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【cinema】『コレット』

2019-08-01 00:58:09 | cinema

2019.05.18 『コレット』鑑賞@TOHOシネマズシャンテ

 

これは見たかった。試写会あったけど行けない日で断念😭 公開日に行こうかと思ったけど、母親も見たいと言うので公開日翌日の土曜日に見に行ってきた〜

 



ネタバレありです! 結末にも触れています!



「田舎で暮らすガブリエルは密かに劇作家のウィリーと愛し合っていた。結婚してパリに出たガブリエルは仕事に行き詰った夫のため、自身をモデルにした小説を書く。夫名義で発表された本は大評判で、大ヒットシリーズに成長。夫妻は時代を象徴する夫婦となるが・・・」という感じかな〜🤔 これはガブリエル・コレットの話で実話。コレット女史については詳しくないので、どこまで忠実に再現しているのか、演出的な部分があるのか不明。女性の権利が認められていなかった時代に、作家として自立したコレットについて知りたかったのだけど、思った以上にぶっ飛んでてビックリだった😅



ウォッシュ・ウェストモアランド監督作品。存じ上げなかったのだけど『アリスのままで』の監督なのね? 『アリスのままで』は見たいと思っていたけど未見。作品について毎度のWikipediaから引用。『コレット』(Colette)は、ウォッシュ・ウェストモアランド監督による2018年の伝記・ドラマ映画である。フランス人小説家のコレットの生涯を基にウェストモアランド、レベッカ・レンキェヴィチリチャード・グラツァーが脚本を執筆し、キーラ・ナイトレイドミニク・ウェストエレノア・トムリンソンデニース・ゴフらが出演した。ワールド・プレミアは2018年1月20日にサンダンス映画祭で行われた。アメリカ合衆国は2018年9月21日にブリーカー・ストリートと30ウェスト配給で封切だれた。イギリスではロンドン映画祭でプレミア上映された後、2019年1月11日にライオンズゲート配給により公開された。

 

2016年2月1日、『コレット』が『アリスのままで』(2014年)のウォッシュ・ウェストモアランドにより監督され、また彼とその夫のリチャード・グラツァーと共同で脚本を執筆することが初めて発表された。この映画は『キャロル』のナンバー9・フィルムズキラー・フィルムズが再結集して製作した。また同日に『Deadline』はキーラ・ナイトレイがコレットを演じると報じた。2017年5月15日、ドミニク・ウェストがコレットの最初の夫役にキャスティングされたことが報じられた。この役には他にクリス・プラットジョシュ・ヘンダーソンサリバン・ステイプルトンが考慮されていた。

 

2018年1月20日、サンダンス映画祭でワールド・プレミアが行われた。ブリーカー・ストリートと30ウェストが米国、ライオンズゲートが英国での配給権を獲得した。米国では2018年9月21日に一部劇場で封切られた後、10月21日より拡大公開された。英国では2019年1月11日に封切られた。アメリカ合衆国及びカナダでの興行収入は約510万ドル、その他地域では約940万ドル、世界では約1450万ドルに達している。レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは187件のレビューで支持率は87%、平均点は7.2/10となっている。Metacriticでは40件のレビューで加重平均値は74/100となった。


主人公であるシドニー=ガブリエル・コレットの作品は読んだことないけど、作品を映画化した『恋の手ほどき』と『わたしの可愛い人 -シェリ』(感想はコチラ)を見た。またこの『恋の手ほどき』の原作である「ジジ」の舞台に、コレット自ら無名時代のオードリー・ヘプバーンを抜擢したことは知ってた。オードリーは特別ファンではないけど、映画好きとしては親しみを感じ、今作を見てみたいと思ったのだった。コレットについてもWikipediaから引用しておく。

 

シドニー=ガブリエル・コレット (Sidonie-Gabrielle Colette, 1873年1月28日 - 1954年8月3日) は、フランスの女性作家コレット (Colette) というペンネームで活動した。「性の解放」を叫び、同性も対象とした華麗な恋愛遍歴で有名。代表作のひとつは『ジジ』 (1944年) であり、後にブロードウェイで舞台化され、さらに1958年にはモーリス・シュヴァリエ主演により映画化もされた。ブロードウェイ版『ジジ』のオーディションに自ら立会い、主演にオードリー・ヘプバーンを抜擢したことでも有名。

 

引用したのは導入部のみで、生涯や作風などの紹介があるけど、長くなるので割愛。生涯の部分を読むと、今作で描かれている部分以降が作家コレットとしては重要らしい。そこは周知の事実として、そこに至るまでを描きたかったということなのかなと思う。

 

ブルゴーニュ地方の田舎で両親と3人で暮らすガブリエル(キーラ・ナイトレイ)のもとに作家のウィリーことアンリ・ゴーティエ=ヴィラール(ドミニク・ウェスト)が訪ねて来る。ここがちょっとよく分からなかったのだけど、彼は両親にガブリエルとの結婚を申し込みに来たということ? そんなようなことを言っていたような? でも父親はやや難色を示していたような? 🤔 ガブリエルは表面上はおとなしく彼を見送るものの、実は2人は示し合わせて密会している。なのでてっきり両親に反対されて駆け落ち?とか思っていた。この描写はなんだったのだろ? 当時の面倒くささを表現しているのかな?🤔 


ウィリーと結婚してパリに出て来たガブリエル。ウィリーが用意してくれた最新流行のドレスを着ることに気後れし、野暮ったいドレスでパーティーに出席して浮いてしまう。後に流行をリードする存在になるので、これはその対比をしているのだと思うのだけど、ご本人もこんな感じだったのかしら? これはなかなか興味深かった。


ガブリエルはウィリーを愛し妻として彼を支える。ウィリーの浮気現場を見てしまい、怒って実家へ帰ってしまったガブリエルをウィリーが慌てて追いかけて来たりと、騒動もあるけれどしばらくは幸せな結婚生活が続く。


ウィリーの仕事がよく分からないのだけど、世間的には作家なのかな。だけど基本的に作品はゴーストライターに書かせているようで、本人が書いている描写は一切ない。ゴーストライターを使っているくせに、彼らに対する態度は横柄で、給金も遅れがちで支払わなかったりとホント酷い😠 ゴーストライターとしてはお金はもちろん、どんな形でも作品を世に出したいという思いはあるだろうし、ウィリーのネームバリューを利用する部分もあるわけで、持ちつ持たれつなのは分かるのだけど、何故ウィリーは自分では一切書かないのだか? 元は自分で書いていたけど、ある程度有名になったからこのシステムなのか、その辺りがよく分からない💦


というのも、借金がかさみ返済を迫られ、アパルトマンを差し押さえられるという段階で、ゴーストライターともケンカ別れした状態でも自ら書かないので。で、ガブリエルが書くことになる。ビックリしたのはもともと書いていたけど結婚を機に止めたのではではなく、夫の窮地を救うために本を書いたということ。例えば『メアリーの総て』(感想はコチラ)などでは、そもそも本が好きで自分でも物語を書いたりしていて、自分の本として出版しようとするも、女性では売れないと言われる場面があった。でもガブリエルは作家になりたくて書いたわけではないので、作品がウィリー名義で出版されることに全く迷いがないことも驚きだった。


ガブリエルは自分の田舎での暮らしをモデルに小説を書くがウィリーに酷評される。これ一度ボツになってしばらくたって、そういえばアレがあったと引っ張り出していたような? 違ったかな。とにかく重要なことはウィリーがかなり手直しして2人で共同作業をしたということ。この体験はガブリエルにとっても楽しかったのだと思う。そしてウィリーはいろいろアレだけど、プロデュース能力があるということ。


ウイリー名義で出された本は評判を呼ぶ。この時点でも自分の作品がウィリーの作品として世に出ていることに違和感を持っておらず、喜んでいるのが印象的。でも、この成功に気をよくしたウィリーはガブリエルに続編を書くよう強要。ガブリエルが集中して作品が書けるようにと田舎に家を購入してしまう。ガブリエルは驚き困惑するけれど、主婦らしくこの家をリフォームしていく。この時点では作家ではなく、あくまで主婦であるというのも興味深い。そして家がリフォームされていくのは見ていて楽しい。するとウィリーがやって来て全く執筆が進まないことに焦り、ガブリエルを部屋に閉じ込めてしまう。酷い😠


なんとか書き上げた続編もベストセラー。これは主人公の名前をとってクロディーヌシリーズとして人気を博しただけでなく、クロディーヌのファッションなどを女性たちがマネし始める。ここに目をつけた2人はガブリエルをクロディーヌに見立てて、髪を切ったりファッションの流行を作っていく。この辺りもやはりウィリーの手腕はスゴイと言わざるを得ない。でも、この頃にはガブリエル本人もプロデュース力を発揮し始める。この変化は興味深かった。

 

そんな中、ジョージー・ラオール=デュヴァル(エレノア・トムリンソン)という女性が声を掛けて来る。若く美しい魅力的な女性で、社交界でも話題の人物。貴族だかお金持ちの奥様だったと思う。彼女のアパルトマンを訪れたガブリエルはジョージーと深い関係になる。実際のコレットは多くの男女と浮名を流したそうだし、何度も結婚しているのでバイセクシャルだったのでしょうけれど、映画では男性はウィリーのみだったと思う。映画の後半はほとんどレズビアンになってしまったかのような描写だった。このジョージーと後に出て来る人物がガブリエルに大きな影響を与えたということなのかな🤔


ジョージーとのことはウィリーも公認だったけれど、実はウィリーはジョージーとも関係を結んでいたのだった。こういう上流階級だったり、ウィリーのような芸術家気どりの人物の価値観というか倫理観は全く理解できないけれど、ガブリエルにとって大きなショックだったことは間違いない。このことから自分を自分として認めて欲しというような、承認要求的なものが芽生えたのかな? この人物がよく分からなかったのだけど、ある男性らと共に前衛的なダンスにのめり込んでいく。


えーと、たしかこの頃クロディーヌシリーズを舞台化する話があり、主演女優のオーディション的なことをしたよね? ウィリーはまたこの女性とそういう仲になるんだろうなと思った覚えがある。実際そうなったかは忘れた😅 舞台は好評でそのお祝いパーティーの席で、男装の麗人であるミッシー(デニース・ゴフ)と出会う。この方たしか貴族の出だったような気が? この当時に髪型もショートで男装をしている。かなり勇気のある行動。自分のセクシャルな部分を隠さないミッシーに惹かれていくガブリエル。2人は愛し合う。

 

ガブリエルは例の前衛的なダンスの公演に出演する。客席には紳士淑女がそろうが、最後にガブリエルとミッシーがキスしたことで大顰蹙を買ってしまう。当時同性愛は風紀を乱す淫らなものと考えられていたことから、罵声を浴びせられてしまう。見ている側としては自身が前衛的なものがあまり好きではないこともあるけど、今見てもかなり斬新なので当時は受け入れられないでしょうね😅

 

ガブリエルとミッシーは前衛的な芝居? ダンス?を持って巡業を始める。その中で2人は愛を深める。一方、資金繰りが悪化したウィリーはクロディーヌシリーズの権利を勝手に売却してしまっていた。当然ながらガブリエルは激怒。当たり前だわ!😠 いくらウィリー名義だろうが、彼のプロデュース力があろうが、真の作者はガブリエルなんだから、一言相談はするべき。ウィリーの中にはやっぱり妻というか女性を軽んじている部分はあるんだろうと思う。

 

さらにウィリーはこともあろうにクロディーヌシリーズの原稿を燃やしてしまうように秘書に言いつける。これは酷い😡 売り言葉に買い言葉的な部分はあったにせよ、ホントにウィリーが酷すぎて腹が立つ(*`д´) でも、何故か憎み切れない部分があって、おそらくガブリエルにもそうだったのかもしれない。もちろん、当時の女性が1人で生きていくことの難しさもあったとは思うけれど。でも、今度という今度は別れを決意する。ミッシーの存在もあったし、母親の後押しも大きかったと思う。

 

その後、ガブリエルは作家として成功。クロディーヌシリーズの原稿は秘書の機転で燃やされておらず、ガブリエルの手元に戻ったのだそう。良かった😌 ミッシーと幸せに暮らしたというようなことがクレジットされていたと思うけれど、Wikipediaによるとその後、2回くらい男性と結婚しているらしいので、ミッシーとずっと一緒だったということではないようだけれど、その辺りのことには触れていなかった。まぁ、ちょっと調べ得れば分かることだけど。

 

ガブリエルが自立を決意するまでを描いているので、その後どうやってフランス史上最も成功した女性作家となったのかは描かれない。トントン拍子で行ったのか、女性だからという理由で苦労があったりしたのか分からないけど、この切り取り方は良かったと思う。

 

キャストは皆良かったと思う。ジョージーのエレノア・トムリンは優雅でミステリアスな雰囲気を醸し出していて、上流家庭の妻の満たされなさやわがままさを表していた。ミッシーのデニース・ゴフは初めて見たけど良かった。ガブリエルは世間に対して戦いを挑んでいるようところがあり、2人の関係を隠すつもりもなかったけれど、ミッシーは堂々と男装をしているけれど、個人的な部分まで晒す気はない。その辺りの葛藤が感じられた。

 

ウィリーのドミニク・ウェストも良かった。この役ずいぶん損だよね😅 ウィリー本当に酷いもの。でも、彼は彼なりに才能のある人ではあるのだということは感じさせたし、皆ムカツキながらも憎み切れない雰囲気があったと思う。ガブリエルのキーラ・ナイトレイはコスチュームプレイが本当によく似合う。キリッとした顔立ちだから強い女性向きだけど、前半の貞淑な妻の部分も良かったし、後半の自分の内なるエネルギーを爆発させたくても周囲に受け入れられないジレンマなどがとても良かった。

 

衣装も良かったし、19世紀末のパリの映像も良かった。コレットを良く知る人には物足りない部分もあるかもしれないけれど、よく知らなかった者としては程よい情報量。ただし独自のエピソードなどを加えていなければだけど😅 ただ、ドキュメンタリーではなく映画なので、そういう部分があっても問題ないと思うけれど。

 

見てから2ヶ月以上経ってしまったので上映していない😢 なので今更オススメしずらいけど、女性の自立モノ好きな方、文学好きな方オススメ。コレット好きな方是非! キーラ・ナイトレイ好きな方必見です!

 

『コレット』公式サイト


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