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【cinema】『ヤング≒アダルト』(試写会)

2012-02-24 01:06:47 | cinema
'12.02.13 『ヤング≒アダルト』(試写会)@パラマウント試写室

migちゃんのお誘い。自分でも応募したけどハズレ シャーリーズ・セロン好きだから見たかった! ありがとう(人’▽`)

この日はパラマウント試写室での女性限定試写会ということで、上映後、伊藤さとりさんの司会でゲスト(お名前を失念)を招いてのトークセッションがあった。時間の都合で途中で失礼してしまった。ごめんなさい・・・

*ネタバレありです!

「人気ドラマのゴーストライターをしているメイビス。30代バツイチ彼氏なし。しかも番組は打切り。そんな時届いたのは、人生で最も輝いていた頃つき合っていたバディからのメール。彼と結ばれる運命だと思い込んだメイビスは・・・」という話。これはおもしろかった! シャーリーズが演じるのは勘違いでイタイ女というのは知っていたので、その辺りは楽しみつつ、共感したり反省したり(笑) でも、見終わってふと考えてみたら、表面はコミカルだけど意外とテーマは深いのではないかと思った。

冒頭からメイビスのダメっぷりがスゴイ(笑) メイクも残った寝ぼけ顔でダラダラ起き出し、飼い犬にエサ。いつもエサをあげているらしいベランダには、ドッグフード・パックの残骸が山積み・・・ 部屋はワイドショーなどで見るゴミ部屋とまではいかないけど、だらしなく散らかっている。メイビスの人となりそのままの部屋。きちんとしていればゴージャスなのに、どこかだらしがない。まぁでも、毎日普通に働いていると、いろいろ疲れるから部屋がこんな状況になっちゃう日もあったりする・・・ 散らかしちゃうと後が大変だから、なるべくそうしないようにはしているけど、どうにもならない一角があったり(笑) その辺りは反省・・・ でも、いくらプリンターのインク・カートリッジがないからって、ツバたらしてインク湿らすとか絶対しない!(笑)

バディが送ってきたのは子供が生まれましたメール。地元に残り同級生と結婚したバディは、ご丁寧に赤ちゃんの写真添付して送ってきた。前述のインク・カートリッジのシーンはココ。いくら、地元で同級生と結婚したからって、元カノに写真添付してメールするかねと思うけど、メイビスは何故かこのメールは彼からのヨリを戻したいというメッセージだと思い込む。まぁ、この辺りがイタイってことだと思うけど、演じているのがシャーリーズなので、あながちなくはないかと思ってしまう。

で、結局ミニ(シャーリーズ & ミニといえば『ミニミニ大作戦』!好き)に乗り込んで、音楽ガンガンかけて地元へ帰る! 思い込んだらまっしぐらなこういうバカ行動ってなんなんだろう(笑) イヤ、人生の中でたまーにあるじゃない、バカ行動(o´ェ`o)ゞ 新聞の悩み相談読むと、わりと年配の方が急に昔の彼氏を思い出して、会ってみたいと思っているという投稿って意外に多い。まぁ、それをバカ行動といってしまっては失礼だけど、第三者目線ならば回答者と同じく、美しい思い出はそのままにしておきましょうと思うけれど、当人にとっては切実なのでしょう。そしてきっと、回答者のおっしゃるとおり、現実が辛いもしくは満足できなくて、一番自分が輝いていた頃を取り戻したいと思っているのでしょう。もちろんメイビスもそうなんだと思う。

すごくおもしろかったのは、まず地元のモーテルにチェックイン。この時点ではノーメイク、キティT、スウェット上下という力の入ってないいでたち。シャーリーズなので、それでも全然美人だけど・・・ で、部屋でメイクしたりネイルサロンに行ったり、いろいろやってゴージャス美女完成! その変身していく過程を細かいカット割りで見せるんだけど、これが楽しい♪ 女子なら絶対わくわくする。でも、この変身シーン、たしか3回出てくるけど、だんだん痛々しくなってくる。最初は勘違いとはいえ、希望に胸膨らませての戦闘モードだけど、最後は自分でもみじめなの分ってるし、別の意味での戦闘モード。っていうか、もう戦地に赴いちゃってるし・・・ この辺りの見せ方が上手い。

で、戦闘モードで出掛け、さり気ない様子でバディを呼び出すも、子育て中の彼が急に出てこれるはずもなく玉砕。バーへ入り、一人カウンターで飲んでいたら、偶然同級生のマットに遭遇。小太りでイケていない彼のことを全く思い出せないメイビス。実はマットは高校時代に壮絶なイジメにあっていて、ニュースになるくらいの事件に発展、それが原因で障害者になってしまった。何ということ・・・ 彼はその事をもちろん忘れられないし、やはりどこか卑屈になってしまっている部分はあるけれど、自分の身の丈を知っていて、メイビスにもバディの幸せを壊すのはよくないと諭す。イケメン彼氏の外見に惑わされて失恋したあげく、求めていた理想の彼氏は外見はイケていないけど、自分の全てを受け入れてくれる人でしたという、お決まりパターンなのかなと思ったらそうじゃなかった。マットはメイビスに憧れていたと思うし、今は友人として好きだと思うけど、恋をしてはいなかったと思うし、メイビスは確かにあの時、自分を受け入れてくれる人を求めたけれど、マットを男としては見ていない。それは別にマットがイケてないからじゃないし、メイビスがイタイ女だからでもない。まぁ、でもそういうカップルっていうのもアリだとは思うけれど。この関係は良かったと思う。

バディは元イケメンで、若干オッサンになってきているけれど、今でも同世代の中では、そこそこイケてる方でしょう。でも、普通の人。彼がメイビスと会うために指定してきたのはファミレスみたいなお店。メイビスが思い描いたバーでのシャレた会話じゃない。つまり彼は家庭を持った夫であり父親であるということ。メイビスが幻想を抱いていただけ。実際の彼は田舎では美しい妻と、生まれたばかりの娘と普通に暮らしている30代の元イケメン。それが彼の人生であり彼の幸せ。ゴージャス美女との都会的な暮らしを望んではいないということ。実際には、結婚して子供を生むということを"普通のこと"だと思っていて、自分がそれを出来ずにいることにコンプレックスを持っているメイビスだけど、彼と田舎で暮らすという生活は向いてないと思う・・・ だって彼女が選んだ戦闘モードのメイクや服装は、このタイプの男性が求める女性のものではないと思うし(笑)

うーん。これを書いていいのか悩むけれど、この作品を見て感じたことは、やっぱり大なり小なり、集団社会ではピラミッド型の人間関係の構図ができるということ。これは動物でもそうだと思うので、集団で生きるにはリーダーがいて、サブリーダーがいて・・・ という構造を取ると、統率が取りやすいということなんだと思う。それは分る。だから集団行動を取る動物には、人間を含めてそうプログラミングされいてるのかも。勝手に思っただけで、全く調べてないので何の根拠もないけど(笑) で、ハイスクール・クィーンだったメイビスは、イケてる人ピラミッド型人間関係の頂点にいた。多分、バディも頂点、バディの妻とそのバンド仲間は中間もしくは、中間よりやや上。こんな言い方は何だけれどマットは底辺。もちろんマットが頂点にくるピラミッド型も存在するけど、残念ながらハイスクールという狭い社会では、(外見が)イケてるかイケてないかという単純で分りやすいピラミッド型が主流。そして、このピラミッド型は差別を生みやすい。事実、マットはいじめにあってしまったし、バンド仲間が戻って来たメイビスに向ける「女王気取りのビッチ女」という発言や視線は、確かに当たっている側面はあるものの、やっぱりコンプレックスであり妬みだと思うし。

話が少しそれるけど、以前、たしかお笑い芸人の方(どなたかは失念)が、自分が中学生の頃所属していた野球部は市内でも強く、同級生はすごいピッチャーで野球推薦で高校に入った。でも、レギュラーにはなれなかった。その高校は結局、甲子園には出場できず、県から出場したチームからプロ野球選手は出なかった。だから、プロ野球の選手になるということはスゴイことなのだという話をされていた。ちょっと脳内で変換されている部分はあると思うけど、大体の主旨は合ってると思う。ハイスクール・クィーンで文才もあったメイビス。でも、そういう人たちが集まってくる都会では、ピラミッド型の頂点に行くのは大変なこと。"鶏頭となる者、牛後となるなかれ"ということわざもあるけど、鶏頭じゃない! 牛頭を目指す! と思っているのであれば、牛後であえいでいたとしても、それはその人の人生だと思う。

よせばいいのに、バディの赤ちゃんの誕生パーティーに出掛け、彼に言い寄りこっぴどくふられてプライドボロボロ・・・ お酒をあおってとうとう爆発! 醜態を晒して周囲は迷惑顔・・・ 確かに、このメイビスはヒドイけど、彼女がここで暴露した過去が本当ならかわいそう ここでのバディの対応が、いかにもよくある男性の対応って感じで(#・∀・)ムカッ!! 自分だけ被害者で急にいい人になるのはズルイよね! 「本当は招待などしたくなかったけど、妻が友達のいないメイビスがかわいそうというので、嫌々招いた」とおっしゃいますけど、悪いのは全部メイビスなの? 確かに勝手に勘違いしたのはメイビスだけど、何故急にメールなんか送ったの? この状況で彼女をさらに落とすのは大人の対応じゃないし、自分の夫に気があることが明白な女性を、妻がパーティーに呼ぶのは宣戦布告だと気づかない? 言い寄られて迷惑したなら、いくら妻に言われてもキッパリ断るべきでは? あなたの妻は"優しくてかわいいオレの嫁"ではなくて、しっかり"女"であって、家庭という自分の居場所を守ったのだけど・・・ まぁ、バディはメイビスが必死で追い求めていた男性ではなかったということなのでしょう。

と、いろいろツラツラ書いてきた人間の業みたいな部分を、笑わせつつサラリと見せるのが上手い。テーマは意外に深い。とっても共感してしまったのは、傷ついてしまったメイビスがマットの家に泊まってしまい、彼女に憧れるマットの妹に語る「みんな普通の幸せを簡単に手に入れているのに」というセリフ。この場合の普通の幸せというのは、結婚して子供を生むということ。いくら女性の社会進出が進み、生き方が多様化しても、子供を生めるリミットがある以上、リミットが近づくと一度は考えるテーマなんじゃないかと思う。結婚したから、子供を生んだから、家庭を持ったから幸せっていうことではないし、どんな状況でも幸せになるのは"自分"だし。でもねぇ・・・ メイビスはマットの妹と話しているうち、自分の居場所や幸せはここにはないことを悟り、また都会に戻る決心をする。一緒に行きたいという妹に、あなたの居場所はココだと言う。うーん。( ̄― ̄)ニヤリ

キャストは良かった! ちょっと太ってきた元イケメンのパトリック・ウィルソンは、登場時にはメイビスには理想的に見えつつ、見ている側にはそんなにいいかな?と思わせる。普通の"幸せな家庭を築くオレ"キャラをきちんと演じていた。メイビス暴走シーンでの発言は見ている側をムカつかせて正解だと思うので、その辺りも良かった。マットのパットン・オズワルドは、過去の辛い経験から、やや屈折しているところも見せつつ、唯一まともなことをメイビスに言ってくれるキャラを好演。妻役の人も良かった。こういう人がこの映画で言われているところの"普通の幸せ"を掴むんだと思う。ただし、ちゃんと闘っているので本当は強いけど(笑) 何と言っても、シャーリーズ・セロン! どんなにヒドイ状態の時でも美女! この役、文句なく美女のシャーリーズだからこその説得力がある。イタイ女ではあるけれど、どこか共感してしまう。やっぱりシャーリーズは演技上手い! キティちゃんTシャツが意外と似合う

意外に根深い人間の業みたいなところを軽いタッチで見せる。なので重くなったり、イヤな気になったりせずに見れる。単純にイタイ女の話としても楽しく見れると思う。

30代以上の独身女子オススメ! でも、男性にも見て欲しい・・・

『ヤング≒アダルト』Official site


コメント (8)
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