まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

愛は奇跡を信じる力よ

2006-10-02 | 北米映画 80s~90s
 ああ~また、その日は今年もやって来る...
 明日10月3日は、悲しみのmy birthday...もう、ちっとも嬉しくありません。また、無為に年を重ねてしまうだけ。もちろん、何の予定もありません。涙。
 また独りぼっちで年をとる私。同情するなら金をくれ、じゃない、優しい言葉をくれ~!!

 「ロレンツォのオイル/命の詩」
 難病、闘病ものは苦手な私ですが、これは感動を押し売るベタベタメソメソした御涙ちょうだいものではありませんでした。
 副腎白質ジストロフィ(ADL)という難病に犯されてしまった、少年ロレンツォ。医者も匙を投げるしかない不治の病から息子を救うべく、両親は自分たちで病を治そうとする...
 こんな恐ろしい病気があったなんて、知りませんでした。利発で可愛いロレンツォが、無残な病身に変貌していくのが、本当に痛ましい。両親でなくとも、何とかしてあげて!何とかせねば!と思う。いたいけな子供が苦しむ姿ほど、見ていて辛いものはありません。ロレンツォ役の子役が、とても真に迫っていて、演技とは思えないほど。きれいなまま可愛いままな韓国ドラマの白血病ヒロインとは、大違いです。
 でも決して、可哀想に!と涙を誘う内容ではない。とにかく、ロレンツォの両親の苦闘&奮闘が、圧巻!
 もう、医者や病院なんかに任せてられない!と、長い辛い苦難と試行錯誤を経て、自分たちで特効薬を開発してしまう彼ら。まさに、妄執にも似た一念による奇跡です。
 素人なのに医者や科学者も顔負けな知性もですが、それ以上に、どんな絶望的な状況でも、絶対に諦めない不撓不屈さが、この両親のスゴいところ。私が親なら、自分の子供があんなに苦しんでたら、いっそ楽にしてあげたい、死なせてあげたい、と願うでしょう。でもロレンツォの両親を見てると、それは優しさなどではなく、単なる弱さなのかな、と思えた。
 もうダメだよという周りの声にも耳を傾けず、息子を助けるという意志と、息子は助かるという希望を、一瞬たりとも曲げない捨てない両親の姿は、時に他人にも、ロレンツォに対しても厳しく、情け容赦がない。甘ったるい優しさや、中途半端な思いやりを捨て切った両親の愛が、凄絶だけど崇高です。
 特に、オスカーにノミネートされたのも納得な、母親役のスーザン・サランドンが強烈!まさに、愛のために鬼女と化してます。イジウジ嘆いて涙を流してるシーンなど、まったくない。泣くヒマなど、私にはない!とばかりに、寝食を忘れて看病と研究に埋没する姿は、背中からメラメラと立つ焔が見えてきそうな迫力。ちょっとでもロレンツォの回復を疑うようなことでも言おうものなら、大変!医者も看護婦も友人も家族でさえ、敵と見なされ攻撃対象に。もう、女でもなく妻でもなく、まさに母の権化。母親って、ほんと悲しく強い気高い生き物だ。
 それにしても。ロレンツォの両親が、もし映画のように教養があって社会的ステイタスのある立派な夫婦ではなく、無教養で貧乏な夫婦だったら...特効薬も発見されるとはなかっただろうなあ。
 
コメント (7)
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