まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

空とリィウとの間には

2007-12-10 | 中国・台湾・香港映画
 来年は受験生のダミアン。そろそろ本気で進路を考える時期のようです。
 地元でもアホで有名な私立高校の、落ちこぼれクラスの中でも下から数えたほうが早い成績のダミアン。私が行った2流大学でさえ、絶対に合格は無理です。
 さすがのダミアンもちょっと危機感を覚えたのか、英語を教えてほしいと言ってきました。ダミアンが自主的に勉強する姿勢を見せるなんて、冬にひまわりでも咲きそう。な~んて言って、ただでさえないやる気を失くさせるようなこと、してはいけません。週2回、寝る前に2時間ほど家庭教師をすることにしました。もし大学に入れたら、それを恩に着せて老後の面倒をみてもらうつもりです♪

 お松の第3回独り華流男前映画祭②
 「天上の恋人」
 中国広西省チワン族自治区の山村。耳の聞こえない青年チャークァンは、銃の暴発で盲目となった父と二人暮らし。ある日、どこからともなく飛んできた赤いアドバルーンとともに、口がきけない可憐な少女ユイチェンが現れ、チャークァン父子の家に身を寄せるが...
 「山の郵便配達」「中国の小さなお針子」に続く、リィウ・イエ秘境山岳シリーズ第3弾!?話よりも、現代とは思えない原始的で素朴な中国の山村のライフスタイルや、美しく清らかで荘厳な自然に驚嘆、圧倒させられます。空も雲も水も緑も、都会のものとは全く違う。
 生活がシンプルだと、心身の悩みや障害もそれほど深刻なものではなくなる。便利なものや膨大な情報なんて、結局は人間を退化させ弱くしてる毒素に過ぎないのだ、と村人たちの屈託なさ、たくましさを見ていて思いました。
 チャークァンを演じるリィウ・イエ、やっぱ田舎者を演じさせたら世界一の俳優だ!
      
      ↑ 中盤、修行僧みたいな坊主頭に。可愛い
 いがぐり坊主、ランニングシャツ(タンクトップではない!)と短パン姿で、元気いっぱい山野を駆け回るリィウくん。初登場シーンも裸、以後も衣服を着てるより半裸姿のほうが多い彼、ほとんど原始人です。野良仕事が、これほど似合う俳優はない。ちょっとオツムが???と思ってしまうほど、無邪気で純朴で天真爛漫なチャークァン、めっちゃ可愛い!今まで見たリィウくんの中では、いちばん明るい役かも。あの汚れを知らない子供のようなピュアな笑顔、演技でできるものなのか。見ていて、こっちの心まで洗われる。まさに浄化効果のある笑顔です。とにかく、見た目も演技も怖いほどナチュラル&リアルな野生児リィウくんです。
 心は子供だけど、カラダは大人のチャークァン。いかにもジムで鍛えたって体ではなく、ホントにハードな野良仕事でそうなったみたいなリィウくんの、細身だけど筋肉質な肉体美が、これでもか!と拝めます。それに彼って、やっぱデカい!村人の中にいると、まさにガリバー状態だし。
  
 ↑少林寺ではありません 一家そろって正装?して座り込み求婚ソングを絶唱↑
 それと。リィウくんって美男だ!と、あらためて思った。一見フツーっぽいけど、他の村男と一緒だとフツーじゃないことが分かる。横顔なんか、惚れ惚れするほど端正!あんな男の子と仲良くなれる村に、ウルルン滞在したい~!
 ユイチャン役のドン・ジエも、素朴で清純で可愛いです(適当)。
 美人で奔放な村娘に恋し、結婚したいチャークァン。彼とお父さんとユイチャンが、村娘の家の前に陣取って求婚の歌を披露するシーンが壮絶!インテリ男に捨てられて傷心、家から出てこない村娘に、まるで天の岩戸に篭ったアマテラスを呼び出そうとするかのように、延々と執拗に歌い続ける3人が、悲壮なんだけど笑えます。
 あと、村の子供が“○○(インテリ男)は山の猿 桃をかじって捨てた~♪チャークァンはおバカさん 腐り桃を拾って宝にした~♪”なんて歌を、可愛らしい声で歌うのが笑えました。それにしても腐り桃って...ひどいなあ。
 息子が耳、父が目、居候の娘が口と、ありえない~!な三重苦トリオ。でもあまり障害があるって感じはなく、ちょっとチグハグだけど支障なく取れているコミュニケーションが、微笑ましく描かれています。3人を見てると、日ごろ私たちの見るものも聞くものも話すものが、どれほど不必要で夾雑なものだらけなのか、痛感させられます。
 この映画、目がテンになる驚愕のラストが待ってます。意味ありげに存在してたアドバルーンが、ほのぼのした話をブチ壊し、え~!?うそ!?何それ~?!おいおい!と観る者を呆然とさせます。私は、むかし世間を騒がせた、あの風船おぢさんを思い出しました。おぢさん、結局のところどーなちゃったのかな...いずれにせよ、映画史に残るトンデモなラストシーンです。

 大女優メリル・ストリープとの“Dark Matter”ジェイ・チョウとの「王妃の紋章」彦との「天堂口」etc.おいしそうな新作いっぱいのリィウたん
コメント
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