まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

地獄のわんわん

2022-10-02 | 日本映画
 早いもので、もう10月!日中はまだ少し残暑ですが、朝夕はすっかり秋になりましたね。夏は暑さで庭いじりどころではなかったのですが、涼しくなったので荒れた花壇を耕したり、苗を植えたり種を蒔いたりしました。

 春に種から育てたゼラニウム、暑さで枯れたのかと思いきや、知らん間に蘇ってた!引っ越しの時に実家から連れてきたトリカブトも生きてた!根は猛毒ですが、涼しげだけどどこかミステリアスな風情の青い花はきれいで大好きなんですよ。

 去年と同じく、ロマネスコを植えました。夏のトマト🍅は大失敗だったので、秋冬は頑張って春に無事収穫したいです🥦

 「ヘルドッグス」
 凄惨な復讐を遂げた元警察官の兼高は逮捕され、罪を問われる代わりに関東の裏社会を牛耳る暴力団、東鞘会への潜入捜査を強いられる。構成員や幹部の信頼を得た兼高は、やがて会長の十朱の片腕にまでのし上がるが…
 うう~ん…何だろう、いろんな意味ですごく惜しい、残念、な映画だったような…イケメン、やくざ、ヴァイオレンス、BLと、私の大好物をぶっこんだ丼ぶりみたいな映画だったのですが、肉が生焼けだったりマツタケじゃなくてシメジだったり、塩じゃなくて砂糖がかかってたりみたいな、うまく言えないけどそんな味わいでした。女優には鬼厳しい私ですが、男優には超甘い私なので、主演の岡田准一と坂口健太郎はもう見た目だけ、動いてるだけで合格!なんだけどだからこそ惜しさもひとしお。好きな俳優には、やっぱ要求・意見がましくなってしまうんですよね~。こうしてほしかったとか、それじゃないよね、とか。いい男で、演技力も気概もある若い俳優なのに、結局はここどまりなんだよな~という縛りや限界がもどかしく悲しい。

 スゴいことやってるだろ!という圧のような意気込みは、映画からも演技からもひしひしと感じられるのですが。エグい暴力描写に狎れてるヴァイオレンス映画ファンの目にはフツー、どこかで見たことがあるようなありきたりさではなかろうか。衝撃を受けたり感嘆したりするのは、普段そういう映画を観ない某事務所タレントやイケメン俳優のファンだけ。スゴいことをやっているようで、アイドルやイケメン俳優のイメージを損なわない守りの姿勢、彼らが所属する大手芸能事務所への忖度なども透けて見えてしまい、映画にそこはかとない生ぬるさを与えてしまったように思われます。

 まず、岡田准一。顔だけアップだと、その端麗で濃厚な男らしい美男子ぶりに瞠目することしばしばなのですが、全身が映るとチビすぎ!後ろ姿だとほとんど子ども!長身な坂口健太郎と一緒だど、その凸凹さが可愛くて緊張感がなくなる。ご自慢の格闘技でカッコよく大暴れしてるのですが、チビすぎて強そうに見えないんですよね~。過去シーンのお巡りさん姿、ナイナイの岡村に見えて仕方なかったわ。タンクトップ姿が多いのですが、脱ぎはいっさいなし。なぜ?韓流俳優なら、ここぞとばかりに自慢の肉体美を誇示、それもファンのお楽しみと知ってのサービスなんだけど、岡田氏は脱ぎ惜しんでました。自室にいる時は全裸という設定の「ザ・ファブル」でも、ばっちりがっつりとは脱いでなかったし。脱ぎにしろ女との絡みにしろ、大胆さも色気もないところがアイドルだった。いい年だし、いい男なんだし、そろそろ大人っぽい役、演技に挑戦しよう!小柄で肉体美でアクションができる、というところが何となく真田広之とカブる岡田氏なので、若い頃の真田氏みたいな色っぽい演技や雰囲気も出せる俳優になってほしいです。

 坂口健太郎は、ほんと可愛いですね~。スラ~っとした長身もモデルみたい。見た目がスウィート&スマートすぎて、何やっても言っても全然怖くもヤバくもなかった。イケメンがイキって頑張ってる、でも無茶してるだけ、という痛ましさを感じた。明るく人懐っこいけど狂気と凶暴性も秘めている、という異常人格者の不気味さや悲しさは、ボンボンの大学生みたいな坂口くんからは微塵も感じられませんでした。脱ぎ拒否の岡田氏の代わりのようにちょっとだけ脱いでましたが、色白すぎ細すぎ。戦う男の肉体じゃない。坂口くんの口から金玉だの射精だのウンコだのといった言葉が聞けたのは、なかなか驚喜で新鮮でした。

 交番勤務のお巡りさんだった兼高が、どうやってあんなイーサン・ハントやジェイソン・ボーンも真っ青な超人戦士なれたの?凄惨な復讐するほどの理由、情念の描写がまったく省かれてたり、あっさり潜入捜査を引き受けたり、???な部分が多いけど、まあそんなことはどうでもいいんでしょういちばん惜しかったのは、精神的なBLの薄さと雑さです。兼高と室岡、兼高と十朱の関係ややりとりは、描きようによっては濃密で切ないものになったはず。ラストに室岡が兼高に叫ぶ『俺とこの女のどっちが大事なんだよ!!』は、腐的にはかなりズキュンとくる台詞なのですが、そこに至るまでに同性愛的な危うさやときめきが二人の間にはなかったので、すごい唐突な感じだった。裏切られたことよりも嫉妬で殺意、みたいな切なさも欲しかった。人気俳優にちょこっとBLっぽいことさせておけばいいみたいな、とってつけたような安易さに失笑。
 それはそうと。兼高が復讐鬼になるきっかけとなったスーパーマーケットでの強盗殺人、あれって日本犯罪史上最恐の未解決事件のひとつ、八王子ナンペイ事件が元ネタですよね((((;゚Д゚))))
コメント (3)
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