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斎藤美奈子さんのコラム・その19 & 山口二郎さんのコラム・その5

2018-05-02 05:56:00 | ノンジャンル
 恒例となった、水曜日の東京新聞に掲載されている、斎藤美奈子さんの「本音のコラム」の第19弾。 
 まず、4月25日に掲載された「均等法11条」と題されたコラム。
「財務省事務次官は辞任したが、大臣や官僚や国会議員などのタワけた発言が後を絶たない。公職についておられるのだから、せめて法律くらい読んだらいかがか。
 男女雇用機会均等法に事業主に対するセクハラ防止規定(第11条)が盛り込まれたのは1997年だった。罰則規定が設けられていないなど不備な点はあるものの、2007年、17年の改正を経て、それなりに進化し、機能もしている。その内容が頭に入っていれば、何が問題かはわかって当たり前なのだ。
 前事務次官の言動が均等法にいう環境型セクハラなら『番記者を男に変えればいい』という意見は対価型セクハラ(セクハラを告発した人に降格や配置転換を迫るなど)。どちらも明らかに均等法違反である。今度の件で女性記者の配置転換を考えた報道機関も同罪になるのであしからず。
 記者の相談に適切に応じなかったテレビ朝日もセクハラ防止義務を怠った時点で均等法違反だし、その後の『セクハラと縁遠い方々』『ある意味犯罪』『はめられた』などの発言もペケである。
 厚労省や法務省はせっかくセクハラ対策用のパンフレットを作成しているのだ。それをいますぐ全国会議員に配りなさいよ。厚労大臣や法務大臣も暴言にはピシャリと釘を刺していただきたい。この機に一からお勉強。永田町はまだその段階なのだ」。

 また5月2日に掲載された「デザートの隅」と題されたコラム。
「4月27日の南北首脳会談の直前、日本のメディアがさも大問題のように報じていたのは、夕食会で供されるマンゴームースの話だった。統一旗をデザインしたチョコレートに竹島(独島)が描かれていたため、外務省が抗議したという。
 あとから思えば象徴的だ。重箱の隅ならぬデザートの隅にポチッと描かれた点(にしか見えない島)にこだわった日本政府。うっかりその視点に同化していると、大局を見失うおそれがある。
 文在寅(ムンジェイン)大統領が就任して一年、文氏との会談のたびに安倍晋三首相は北朝鮮への圧力だけを要求してきた。2017年7月6日、ドイツ・ハンブルクでは『対話のための対話は意味がなく、今は圧力が必要』。9月7日、ロシア・ウラジオストクでの会談でも『これまでとは異次元の圧力を課す必要がある』。9月21日の日米韓首脳会談でも『圧力のさらなる強化が必要』。18年2月9日の平昌五輪の際も『北朝鮮の“微笑み”外交に目を奪われてはならない』『圧力を最大限まで高めていく必要がある』。
 なんやねん、これ。緊張緩和のための対話がそんなに嫌なのか。融和を目指す人にしてみたら邪魔だわ~。おまけにデザートの島に文句をつけてきた? ウザイわ~、金正恩は信用できないと政府はいう。圧力にしがみつく安倍政権はどうなのだろう、」
 
 またこちらも恒例となった日曜日に掲載される山口二郎さんの「本音のコラム」の第6弾。2月25日に掲載された、「反日狩りの時代」と題されたコラム。
 「先日、赤報隊事件を発掘するNHKスペシャルを見た。一つ気になったのは、反日という言葉である。これは昔、極左過激派が自称していた。日本の問題点を批判する自由な言論に対してこの言葉を当てはめたのは、赤報隊が初めだった。そして、あの事件から三十年たって、小学館の雑誌や産経新聞も右派の政治家も頻繁に使うようになった。
 今、反日という言葉を使う人々は、赤報隊と同じく、日本を批判する者には暴力を振るってもよいと考えているのだろうか。もちろん、そんなことはないだろう。しかし、反日征伐の名のもとに暴力を振るっている者にははっきりした非難をあげないなら、暴力を黙認していることになる。
 朝鮮総連の建物に右翼活動家が銃撃を加え、逮捕された。犯人は韓国・朝鮮人に対するヘイトデモでも活発に活動し、その世界では有名だった。この種の活動家の大半は自民党と安倍政権を支持している。安倍首相は、暴力を肯定するヘイト運動をどう思っているのか。自由と民主主義を擁護する政治家として名誉を保ちたいなら、暴力と差別を断固否定する具体的な発言をすべきである。『大阪には北朝鮮の工作員が大勢いる』と発言した『国際政治学者』が産経新聞から賞をもらった時にエールを送っているのを見ると、そんな覚悟があるとは思えないが。」

 いつもの通り、ズバッと問題の核心をついてくれる、身の空くようなコラムでした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)