大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

公約集で自民党は、防衛費に関して「NATOが国防予算について国内総生産(GDP)の2%以上への増額を目標にしていることを考慮し、来年から『5年以内』に必要な予算水準の達成を推進する」と明示した。

2022-07-09 | 戦争だけはやめてほしい

日本の参議院選、自民党は勝利を「予約」…

軍備増強・憲法改正に「予熱」

登録:2022-07-07 09:47 修正:2022-07-07 10:48
 
岸田首相、命運かかった中間評価 
日本全域を回りながら安保遊説の強行軍 
圧勝の時は「脱安倍」で国政掌握力高める 
 
改憲・防衛費増額が加速 
防衛費GDP2%以上の公約が実現した場合 
5年後には10兆円台、日本は世界3位の軍事大国に
 
 
3日午前10時30分、東京・渋谷駅のハチ公前広場で参院選を前に自民党支持を訴える岸田文雄首相の姿を、有権者が写真に収めている=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 「ロシアのウクライナ侵攻は、世界の平和秩序を揺るがしたとんでもない事件です。日本を取り巻く安全保障環境を考え、皆様のいのちと生活を守るための備えが十分かどうかをしっかり点検します」。

 3日日曜日午前10時30分、待ち合わせ場所として有名な東京・渋谷駅のハチ公前広場。32度を超える猛暑にもかかわらず、人々でぎっしり埋め尽くされた中、岸田文雄首相(自民党総裁)は10日の参院選を控え、演壇に立って自民党支持を訴えた。あちこちで写真を撮る人がおり、歓声が上がった。

 「今はどの国も自分の力だけで平和を守ることはできません。志を同じくする国との協力が必要です」。岸田首相は選挙運動期間の先月26~30日、ドイツとスペインで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議と北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した意味を強調した。この日の約10分間の演説で、ウクライナ戦争▽物価急騰▽賃金引き上げと経済活性化▽新型コロナなどに言及し、「このような課題を解決できるのは自民党しかない」と声を張り上げた。

 岸田首相はまさに「強行軍」の真っ最中だ。スペインのマドリードから戻った翌日の1日に沖縄で、2日に福井・京都・滋賀・大阪で街頭演説を行った。3日午前には東京、そして午後には北海道で支持を訴えた。

 今回の選挙は、昨年10月に発足した岸田政権の命運をかけた「中間評価」の性格を帯びている。選挙で大きく勝利すれば、国政掌握力が高まり、公約の実行に加速度がつく。これまで安倍晋三元首相の影に隠れて人事と主要な政策で本来のカラーを出せていなかった状況を突破できる環境が整えられる。かろうじて勝利するなら、安倍元首相が掲げる強硬論に引きずられ続けることになる。

 今回の参議院選挙では、125議席(欠員1議席の補欠選挙を含む)を新たに選出する。参議院の議席数は248席で任期は6年だが、3年ごとに全議員の半分を新たに選ぶ。岸田首相は選挙の勝敗基準について「選挙をしない議席数を含め、与党が過半数を占める」ことと明らかにした。自民党と公明党が55議席以上を確保すれば「勝利」が可能だ。日本の主要マスコミが1~3日に世論調査を行った結果、「与党が無難に過半数を占めるだろう」とし、63議席(今回の選挙で変わる125議席のうち半分以上)を上回ると見通した。

 選挙で勝てば、自民党は「世論の支持」を大義名分として憲法改正と、防衛費規模を大幅に増やす防衛政策などを本格的に実行していくことになる。自民党はロシアのウクライナ侵攻と中国・北朝鮮の軍事的脅威などに言及し、7つの主な公約の最優先事項を「外交・安保」とした。

 
 
3日午前10時30分、東京・渋谷駅のハチ公前広場で参院選を前に自民党支持を訴える岸田文雄首相の演説に有権者たちが耳を傾けている=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 公約集で自民党は、防衛費に関して「NATOが国防予算について国内総生産(GDP)の2%以上への増額を目標にしていることを考慮し、来年から『5年以内』に必要な予算水準の達成を推進する」と明示した。この公約が実行されれば、日本の防衛費は今年のGDPの0.94%水準の5兆4005億円から、5年後には10兆円を超えることになる。現在、世界で国防費支出9位の日本が、2027年頃には米国・中国に続き3位の軍事大国になるということだ。

 しかし、これをめぐっては党内で妙な緊張関係が形成されている。岸田首相は先月24日の読売新聞とのインタビューで、「(GDP)比2%の国防費という数字が話題になるが、数字ありきではない。必要なものは何かという『内容』と、裏付けとなる『予算』、そのための『財源』の3点セットで議論すべきだ」と述べた。「5年内に2%」を明示した自民党の公約と温度差がある。これに対して党内最大派閥の長である安倍元首相は、選挙遊説のたびに「私たち自身が国を守る努力をしなければならない。防衛費の場合、国内総生産の2%への増額が必要だ」と主張している。

 北朝鮮・中国など周辺国のミサイル基地を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を、「反撃能力」に用語を変えて保有しなければならないという内容も自民党公約に盛り込まれた。日本政府は今年中に、2013年に作られた日本の外交・安保政策の基本方針である国家安保戦略などにこのような内容を反映する予定だ。

 日本が防衛力を強化しなければならないという点については、世論は概して賛成しているが、具体的な懸案に入ると意見が分かれる。読売新聞が先月22~23日に実施した世論調査の結果、防衛費を「現在より増額する」という意見が47%、「今のままでよい」または「減らす」という意見が46%と拮抗した。3日、渋谷で会った40代後半の男性(自民党支持)は、「防衛力は強化されるべき」としながらも、「いまは経済があまりにも厳しいため、必ず必要なものから増やさなければ。むやみに2倍に増額するという考えには反対」と述べた。

 日本の「平和憲法」に自衛隊の存立根拠を明記する改憲も重要な争点だ。自民党は公約で「国民投票を通じて日本国憲法改正を早期に実現する」と明らかにした。岸田首相はインタビューや討論会で改憲に対する質問が出ると「非常に重要な課題だ。国民が選択できる機会を作るために、国会が努力しなければならない」と述べる。しかし、街頭遊説では「改憲」特に9条改憲についてはほとんど言及していない。安倍元首相が「自衛隊の違憲論議に終止符を打たなければならない」とし、機会があるたびに9条改憲を強調しているのとは対照的だ。

 改憲に賛成するいわゆる「改憲勢力」は、政権与党である自民党・公明党、野党では日本維新の会、国民民主党だ。今回の選挙で4党が改憲案発議が可能な3分の2議席(82議席以上)を確保するかが焦眉の関心事だ。日本経済新聞など日本のマスコミは、十分可能だとみている。世論も改憲に傾いているようだ。共同通信が5月の憲法記念日を迎えて実施した世論調査によれば、「自衛隊明記」に回答者の67%が賛成し、反対は30%にとどまった。1年前と比べて賛成(56%)が11ポイントも増えた。

 自民党は、参議院選挙が終わった後3年間大きな選挙がない、いわゆる「黄金の3年」が改憲の適期と判断している。しかし、平和憲法を支持してきた市民社会を中心に改憲に強く反対しており、実際改憲案が推進される場合、深刻な衝突が予想される。

 
 
昨年ドキュメンタリー『なぜ君は総理大臣になれないのか』の人気で大衆的認知度が高まった立憲民主党の小川淳也政調会長が2日、東京・立川駅の広場での街頭遊説で支持を訴えている=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 このような状況で、野党第一党の立憲民主党は、厳しい戦いを繰り広げている。昨年10月の衆議院選では野党の「候補一本化」を通じて自民党に対抗したが、むしろ議席数が減るなど事実上敗北し、大きく内傷を負った。立憲民主党は急騰する物価を狙って「岸田インフレ」と攻撃し、民生問題に火力を集中している。

 大衆的認知度の高い立憲民主党の小川淳也政調会長は2日、東京の立川駅広場で「賃金は上がらず、物価は急騰し、庶民の暮らしが非常に苦しくなっている」とし、「立憲民主党は生活の負担を下げるために消費税の一時的減税、教育無償化などを推進していく」と強調した。しかし支持率は4~6%で、改選「23議席」を守れるかは不透明だ。

 韓国でも有名な村山富市首相(1995年、村山談話を発表)を輩出した社民党は、存立すら脅かされている。日本の公職選挙法上、政党は所属議員が5人以上か、最も最近の衆・参院選で有効投票総数の2%以上を得なければならない。社民党は現在議員が2人で、昨年10月の衆議院選挙で得た支持は1.77%。2%を超えなければ政党要件を満たせなくなり、政見放送を出せず、衆院選挙で小選挙区と比例代表の重複立候補ができなくなる。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一人も欠かすことのできない... | トップ | 高浜原発3、4号機では20... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

戦争だけはやめてほしい」カテゴリの最新記事