【社説】日本の歴史歪曲を糾弾した米国歴史学者たち
2015年02月07日/中央日報日本語版
昨年秋、米国の大手教育出版社マグロウヒルは慰安婦問題に関する日本政府の修正要求に対し、「著者の作品・研究および記述内容を支持 し、いかなる修正もしない」と明らかにした。日本が問題視した内容は「日本軍は14-20歳の女性約20万人を慰安所で働かせるために強制的に徴用した」 「逃げようとして殺害された慰安婦もいた」などだ。
米国の歴史学者らは声明で、「第2次世界大戦当時、日本帝国主義により性搾取の野蛮なシステムの下で苦痛を経験した日本軍慰安婦に関 し、日本と他の国の歴史教科書記述を抑圧しようとする最近の日本政府の試みに、我々は驚きを禁じえない」と明らかにした。また「日本政府の文献を通じた吉見義明中央大教授の慎重な研究と生存者の証言は、国が後援した性的奴隷システムの本質的な特徴を見せているという点は論争の余地がない」と明らかにした。 米国の歴史学者が論争さえも拒否したのは、実質的な「性的奴隷システム」について包括的な強制性さえ否認しようとする安倍政権の反人道的な態度に影響を受 けたとみられる。
声明にはもう一つ特別な意味がある。その間、加害当事国である日本の良心的な知識人が、日本右翼の歴史歪曲と、これと連結した暴力的 な態度を糾弾する集団的な動きを見せてきた。ところが日本と被害国の韓国・中国を越えて、第3国の知識人がここに加わったのは、新たな事態の発展だ。動機 は米国の教科書だが、本質は日本の歴史歪曲だ。ますます多くの世界の知識人が、日本の歴史歪曲を韓日間の紛争ではなく、人権のような人類文明的な問題とし て把握しているということだ。
「安倍首相の教科書修正圧力に驚愕」米歴史学者が共同で声明
米国の歴史教科書に対する安倍首相の修正圧力に抗議する声明に米国の著名な歴史学者19人が署名した。//ハンギョレ新聞社
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今回の声明は、日本政府が米国の歴史教科書『伝統と遭遇:過去に対するグローバルな視点』を出版したマグロウヒル社と著者に、昨年末に慰安婦関連の文章 を削除することを要求したことがきっかけとなった。この教科書は「日本軍は14~20歳の約20万人の女性を慰安所で働かせるため強制的に募集、徴用し、 『慰安所』と名づけられた軍施設で働くように強要した。日本軍は、このような事実を隠蔽しようと多くの慰安婦の女性たちを虐殺した」と記述している。声明 を主導したアレクシス・ダデン教授はハンギョレとの通話で「外国政府がすでに証明された歴史的事実を教科書から削除してほしいと要求することは極めて異例 なことだ」と述べた。
この声明には、米国の歴史学会(AHA)の次期会長候補とされる著名な歴史家であるマニング教授をはじめ、権威ある日本の近現代史研究者であるキャロ ル・グラック コロンビア大学教授と日本が修正を要求した教科書の著者であるハーバート・ツィーグラー ハワイ大学教授などが参加した。ダデン教授は「アジアの研究者だけでなく、ロシア、米国、ヨーロッパ、中南米など、様々な研究者が署名に参加した」と紹介 した。
声明は慰安婦についての記述と関連し、「吉見義明中央大学教授による緻密な日本の文献研究と生存者の証言が、国の支援した性奴隷システムの本質的特徴を 示していることは、議論の余地がない」と明らかにした。声明は「一部の保守的な政治家は、国家レベルの責任を否定するために法的な議論を展開し、他の政治 家たちは生存者たちを中傷している」とし「右翼の過激派は、慰安婦問題を記録に残し犠牲者たちを記述することに関わったジャーナリストと学者たちを威嚇し ている」と批判した。
声明はまた、「我々はマグロウヒル社を支持し、『いかなる政府にも歴史を検閲する権利はない』というツィーグラー教授の見解に同意する」と強調した。
ワシントン/バク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力: 2015.02.06 07:17
http://www.hani.co.kr/arti/international/america/677178.html 訳H.J