<大阪教育条例案>「3回違反で免職」削除…府教委が修正案
毎日新聞 1月20日(金)12時23分配信
大阪維新の会が大阪府議会に提案している教育基本条例案について、府教委は20日、修正案をまとめた。維新案で「知事が設定する」としている教育目標 は、知事と府教委が「共同で教育振興基本計画を策定」とし、知事の権限を抑制した。君が代起立斉唱など同一の職務命令に3回違反した教職員を免職とする規 定は削除した。維新案の根幹部分について見直しを迫る内容で、全面対立は必至だ。
この日の教育委員会会議で決めた。
修正案は、知事の権限などについて定めた「教育行政基本条例案」と、学校現場に直接関わる「府立学校条例案」で構成。教育行政基本条例案では、教育目標 について「知事の目標設定は地方教育行政法に抵触する可能性がある」とした文部科学省の見解を踏まえ「知事は教育委員会と共同で教育振興基本計画を策定す る」と規定。目標を達成しなかった教育委員に対する知事の罷免権も削除した。
府立学校条例案では、府立高校長の公募について「全員」とする文言を外し、公募の枠を「拡大」との表現にとどめた。5段階の相対評価としていた教職員の評価は条例案から削除した。
3年連続定員割れの府立高を統廃合とする規定は年限を示さず「将来の生徒数、志望動向などを勘案し効果的・効率的な配置に努める」との表現にし、小中学 校の学力テストの学校別結果公表も削除した。学区制の撤廃については、付則で「条例施行後おおむね2年以内を目途に判断する」とした。【田中博子】
◇教育基本条例案◇
大阪維新の会が昨年9月に府議会に提案。「教育への民意の反映」を目的とし、知事が教育目標を設定し、達成しない教育委員は罷免▽全府立高校長を公募 ▽3年連続定員割れの府立高は統廃合▽2年連続最低評価の教員は分限処分▽学力テストの学校別結果公表--などを規定した。府教委は反対しており、政府は 昨年12月、知事の教育目標の設定を「地方公共団体の長に職務権限はない」とする答弁書を閣議決定した。松井一郎知事は条例案を一部修正し2月府議会に知 事提案で提出する方針を示している。
新しい知事は、古い知事/考え直して取り下げ、議論に耐えられるものを出しなさい。