迫る感じがすごかった。背中が悲鳴をあげてる感じ。でも、滝島気づかずみたいな・・・(涙) そして、後半どんどんきれいになっていく! 余貴美子さんの自然で、でも思わず引き込まれる演技は好き。
最初に書いたけれど、正直ストーリーだけ取ってみれば、ドラマでよかったかなという印象。でも、とにかく富山の自然がスゴイ! 立山連峰バックに街がある感じは、ちょっと外国みたいでもあり、でも日本でしかありえない風景でもあり。滝島定年ランのシーンでは、その自然が堪能できる。ホントに美しい。この景色は映画館の大きなスクリーンで見た方がいいかも! そうそう! もちろん電車好きの方には、富山地方鉄道が舞台になっているので、旧西武鉄道のレッドアロー号が登場しますよ♪ すごいカワイイ電車 ちょっと乗りたいかも。他にもいろいろ電車は出てくるけど、詳しくないもので・・・

スゴイ感動! という作品ではないけれど、疲れた時や、ちょっと映画を見たいなと思った時にいい感じ。熟年夫婦の方、電車好きの方にオススメ。富山県出身の方は是非!
