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斎藤美奈子さんのコラム・その20 & 山口二郎さんのコラム・その6

2018-05-20 06:03:00 | ノンジャンル
 恒例となった、水曜日の東京新聞に掲載されている、斎藤美奈子さんの「本音のコラム」の第20弾。
 
 まず、5月9日に掲載された「部長の恋愛」と題されたコラム。
「四月からスタートしたテレビ朝日系の土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』が人気である。
 女性にまったくモテない三十三歳の会社員・春田創一(田中圭)が、上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)に愛されてしまうという内容で、キャッチコピーは『ある日、僕は部長に告白された』。しかも春田は同居している後輩の牧凌(林遣都)にも思いを寄せられ、頭を抱えることとなる。
 テレビ朝日のフレコミでは『抱腹絶倒の胸キュン・ラブコメディー』。だけど私は胸キュンどころかハラハラしっぱなしである。なぜって黒澤が春田に対してやってることはすべて典型的なセクハラだからだ。仕事の話にかこつけてデートに誘い出す。相手が嫌がってるのにしつこく迫る。春田が拒否できないのは、相手が男だからではなく上司だからだ。後輩とはいえ、いきなりキスしてきた牧の行為も褒められたものではない。
 牟田和恵『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書)にはそんな事例が数多く載っている。セクハラと恋愛妄想は紙一重。どんなに黒澤が『ピュアすぎる乙女心』の持ち主でも、相手が異性でも同姓でも、上司が絶対やっちゃダメなことはあるのだよ。
 もっとも、黒澤の暴走と春田の動揺は、セクハラの複雑さを学ぶよい教材ともいえる。春田の身になったら、笑えないでしょ。」

 また日曜日の東京新聞に掲載されている、山口二郎さんの「本音のコラム」の第6弾。

 まず、5月5日に掲載された「改憲論議以前」と題されたコラム。
「安倍首相はしつこく憲法改正ムードを作ろうとしているが、およそルールを守らない意欲も能力もない政治家に憲法改正を叫ばれると、ふざけるなと言いたくなる。常習犯の泥棒が、汝(なんじ)盗むなかれと説教するようなものである。
 憲法は国家のアクセサリーではない。為政者が日々実践すべき規範である。また、憲法や法律に明記されていなくても、憲法の前提とも言うべき当然の常識がある。公務員が正確な記録を残すなどもその例である。
 安倍政権の異常さは、この種の常識が破壊され、さらに公務員に常識を守るよう監督する立場にある首相以下の閣僚もこの種の非行を黙認した点にある。安倍政権には順法精神がないと言わざるを得ない。
 加えて、憲法論議をしたいという者は、当然日本語のルールを守らなければならない。野党議員が自衛隊の日報にあった『戦闘』の意味を尋ねる質問主意書を出したところ、政府は『国語辞典的な意味での戦闘』と自衛隊法などで定義する『戦闘行為』とは異なるという答弁を決定した。犬を見て、あれは自分の考える犬ではなく、猫であると言い張るならば、もはや議論は不可能である。
 政権の指導者たちは、小学校の国語と道徳からやり直した方がよい。憲法論議は政治家が言葉を正しく使えるようになるまでお預けにするしかない」。

 また5月13日に掲載された「諸悪の根源は経産省」と題されたコラム。
「安倍政権を支える実働部隊は経産省の官僚である。現総理秘書官の今井尚哉氏、先日参考人招致された柳瀬唯夫元秘書官は、いずれも経産省の官僚であり、政権運営の鍵を握っている。政策の基本的枠組みを打ち出すのは経済財政諮問会議、産業競争力会議などの審議機関である。これらは省庁にまたがる課題についてトップダウンで方向性を支持する機関だが、これらの議論を誘導するのは加計学園案件に関して活躍した藤原豊氏のような経済官僚である。
 バブル崩壊後、経済成長の戦略を描くべき経産官僚は何一つ成功していない。経産省が執念を燃やす原発輸出にしても、民間企業では背負えないリスクが広がっている。自分の本業がうまくいかないものだから、労働、農業、医療、教育など他の畑を荒らしに行って、それらの世界で長年存在したルールを壊し、新しいビジネスチャンスを作ることを自分たちの手柄にしようとしている。
 これから国会審議の焦点となる働き方改革にしても、日本経済再生本部が産業競争力の強化のために打ち出した労働法制改革を土台にしている。成長のために労働者にもっと働かせろという発想がその根底にあるように思える。
 森友、加計問題も徹底的な究明が必要だが、経産省が日本をおもちゃにしていることを厳しく追及する必要がある、」

 どれも勉強になり、またこちらの想いを代弁してくれる見事な文章だったと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)