地震:チリでM8.8
…死亡122人確認 各地で津波
2010年2月27日 20時53分 更新:2月28日 1時2分

27日、サンティアゴ付近で、地震により高速道路が崩落し、走行中の車が落下した現場=AP

サンティアゴでがれきの中を歩く住人=2010年2月27日、AP
【メキシコ市・庭田学】南米チリ中部で27日午前3時34分(日本時間同日午後3時34分)ごろ、マグニチュード(M)8.8の地震が発生した。 現地の報道によると死者は122人で、さらに増える可能性が高い。震源から300キロ以上離れた首都サンティアゴでも建物などに被害が出た。チリ滞在の日 本人は約1200人。今のところ被害情報はないが、震源地近くでは通信状態が悪く、連絡がとれない邦人家族もある。
地元紙テルセラ(電子版)によると、太平洋のファン・フェルナンデス諸島を津波が襲い、3人が行方不明になった。イースター島では住民の避難が始 まった。ハワイ諸島には最大で高さ4.8メートルの波が押し寄せる可能性がある。オーストラリアやニュージーランド、フィリピン、台湾、インドネシアなど で津波警報、米西海岸やアラスカ州などで津波注意報が出された。
米地質調査所によると、震源はコンセプシオン(人口約20万人)の北115キロの太平洋沿岸部。震源の深さは約35キロ。震源付近ではM6.0~6.9の比較的大きな余震が起きている。
コンセプシオンやタルカウアノなど震源に近い都市では、被害の把握が困難な状態。
バチェレ大統領は27日、「被災地に緊急チームが向かった。通信や電気の復旧を急ぐ」と述べ、国民に落ち着くよう呼びかけた。
チリは地震国として知られる。中南米では今年1月12日、ハイチでM7.0の大地震が発生し、20万人以上が死亡している。