また昨日の続きです。
待ち合わせ場所に来たガス。背後から「ガス、動くな」。トリーが現れる。「何を使って殴った?」「受話器だ。カネは?」「こんな夜中に大金は用意できない」「いつなら?」「明日、正午に連絡する」「行け」。トリーの背後から銃口がトリーのクビに当てられる。「ブツはどこだ?」「銃で脅しても無駄だ」。
ジーラ「見覚えのある顔だな」トリー「ここらで稼いでる」「金庫破りか?」「そう」「やれ、証明しろ。女とガスのやり取りを聞いたと?」。トリー、金庫開けに取り掛かる。「そうだ」「それでガスを殴り銃を奪った。どうやって女に尋問した?」「警官だと言った」「信じたのか?」「ああ、少々痛めつけたがね」「今どこだ? 会話が集中の邪魔か?」「ああ、でもこの金庫には昔から慣れてる」。トリー、金庫を開ける。「閉めろ」「証明したぞ。カネをくれ」。電話がかかる。「ガンサーか? 大したことじゃない。スミスは?」「ここにいる」「うちに来るんだろ?」「ああ、もう出る」。電話切る。ジーラ、ガスに「この男は大丈夫だ」「ジーラさん。お呼びして失礼を」「5万ドルぐらいで呼ぶな」トリー「ジーラさんか! あなたのブツだったのか。じゃあ取引は中止だ」「図に乗るなよ」「感傷的すぎるが今回はただにしておく」「ただ? なぜ?」「トム・デブリン。俺の親父だ。俺はトリー・デブリン」「デブリンか? なるほど。思い出した」「昔仲間だったろ?」「道理で顔に見覚えが。確かに昔の仲間だ」「兄弟同士の仲だったと」「誰がそう言った?」「ヴィク・ファラーだ。ムショの病院で会った」「ヴィクも仲間だった」「ジーラさん、親父を殺った4人組を知ってますか? 奴ら報いを受けました。自動車事故で死んだんです」「誰から聞いた?」「ヴィクですよ。病院で死ぬ前に。あんたのカネはいりません」「感傷的な理由で5万ドルをいらないと?」「親父同然の人をはめる訳にはいきません」。
サンディーに電話をするトリー。「嘘でジーラを騙せた。彼女を頼む。いい女だ」「トリー!」。トリーに一方的に電話を切られる。カドルス「警官じゃないの?」サンディー「出所してきたばかりの泥棒よ」「奴らに近づこうと私を利用した?」「そうよ」「まあいいわ。命を救ってくれた」。
ジーラ「俺を父親同然だとさ。集金人として週75ドルで雇った。心配ない。忠義心のある男だ。それに監視をつける。デブリンという名は好かん。俺は親子の情にはもろい。うちの子もトリーほど孝行だったらな」ガンサー「これは? 警察署長の報告書とは?」「署長のファウラーが数カ月賭博を閉めろと」スミス「なぜ?」「ドリスコルに捕まれかけてる」「袖の下は?」「週5千だ」「大した額だ。労組のワイロがかすむ」「賭博や売春の上がりからすれば価値がある」「ドリスコルは口実で抜ける気なのでは?」「奴は家族思いで、とりわけ娘を大事にしている。逆らえば娘を殺すと警告してある」。
“連邦犯罪対策委員会”“委員長 ウィリアム・ドリスコル”とドアに。ドリスコル「組織のボスたちが将軍のようになお不正な商売を指揮している。その上に君臨するのは高級幹部たち。部門別に実権を握っていて、ジーラは麻薬、ガンサーは労組、スミスは売春だ。表向きは堅実な実業家で、税を納め、いい身なりをしている。彼らを上で仕切るのがアール・コナーズ、大ボスだ。心優しく慈悲深いが、抜け目のないケダモノだ。彼はボス同士の争いを仲裁し、全国の組織を束ねてる。国家プロジェクト社という本部はここからほど近い建物だ。合法企業を隠れ蓑にしたピラミッド型のギャング組織。さて昨今急増する問題として、10代の麻薬常用や少女売春など犯罪の若年化がある。彼らの集まる飲料店などを利用し、闇の世界が青少年を蝕みつつある。我々の仕事は彼らの起訴だ。証言者の確保は困難。なぜなら証言すれば身内にも危険が及ぶ。だが勇気ある者が現れた。名はメンキン。国家プロジェクト社の帳簿係だが、証拠を渡してくれる。警察署長ファウラーにコナーズが麻薬取引や売春を黙認するよう、週5千ドルを握らせている証拠だ」。
“警察署長ファウラー”の文字。「コニー、私は家族に嘘をついてきた」「何の話?」「ワイロだ。週5千ドルで麻薬取引や売春を黙認してきた。残念だ。コニー。ママに会わす顔がない」「私からは言えない。ママにはパパが自分で話すべきよ」。コニー、去る。ドリスコルに「家族の命こそ大事だ」「連邦ビルに連行しよう。君が証言すれば多くの証人が名乗り出る」「バカな! 私が証言台に立つ前に娘は死ぬ。それが奴らのやり方と君も知ってるだろう? ジョン、生きていては家族が危ない」。銃に手を伸ばすファウラー。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)
待ち合わせ場所に来たガス。背後から「ガス、動くな」。トリーが現れる。「何を使って殴った?」「受話器だ。カネは?」「こんな夜中に大金は用意できない」「いつなら?」「明日、正午に連絡する」「行け」。トリーの背後から銃口がトリーのクビに当てられる。「ブツはどこだ?」「銃で脅しても無駄だ」。
ジーラ「見覚えのある顔だな」トリー「ここらで稼いでる」「金庫破りか?」「そう」「やれ、証明しろ。女とガスのやり取りを聞いたと?」。トリー、金庫開けに取り掛かる。「そうだ」「それでガスを殴り銃を奪った。どうやって女に尋問した?」「警官だと言った」「信じたのか?」「ああ、少々痛めつけたがね」「今どこだ? 会話が集中の邪魔か?」「ああ、でもこの金庫には昔から慣れてる」。トリー、金庫を開ける。「閉めろ」「証明したぞ。カネをくれ」。電話がかかる。「ガンサーか? 大したことじゃない。スミスは?」「ここにいる」「うちに来るんだろ?」「ああ、もう出る」。電話切る。ジーラ、ガスに「この男は大丈夫だ」「ジーラさん。お呼びして失礼を」「5万ドルぐらいで呼ぶな」トリー「ジーラさんか! あなたのブツだったのか。じゃあ取引は中止だ」「図に乗るなよ」「感傷的すぎるが今回はただにしておく」「ただ? なぜ?」「トム・デブリン。俺の親父だ。俺はトリー・デブリン」「デブリンか? なるほど。思い出した」「昔仲間だったろ?」「道理で顔に見覚えが。確かに昔の仲間だ」「兄弟同士の仲だったと」「誰がそう言った?」「ヴィク・ファラーだ。ムショの病院で会った」「ヴィクも仲間だった」「ジーラさん、親父を殺った4人組を知ってますか? 奴ら報いを受けました。自動車事故で死んだんです」「誰から聞いた?」「ヴィクですよ。病院で死ぬ前に。あんたのカネはいりません」「感傷的な理由で5万ドルをいらないと?」「親父同然の人をはめる訳にはいきません」。
サンディーに電話をするトリー。「嘘でジーラを騙せた。彼女を頼む。いい女だ」「トリー!」。トリーに一方的に電話を切られる。カドルス「警官じゃないの?」サンディー「出所してきたばかりの泥棒よ」「奴らに近づこうと私を利用した?」「そうよ」「まあいいわ。命を救ってくれた」。
ジーラ「俺を父親同然だとさ。集金人として週75ドルで雇った。心配ない。忠義心のある男だ。それに監視をつける。デブリンという名は好かん。俺は親子の情にはもろい。うちの子もトリーほど孝行だったらな」ガンサー「これは? 警察署長の報告書とは?」「署長のファウラーが数カ月賭博を閉めろと」スミス「なぜ?」「ドリスコルに捕まれかけてる」「袖の下は?」「週5千だ」「大した額だ。労組のワイロがかすむ」「賭博や売春の上がりからすれば価値がある」「ドリスコルは口実で抜ける気なのでは?」「奴は家族思いで、とりわけ娘を大事にしている。逆らえば娘を殺すと警告してある」。
“連邦犯罪対策委員会”“委員長 ウィリアム・ドリスコル”とドアに。ドリスコル「組織のボスたちが将軍のようになお不正な商売を指揮している。その上に君臨するのは高級幹部たち。部門別に実権を握っていて、ジーラは麻薬、ガンサーは労組、スミスは売春だ。表向きは堅実な実業家で、税を納め、いい身なりをしている。彼らを上で仕切るのがアール・コナーズ、大ボスだ。心優しく慈悲深いが、抜け目のないケダモノだ。彼はボス同士の争いを仲裁し、全国の組織を束ねてる。国家プロジェクト社という本部はここからほど近い建物だ。合法企業を隠れ蓑にしたピラミッド型のギャング組織。さて昨今急増する問題として、10代の麻薬常用や少女売春など犯罪の若年化がある。彼らの集まる飲料店などを利用し、闇の世界が青少年を蝕みつつある。我々の仕事は彼らの起訴だ。証言者の確保は困難。なぜなら証言すれば身内にも危険が及ぶ。だが勇気ある者が現れた。名はメンキン。国家プロジェクト社の帳簿係だが、証拠を渡してくれる。警察署長ファウラーにコナーズが麻薬取引や売春を黙認するよう、週5千ドルを握らせている証拠だ」。
“警察署長ファウラー”の文字。「コニー、私は家族に嘘をついてきた」「何の話?」「ワイロだ。週5千ドルで麻薬取引や売春を黙認してきた。残念だ。コニー。ママに会わす顔がない」「私からは言えない。ママにはパパが自分で話すべきよ」。コニー、去る。ドリスコルに「家族の命こそ大事だ」「連邦ビルに連行しよう。君が証言すれば多くの証人が名乗り出る」「バカな! 私が証言台に立つ前に娘は死ぬ。それが奴らのやり方と君も知ってるだろう? ジョン、生きていては家族が危ない」。銃に手を伸ばすファウラー。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)