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【cinema】『キャビン』

2013-03-26 22:42:05 | cinema
'13.03.20 『キャビン』鑑賞@シネマカリテ

スゴイ評判いいので見たかった! オズ見に行った時、Yuweeと話して見に行くことに決定!! 20日の祝日レディースデイに行ってきたー♪

*ネタバレありです! 結末にも触れています
ネタバレしない方が楽しめると思うので、未見の方はご注意下さい!


「真面目な高校生デイナは、親友のジュールズに誘われて、彼女の彼氏カートのいとこの別荘へ向かう。同行したのは2人がデイナの彼氏にと考えていたホールデンと、幼馴染みのマーティ。5人は途中立ち寄ったガソリンスタンドの老人に、ここから先に行くと帰ってこれないと言われるが・・・」という話。これはおもしろかった! ビックリするオチがあることは知っていたので、騙されないぞっていう目で見てたけど、やっぱり騙される。イヤ、騙す騙されるじゃなくて、そのオチは想像してないよってことなんだけど、よく考えると監督の作品の傾向とも言えるのかも?

実は2段オチのような構造になっているけど、1つ目に関しては最初から種明かしがされている。巨大なモニター・ルームに向かう男が2人。どこかの国(国名を失念)が失敗したと連絡が入る。失敗していないのは自分達と日本だけかと話し出す。この時点では何のことかは不明だけど、幾つの国で同じプロジェクトが行われていることが分かる。現在、失敗せずに進んでいるのは、この映画で描かれるアメリカと、京都で進行している日本のみ。過去に失敗がないのは日本だけらしく、少し嫉妬まじりに「日本人だぞ休むわけがないし、失敗もない」と言われて、日本人としては( ̄ー ̄) 大勢がモニター・ルームに集まって来る。新入職員に説明したところによると、賭けが始まるのだそう。不快感を露わにする新入職員に、こうでもしないとやっていられないのだと言う女性職員。何があるのか?

場面が変わってデイナの部屋。旅行の準備をしている。いきなり窓辺に下着姿(上は着てるけど・・・)で現れちゃうサービスカットから(笑) 旅行に哲学の本を持って行こうとするような真面目な娘だけど、親友ジュールズの恋人カートに注意されるまで、下着姿なのに気づかない天然さもある。対してジュールズは美人だけど、少々軽いところがある印象。今回の旅行に際し、金髪に染めてきた。実はこれは伏線。カートはマッチョでいかにもなスポーツマンタイプ。カートの友人のホールデンはインテリで穏やかなタイプ。カートとジュールズは、デイナとホールデンをくっつけようとしていて、デイナとホールデンもそれに気づいている。何故かここに幼馴染みのマーティも加わる。マリファナ中毒の彼が加わることにも意味があって、実は彼の存在が運命を大きく変えることになる。彼らはみな選ばれた存在。選ばれたことは決して名誉でもないし、特に彼らじゃなきゃダメなわけでもない。ただ、ありがちなホラー映画の設定に合ってたってだけ。男女5人でそれぞれのキャラも設定どおり。

5人はカートのいとこの別荘に向かう。ほとんど存在も忘れでいたいとこから、山小屋(キャビン)を使っていいという連絡を受ける。自分だったらどうなのか分からないけど、まぁではお言葉に甘えてってことになるかもしれない。事実、彼らはなったわけで、山小屋に向かうのだけど、これが本当に何もない所で、途中立ち寄ったガソリンスタンドも、やっているのかいないのかというような感じ。ここで彼らはスタンドの老人からこの先には行くなと言われるわけだけど、この老人も仕込み。ホラー映画にありがちな忠告したばかりに、よけい背中を押してしまう役どころ。こういう部分もニヤリ。

山小屋に着いた5人はそれぞれの部屋へ。不気味な絵を外すと、隣のデイナの部屋が丸見えで驚くホールデン。マジック・ミラーになっているらしく、気づかず着替えを始めるデイナ。ドキドキしつつ、やっぱり気が咎めてデイナに知らせるホールデン。絵は戻すけど心配だろうから、部屋を変わろうと提案する紳士的なホールデンに好感を持つデイナ。ここは気持ち悪いだけで特に伏線でも、失敗要素でもなかったような・・・ 5人がお酒を飲み盛り上がってきたことろで、仕掛けスタート! 5人を地下へ向かわせる。突然開いた地下への扉。普通、この時点でビックリなハズだけど、酔っているからという説明だけで、地下へ行ってしまう5人。ありがちな設定。とにかく地下に行ってもらわないと、話進まないからね(笑) 地下に降りた5人はそれぞれ、不思議な物を手にする。古びた日記、躍る人形の付いたオルゴール、パズルのような球体など・・・ それぞれが不思議そうに眺め、何かのスイッチを押しそうになるけど、この設定の主役であるデイナが見つけた日記がみなの興味を惹く。父親と兄に虐待を受けていたアナ・ペイシャンス・バックナーの日記には、兄に腕を喰われたと書かれている。そして、ある呪文が・・・ ラテン語で書かれたそれを、読むなと言われているのに読んでしまうデイナ。この感じも王道。何故かこういう時、やたらと強気になるキャラいるよねとニヤリ。

で、実はこの呪文が惨劇を招くスイッチ。モニター・ルームでの賭けの内容は、彼らがどのスイッチを押し、どの怪物達を作動させるかってことだった。モニター・ルームにいるのはシッターソンとハドリー。ハドリーは半魚人が大好きらしく、これに賭けたけどハズレ。でも、後に半魚人を引くことになる。さて、地下から戻った5人。しばらくはお酒など飲んでいたけど、すっかり酔ったのかジュールズの様子が変。くねくねと踊りだし、上着などを脱ぎだす始末。前述したとおり、デイナに比べればずっと発展家っぽい印象のジュールズだけど、これはやり過ぎ。なんて思っていると、実はこれも仕込み。彼女が金髪に染めたのも、実は誘導によるもので、染め粉の中にフェロモン(だったかな?)が仕込まれていたため、普段より割り増しでエロくなっているというわけ。当然、カートもじっとはしてられないってことで、2人森の中へ・・・ 最初の犠牲者はあらかじめ決定していて、金髪の娼婦ってことになっている。だから、彼女は金髪に染めさせらせたのだった。2人エッチを始めるのじゃないかと、集まって来る他部署の人々。行為に及ぶ前にバックナー家のゾンビが現れてしまうと、ガッカリして帰って行く。なんて奴らだと思うけれど、彼らの任務の意味を知れば、前述の女性職員の言うとおり、こんなことでもなければやってられないのかも。でも、やっぱり趣味がいいとは言えない・・・

と、いうことで最初の犠牲者になってしまうジュールズ。彼女の殺害シーンが一番ホラーっぽかったかな。動物を捕まえる罠みたいので背中を掴まれて吊るされた挙句、喉をノコギリみたいので切られちゃう・・・ って、そこまで描写しなくていいですか? そうですか(笑) 命からがら逃げて来たカート。こんな惨劇の中、デイナとホールデンはいい感じに。仕方なく部屋へ引き上げたマーティは、散歩に出かける気になる。これも仕込みなんだけど、実はマーティをチョイスしたことが大誤算。それは後に話すとして、階下ではまさにデイナとホールデンが盛り上がっている。デイナはホールデンに初めてであることを打ち明ける。実はこれも重要。そこに命からがら戻って来るカート。ゾンビ父さんは直ぐそこに! マーティも既にやられた様子。とにかく3人一緒にいようなどと余計なことを言い出すカート。仕方がないので誘導ガス(?)を噴霧して、イヤそれぞれの部屋で待機しようと言わせるモニター・ルーム。カートはリーダー的な存在なためか、何故か従ってしまうデイナとホールデン。

それぞれの部屋へ引き上げるも、もちろんゾンビの襲撃受けるデイナ達。襲われるデイナの声に前述の鏡を割って助けるホールデン。鏡の役目ここだ!(笑) なんとか山小屋を脱出した3人は車を走らせる。急に慌てるモニター・ルーム。出口が閉まってないじゃないか!! 要するにこの山小屋のある一体自体が彼らによって作られた場所なわけだから、自由に出入りは出来ないということ。ターゲットとなる5人以外の人々に勝手に入られては困るし、ターゲットは確実に殺されなければならないわけだから、出られてしまってはダメ。何故、出口が閉まっていなかったのか、今ひとつ分からなかったのだけど、、単純なミスではなかったような・・・ シッターソンの機転で何とかギリギリ出口を閉じることに成功。通って来たトンネルが塞がれて途方に暮れる3人。目の前に広がる大きな谷に絶望していると、カートが閃く。バイクで飛び越えるというのだった。助走をつけて華麗にジャンプ。成功したかに見えたが、何と彼は見えない壁に激突! そのまま谷底へ落ちて行ってしまう。再び絶望する2人。車に乗りもと来た道を戻って行く。すると突然、運転席のホールデンの喉が突き刺される。逃げ惑うデイナ。

歓喜の声を上げるシッターソンとハドリー。何事かという表情を浮かべる新入職員に、処女は生きててもいいんだと説明する。実はこの時点までに、今まで1度も失敗したことがなかった日本が失敗している。学校に閉じ込められた女子小学生達は、少女の幽霊を封じ込めることに成功していた。その光景をモニターで見ていたシッターソンがF○CKを連呼する姿が笑える。そう、日本が失敗してしまったので、全てはアメリカ・チームの肩にかかっているのだった。なのに出口が閉じられていなかったため、大変焦った後だったので、モニター内でゾンビにボコボコにされているデイナの姿など、お構いなしで仕事をやり終えたと喜んでいるわけ。普通の感覚だとどうかしている。デイナは死ななくてもいいなら助けてあげなよと思うけど、助ける気があったのか、なかったのか分からないけど、緊急事態が起きる。

ミッション成功に集まって来る他部署の人々。何故、出口を閉めなかったのかと問い詰められると、担当部署の人が上からの指示がなかったと答える。シッターソンが不審に思った瞬間、緊急用の電話が鳴り響く。全員凍りつく中、電話に出るシッターソン。まさか?!と振り返るとモニターでは、今まさにゾンビ父さんがデイナにとどめを刺そうとしているところだった。その時、背後らゾンビ父さんに一撃を加えた者が! なんとゾンビと共に穴に落ちたマーティだった。彼は何とかゾンビの攻撃を交わし、自室に戻っていた。そこで小型カメラを見つける。不審に思った彼が部屋を探すと、地下に続く隠し扉を見つける。山小屋とは、似つかない最新設備の地下が見える。これは?! 仲間を探しに来たマーティは、デイナの窮地を救い、彼女の以外の全員が死んだことを知る。2人は再びキャビンに戻り、マーティが見つけた地下へと降りて行く。そこにあったのは透明なエレベーターで、上下左右に移動する。移動しながら他のエレベーターとすれ違うと、中には怪物たちが閉じ込められていることが分かる。そう、あのゾンビ達はここから上がって来たのだ。

マーティが生きていたのは、彼がマリファナ中毒だったため、催眠ガスがきかなかったからというお粗末さ。2人が逃げ込んだ地下はもちろんシッターソン達がいる建物内。当然、追っ手が来るけど、ゾンビの手などを上手く使って、辛くも逃げ延びる。指令室のような所に逃げ込んだ彼らは、怪物たちを解き放つ。ここからはすごい惨劇だけど、あまりのことに全然怖くない。そして、様々な有名キャラが登場するので、ホラーファンなら楽しいと思う! 個人的にはITのピエロぐらいしかピンと来なかったけど・・・ でも、小さい怪物が追い詰める、手すりから落ちる、階下にいた大蛇がパクリって『ジュラシック・パーク』だよね? そういうシーン絶対他にもあると思う。ホラーに限らず。そもそも、ホラーにありがちなシチュエーションを、シッターソンたちがモニターで見てるっていうのも、映画を見てる観客を思わせるし、"映画"へのオマージュはあると思う。だって、ラスボスがあの方だもの(笑)

*ネタバレ注意!!

怪物たちとの死闘があって、命からがら逃げる2人。途中それとは知らず、自分たちを窮地に追い込んだシッターソンを刺してしまう。瀕死の彼からデイナはマーティを殺すように言われる。2人が辿り着いたのは、エジプトなどにある古代の神殿のような場所。壁面には5つの巨大な絵が描かれている。実は、これ5人それぞれを表していて、対象者が死ぬと血が注がれる仕組み。それぞれ"娼婦""勇者""賢者""愚者"そして"処女" 5人はこの絵をもとに集められ、そのキャラにそうように仕立て上げられた。言うまでもなく娼婦=ジュールズ、勇者=カート、賢者=ホールデン、愚者=マーティで、処女=デイナ。そこに現れたのはシガニー・ウィーバー! 役名もあったと思うけど、あまりのことに忘れた(笑) もうシガニー・ウィーバーでいいと思う。もしくはリプリー! で、彼女の登場で全部持って行かれた感はあるけど、説明によると既に死んだ3人の血が捧げられたのは、古代の神。実は人類は古代の神を地下に封じ込めていて、その怒りを沈めるために定期的に生贄を捧げてきた。その任務を遂行していたのがシッターソンをはじめとした、各国の組織だった。生贄を捧げないと、古代の神が復活し、人類は滅亡する。だから、少なくとも愚者=マーティを生贄に捧げなければならない。と、まぁビックリ説明なんだけど、このこと自体は実はシッターソンたちがチラチラ言っていたので、驚いたりはしない。さて、この場合、自分がデイナの立場だったらどうするか? もしくはマーティの立場だったら? にわかには信じられないけど、自分もしくは自分の友達の命が、全人類の命を救うことになる。特にデイナはマーティさえ殺してしまえば、自分は生き残ることができる。ただし、これからも他の誰かが生贄になることを知ってしまったわけだけど。こんな立場になるのはイヤだなぁ・・・

結果、2人はシガニー・ウィーバーを倒し、2人揃って人類の滅亡に向かうことにする。そう、マーティには自分が死ぬ以外の選択肢はないんだよね。デイナを殺しても人類は滅亡なんだから。デイナの選択が正しいのかどうかは難しいところ、きれいごとを言うなら人を犠牲にしてまで生きたくないけど、マーティを殺して人類を救う(=自分も生き残る)を選択しても責められない。それはそれで、一時逃れ的ではあっても人類を救ったわけだし。うーん・・・ 結構深い(笑)

キャストは5人はクリス・ヘムズワースしか知らなかった。クリス・ヘムズワースは『マイティ・ソー』のソーが地球に降りてきた時と余り変わらない役作り。筋肉バカな感じ。ほめてます! デイナのクリステン・コノリーがかわいかった! 『ハプニング』に出てたそうだけど覚えないな… マーティのフラン・クランツも『ヴィレッジ』に出たそうだけど全く覚えてない。って2人とも子役かな? そして何とシッターソン役でリチャード・ジェンキンスが! 最初に登場した時はまさかと思ったけど、本物だった(笑) 日本が失敗した時に、画面の子供たちに向かってF○CK!を連発するシーンは必見!!

ラストの画はなかなか見もの。監督・脚本は「LOST」や『クローバーフィールド/HAKAISHA』のドリュー・ゴダード。「LOST」は見てないけど、『クローバー~』は見た。あの救いのない感じとか、圧倒的なモノに倒される感じは共通するのかなと思った。

ホラー苦手な方もあんまりグロくないのでオススメ! これはやっぱり映画館で見るべきだと思う!

『キャビン』Official site


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Mao Asada - 2013 World Championships - SP

2013-03-26 21:56:29 | 【動画】MaoAsada
Mao Asada - 2013 World Championships - SP

(動画主様お借りします)

2013年3月世界選手権での浅田真央選手のSP

あまりの茶番に更新する気が失せちゃった・・・
でも、やっぱり真央選手のファンだから、記録として残しておく!

3Loが抜けちゃったのは残念・・・
でも3A決まったね!!

ちょっと映像がよくないけど、EURO SPORTのUK解説でそろえたかったので・・・
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【cinema】『オズ はじまりの戦い』

2013-03-26 03:25:03 | cinema
'13.03.15 『オズ はじまりの戦い』@TOHOシネマズ日劇

友達のYuweeと見たいねと話してたら、なんと3月8日の公開日から1週間、DoCoMo決済でチケット購入すれば800円+3D代で見れることが判明!! ということで、DoCoMoユーザーのYuweeにチケット取ってもらって行って来たー♪

*ネタバレありです!

「女好きの売れない奇術師オズ。いつか偉大なマジシャンになることを夢見つつ、移動サーカスでいい加減な生活を続けている。そんなある日、竜巻に巻き込まれたオズは、自分と同じ名前の不思議な国にたどり着くが・・・」という話で、これは『オズの魔法使い』の前日譚。うん、おもしろかった! でも、なかなか感想書けずにいるうちに、ちょっと忘れちゃった(笑) 要するに、見ている間は楽しめる映画ってこと。もちろん、ほめてます! 見た後に心にずっしり来る作品だけがいい映画ってわけじゃない。

1900年ライマン・フランク・ボーム作「オズの魔法使い」は13編の続編が書かれているのだそう。ヴィクター・フレミング監督、ジュディ・ガーランド主演の『オズの魔法使い』は伝説的な作品。もちろん何度も見た! 前日譚としてはミュージカル作品「ウィキッド」もあるけど、これは今作でも出てくる良い魔女グリンダと、悪い魔女エルファバの青春時代の話。このミュージカル評判いいけど未見。長々何が書きたいかと言えば、100年以上に渡り愛された作品であるということと、"オズの魔法使い"に関して初めて描かれた作品であるということ。プロデューサーのジョー・ロスと脚本のミッチェル・カプナーは、前述した「オズの魔法使い」と13編の続編に断片的に描かれたオズ像を元に、今回の脚本を書き上げたのだそう。

見たかった理由の1つは監督がサム、ライミだったから。サム・ライミがオズ?!と思ってワクワクした。といっても、サム・ライミ監督の作品は『スパイダーマン』シリーズ以外は、『ギフト』しか見てないから全く詳しくないので、ライミ色が出ているかどうか語る資格ないかも?(笑) サム・ライミは「オズの魔法使い」が大好きだったそうで、今回のキャスティングにもこだわりがあったらしい。オズ役は自身の心と向き合うことのできる資質を持っていること、グリンダ役は深いソウルを持っていること、エヴァノラは美しくエネルギッシュであることなど・・・ なるほど、( ̄ー ̄)ニヤリ

あらすじは書いたけれど、簡単に登場人物などを説明しておく。サーカス一座の奇術師をしているオズことオスカー・ディグス。女好きの彼は、踊る人形つきのオルゴールをプレゼントし、ある国(名前を失念)の皇女(だったかな?)だった祖母からの贈り物だと言うのが口説き文句。助手のフランクは呆れ顔。オズを真剣に愛する女性(名前を失念)がいるけれど、縛られるのを嫌った彼は別れを告げてしまう。そんな時、巡業先のカンザスで竜巻に巻き込まれたオズは、気球乗って飛ばされてしまう。

飛ばされた先は極彩色の世界。そこに現れた美女は魔女セオドラ。彼女の説明によると、この国の名前は自分と同じオズ。南の悪い魔女からこの国を守るために現れると言われているのがオズだという伝説がある。自分がその救世主だと言われて戸惑いつつも、セオドラの美しさに目がくらみ、のらりくらりと着いて行ってしまうオズ。得意の口説き文句で彼女にもオルゴールを渡す。セオドラは自分を王妃に選んでくれるかと問う。適当に答えてしまうオズ。実はこれが後にとんでもない悲劇を呼ぶ。セオドラはオズをエメラルド・シティに連れて行く。途中で羽の生えたサルを助ける。このサルがフィンリーでオズの子分となる。エメラルド・シティはセオドラの姉エヴァノラが治めていた。彼女も美女! 彼女はダメ男であるオズの本質を見抜きつつ、彼を誘惑してくる。もちろん乗ってしまうオズ。エヴァノラにもオルゴールを渡してしまう。エヴァノラはこの国の王になれば、全てあなたのものだとオズに財宝を見せる。広大な部屋に山と積まれた金貨! 交換条件として南の悪い魔女を殺して欲しいと言われるオズ。魔女の魔法の杖を折ってしまえば、彼女は死ぬと教えられる。ためらいながらも、美女と財宝に目がくらんだオズは、魔女退治に出かけることになる。

フィンリーと共に歩いていくと、破壊された街に出会う。全て陶器で出来た街。どこからか泣き声が聞こえる。ティーポットの形の家の中で、脚を折られた陶器の少女を発見する。持っていた糊で彼女の脚を治してあげるオズ。実はこれ現実世界とのリンク。現実世界に登場した人たちはオズの世界にも姿を変えて登場している。原作はどうなのか不明だけど映画『オズの魔法使い』でも、同じように現実世界の人物がオズの世界にも登場していたのでオマージュなのかな。現実世界でオズの奇術に感動した車椅子の少女が、オズに歩けるようにして欲しいと懇願する。苦し紛れにオズはいつか治してあげると言ってしまうけど、オズの世界で約束を果たしたということかも。一人ぼっちになってしまった少女は、オズに同行することになる。危険だし足手まといだと思ったオズだけど、後に彼女は素晴らしい活躍をする。

3人は南の悪い魔女に出会う。杖を奪おうと画策するけど、彼女に見つかってしまう。実は彼女は良い魔女グリンダ。彼女の父親こそオズの国の王であったが、彼を殺したのが西の魔女エヴァノラ。エヴァノラこそ悪い魔女だったのだ。グリンダの美しさと純真さに心打たれるオズ。いつものことだけど(笑) エヴァノラの放った敵から逃れつつ、南の国へ。南の国の人々の疑うことを知らない美しい心に触れるオズ。一方、オズがエヴァノラにもオルゴールを渡していたこと、今はグリンダの元にいることを知り、嫉妬で醜悪な魔女に変身してしまったセオドラは、良い心の者しか通れないはずのシールドを突破して南の国へやって来てオズに宣戦布告する。共に戦い自分たちを導いて欲しいという南の国の人々に、自分は魔法使いではないことを知っているオズは一度は尻込みするけど、彼らの思いに答えようと立ち上がる。

オズが使ったのは奇術の本。それを元に様々な作戦を考える。南の国の人々には戦士はいないけれど、女性たちは布を縫い、男たちは大工仕事など、ぞれぞれ得意な分野で役割を果たす。全てが完成してエメラルド・シティに乗り込む南の国の人たち。エメラルド・シティの城壁の前には広大な野原が広がっているけど、ここにグリンダが魔法で霧を発生させる。南の国の人たちが作ったかかしを台車に乗せて城壁目指して動かす。このかかしは「オズの魔法使い」へのオマージュだよね かかしが霧によって巨大な敵に見えるという仕掛け。エヴァノラは羽の生えたゴリラ(?)を放つが、眠り薬を漂わせて眠らせてしまう。など、奇術を駆使して戦う姿が楽しい。

エヴァノラの側近は彼女の悪行に嫌気がさし、かつての王の娘であるグリンダと密かに内通していた。彼のおかげでエメラルド・シティに入ることが出来たオズ達は、ある作戦を遂行する。この作戦が楽しい! 映画好きなら絶対好き。オズは財宝を積んで気球で逃げようとしたところ、エヴァノラに殺されてしまう。実はこれも作戦。この作戦について仲間にきちんと説明しなかったので、彼らがオズを疑う部分も王道。オズは気球には乗っていなかった。再び現れたオズは仲間と作った装置へ。要するに映像投写機ということなのかな? 気球が落下し燃えている煙の中に、巨大なオズの顔が映し出される。オズが本当に魔法使いになった瞬間。偉大な者になるということは、偉大な力を使うということじゃない。エヴァノラに魔法の杖を取り上げられ、捕らえられていたグリンダも、陶器の少女の活躍で復活! 2人死闘を演じ、グリンダが勝利! 見事にエメラルド・シティを奪還する。

twitterのTLで"映画"が関係していると書かれていたので、このシーンはニヤリ。これには現実シーンにも伏線があった。仕組みはよく分からないのだけど、走馬灯のような原理なのかな? さり気なくエジソンとか名前が出てた。ここでは発明王として尊敬の対象っぽい描き方。発明王としてのエジソンは尊敬に値するけど、映画に関して最近『ヒューゴの不思議な発明』で知ったジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』を無断で複製し、アメリカ中に売りつけ巨額の富を得たとか、カメラや映写機に対して特許を取得し「映画特許会社」を結成して、映画上映の上前をはねていたとか、「映画特許会社」から締め出された会社は映画製作ができなかったとか、実に嫌なヤツなんだよね(*`д´) まぁ、商才があるとも言えるのだけど。話がそれたけど、とにかくこの映像は見もの! 絶対3Dで見た方がいいと思う!

『アバター』のロバート・ストロングをプロダクションデザインに迎えた映像がスゴイ! 現実世界は3D・モノクロ・モノラルで、オズの国は3D・カラー・ステレオで撮影されている。前述したとおり『オズの魔法使い』のオマージュだと思うけど、これによりオズの国の色彩が際立つ。撮影は全てミシガンのスタジオ内で行われ、屋外撮影はなかったのだそう。その作りモノ感も良かったと思う。南の魔女グリンダの宮殿の中庭は400人のスタッフが4ヶ月かけて作ったそうだけれど、全ての映像が素晴らしい! 陶器の少女の質感や表情がスゴイ! 登場する俳優は1,500人、デザインした衣装12,000着でオズと3人の魔女だけで200着だそうだけど、そんなに着替えてたっけ?(笑) エメラルド・シティにあった5,000枚のコインは片面が"黄色い道"、片面が「オズの魔法使い」の原作者ライアン・フランク・ボームの肖像になっているのだそう。そういうこだわりもイイ。そうそう! "黄色い道"とか"マンチキン"とか『オズの魔法使い』ファンならニヤリ。かかしも出てくるし、チラリと臆病ライオンも。ブリキのきこりは出てこなかったかな?

音楽はダニー・エルフマン。『スパイダーマン2』でサム・ライミと大ゲンカしてしまい、彼と仕事することは2度とないと言っていたそうだけど、和解したのかな? わだかまりがあったのか、いつもは大好きなダニー・エルフマンの曲だけど、今回あまり印象に残らなかった・・・

キャストは意外に豪華。オズ役は当初ロバート・ダウニー・Jrで話が進んでいたそうたけど、サム・ライミが交渉に入った段階ではロバダウの役に対する興味が薄れてしまったらしく、次に候補になったのがジョニー・デップ。ジョニデも乗り気だったそうだけれど、同じディズニー映画『ローン・レンジャー』の契約があったため断ったのだそう。結果、出演したのがジェームズ・フランコ。なんだか貧乏クジを引いたみたいな書き方になっちゃってるけど、ジェームズ・フランコで正解だったんじゃないかな。ロバダウもジョニデも上手いし、いい加減な人だったのに本気になったらスゴイみたいな役似合うけど、年齢的にキビシイ気がする。まぁ2人が主役なら設定を変えるのかもしれないけど、40過ぎて自分探しはちょっとね・・・(笑) いい加減で女好きという役だけど妙に憎めないのはジェームズ・フランコのおかげ。特別ファンじゃないけど、ジェームズ・フランコの困り顔がツボだった。

3人の魔女エヴァノラのレイチェル・ワイスも安定の演技。こういう映画は演技を評価されにくいけど、変に照れたり媚びたりしてはダメ。そういう意味では、出演者全員良かったと思う。最初は良い魔女として登場するけど、全くいい人感がないのもイイ。セオドラのミラ・クニスは途中からとんでもない姿になってしまうけど、最初に登場した時の妖艶さがスゴイ! 彼女は実は純粋が故にオズに裏切られたことに耐えられず、ダークサイドに堕ちてしまうわけだけど、その悪と表裏一体な感じが登場時からぷんぷんしているのがイイ。グリンダはミシェル・ウィリアムズ。良い魔女グリンダは美女ってことになってて、ミシェル・ウィリアムズはカワイイと思うけど、美女か・・・?と思っていた。最初に出てきた時も、うーん・・・ と、思っていたのだけど、やっぱり上手い。いつの間にか美女に見えてきたから不思議。グリンダはオズの本質を見抜いていたけど、それでも彼が救世主であると信じる役なので、聡明で純真でなければならない。その辺り好演していたと思う。ミシェル・ウィリアムズは現実世界のオズの彼女役も演じている。陶器の少女のジョーイ・キングは今全米で大人気の子役だそうだけど、上手かった! ちょっと生意気な所もあるけど、健気でカワイイ。CGの表情が素晴らしかったこともあるけど、まさに命を吹き込んだと思う。ちなみに現実世界の車椅子の少女も演じている。そうそう! サム・ライミ作品といえばの弟テッド・ライミも疑うティンカー役でご出演♪

ところどころギャグがちりばめられていて、笑える場合もあるけどあまり笑えない。その辺りサム・ライミ色ともいえるのかな。(ノ∀`)アチャーってなる感じ(笑) ワンダー!ってやたらとオズが叫ぶから意味があるのかと思ったら、グリンダと間違えてただけとか・・・ これ実は意味あり? 個人的には南の国には戦士がいないことにオズがガッカリするシーンで、三つ編みの女性が「パン屋です」って名乗った時、オズが「Yummy(おいしそう)」って困り顔で答えてたのがツボ!

とにかく画がキレイ! ちょっと色っぽいシーンもあるけど、こんな美しい映画を子供達に見て欲しいなぁ。子供の頃寝てたら母親に「テレビですごくキレイな映画をやっているよ!」と起こされて見たのが『オズの魔法使い』だった。ホントに夢のように美しい映画だった。そういう体験を子供達にして欲しいと思う。

家族連れにオススメ! デート映画にもオススメ! 書くの遅くなっちゃったから上映館数減っちゃったかもしれないけど、是非映画館で3Dで見て欲しい!

『オズ はじまりの戦い』Official site


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