【event】「蘇るモーリス・ベジャール」記者会見&秘蔵映像上映会
WOWOWで当選! モーリス・べジャール(Wikipedia)のドキュメンタリー映画かなと思って応募したのだけど、秋の来日公演の打ち合わせのため来日中のモーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督ジル・ロマン氏(Wikipedia)と、同ダンサーの那須野圭右氏の記者会見と、秘蔵映像上映会だった (以下、敬称略)
モーリス・ベジャール・バレエ団の公演は1度見に行ったことがある。ずいぶん昔のことなので他の演目は忘れてしまったけれど、ジョルジュ・ドンの「ボレロ」目当てで見に行った。バレエを習っているけど全然詳しくないし、公演もほとんど見たことない。さらにコンテンポラリーよりもクラシックの方が好きだったりする。なのでバレエ団のこともベジャール本人のことも全然詳しくない。でも「ボレロ」が本当に大好きで、ただそれだけで応募して当選してしまって申し訳ない
会場の日経ホールはカンファレンスなどにも使われるのか、前の座席の背中に引き出し式のテーブルがある。テーブル引き出してメモ取りながら見れたのでよかった。一応、備忘メモとしてTweetしておいたので、それに追記する形で記事を書いておこうと思う。とはいえ、結構頑張ってTweetしたので、そんなに付け足すことはないかも?
まずは、日本舞台芸術振興会専務理事の髙橋典夫氏の挨拶から。今年11月22日でベジャールが亡くなって10年になるのだそう。さらに20世紀バレエ団時代を含めて初来日から50年ということで、秋の来日公演が決定。これに合わせてWOWOWではベジャール特集を放送予定。さらに2014年東京バレエ団と合同公演した「第九交響曲」の舞台裏(だったかな?)を劇場公開する企画もあるとのこと! これ見たい! 高橋さんのモーリス・ベジャールとの出会いがなければ、この仕事をしていなかったかもしれないという言葉が印象的。人の出会いって不思議。そして素敵✨
実はジル・ロマンにはもう一つ質問があって、これからのバレエ団についてというもの。その回答について補足しておくと、今後はベジャール作品と新作の2つの軸で行っていくということだった。ジルとしてはそちらの答えの方がメインだったので、ベジャールについてはアッサリめだった。
那須野圭右の発言について補足しておくと、モーリス・ベジャールから直接指導を受けたことがないため、おじいちゃんという感覚ということだった。まぁ、そういうものかもしれない
補足としては、「魔笛」も「アニマ・ブルース」もテーマは同じであるとのこと。オードリー・ヘプバーンの影響と書いたけど、これはダンサーのカトリーナ・シャルキナがオードリーに似ていることからイメージしたとのことで、ここのパートについてはクラシックのテクニックが使われているとのことだった。
那須野圭右と大貫真幹が大変仲が良く、ご本人によれば寝る時以外はほぼいっしょにいる状態なのだそう。そんな2人からインスピレーションを受けたジルが、もともと好きだった吉田兄弟の音楽を使って振り付けた。ボルヘスの「侵入者」にも影響を受けたとのことなのだけど、これはホルヘ・ルイス・ボルヘス(Wikipedia)のことかな? ちょっと「侵入者」というのが見つからなかったのだけど?(o゚ェ゚o) とにかく、友情関係を描きたいと考えたとのこと。
また、1960~70年代の日本の恋愛の曲を使いたいと考えて、那須野圭右に探すように依頼したとのこと。それについて那須野圭右によると、自分が生まれる前の曲なので戸惑った。YouTubeで探してジルに聴かせるとダメ出しばかりで、半分ヤケになって美空ひばりが歌う"La Vie en Rose"を聴かせたところ気に入ってもらえたとのこと。←こんな内容のことをもう少しおもしろく話していた(笑)
「ピアフ」についての補足としては、声を使った作品だということくらいかな?
「ボレロ」については、男性はジュリアン・ファヴロー、女性はエリザベット・ロスが踊るということで、「兄弟」「ピアフ」「ボレロ」には一連の流れというか関連性があると言っていたけど、具体的にどういう流れなのかは言っていなかったように思う。それか聞き逃した
第1部「テム・エ・ヴァリアシオン」は"t'M et variation"と書くのだけど、バランシン(Wikipedia)への言葉遊びってことで、これはちょっと勉強不足でよく分からなかったのだけど、Wikipediaによると『テーマとヴァリエーション』のことかな? 下の質疑応答ので質問されているベジャールが毎日手紙をくれたというのは、この作品の紹介時に語られたエピソード。この手紙に対してダンサーの踊りで返事をしたいと考えたとのこと。
第2部「ベジャール・セレブレーション」の原題は"Bejart fete Maurice"。祝祭をテーマとしていて、作品をパノラマにして見せたいと考えたとのこと。
那須野圭右は東京バレエ団に振付指導を行っているそうで、動きの一つ一つに意味があるので、ビデオを見て踊るだけではいけないと考えている。フランス語と日本語にはやはりニュアンスなどに違いがあって、その辺りのことは20年の経験を生かして伝えているとのこと。なるほどね。
ここについてはあまりメモが取れてなくて、ほぼTweetしたとおりなので補足はなしとします
モーリス・ベジャールご本人について詳しくないので、これらの遺品についても全くどういう所縁の物なのか分からないのだけど、やっぱり胸に迫るものがあった
1967年に20世紀バレエ団として初来日してから前回公演の2014年まで一気に見せる。30分くらいあったかな? 最初の頃は動画はなくて写真だったけれど貴重な映像。個人的にはコンテンポラリーよりクラシックの方が好きなのだけど、今回こうして映像を見てみると、コンテンポラリーを踊るということは、クラシックの技術があってこそなのだなと感じた。まずは基礎があって、そこから崩す。崩すというと語弊があるな 革新的なことをするということは、まずは基礎があってこそということかな。
ジル・ロマンもそうだけれど、ジョルジュ・ドンの映像はとても貴重だと思う。ジョルジュ・ドンの「ボレロ」の映像が見たかったな~ これ実際見に行っているので! この映像がこの記者会見のためだけに作られたものなのか、どこかで公開したり、WOWOWの特集で放送されたりすることがあるのか不明なのだけど、これはとっても貴重な映像だと思う。
そして、秋の公演のプロモーションビデオが素晴らしかった。ダンサーの動きをとても美しく、カッコよく撮っていた。「ボレロ」と「魔笛」が見たくなった!
この後、マスコミによるフォトセッションがあり、その後で希望者は並んで舞台前からジル・ロマンと那須野圭右のお二人を撮影。帰ってしまった人もいたけれど、かなりの人数が残っていた。撮り終わったら流れてくれという誘導があったけれど、10~15分くらいはポーズ撮り続けていたと思う。終わった瞬間よろこびの声を上げていたけど、気持ちは分かる お疲れさまでした!
ということで、なかなか貴重な体験をさせていただきました