建設アスベスト大阪2・3陣訴訟
メーカー12社に賠償命令
大阪地裁
建設現場でアスベスト(石綿)による健康被害を受けたとして、元建設労働者や遺族らが建材メーカーに対し、損害賠償請求を求めていた関西建設アスベスト大阪2陣・3陣訴訟の判決が30日、大阪地裁でありました。石丸将利裁判長はアスベスト被害に対する建材メーカーの責任を認め、12社に対し、被害者73人中64人(原告129人中104人)への計約9億4300万円の支払いを命じました。
メーカー12社は、A&AM、ニチアス、ノザワ、MMK、日鉄ケミカル&マテリアル、太平洋セメント、大建工業、日東紡績、パナソニック、神島化学、日本インシュレーション、積水化学。
村松昭夫大阪弁護団長は「全国の力で勝ち取った最高裁判決、その後の各地の判決を踏まえ、さらに前進した判決」と語りました。弁護団声明では、パナソニック(吸音天井板)と日本インシュレーション(保温材)の2社の責任を新たに認め、業種によっては注意義務の始期をさかのぼって認めるなど実態に基づき救済対象を広げた点、死亡した被害者への慰謝料を最高2950万円とした点などを評価しました。一方で、解体作業などに従事していた被害者9人の訴えは棄却されており、原告側は控訴を検討しています。
本訴訟で提訴した被害者73人のうち49人がすでに亡くなっており、被害者原告の男性(58)は「私も2016年に胸膜中皮腫を発症し、いつ死ぬかわからない。全ての被害者が救われるよう、生きているうちにメーカーは早く和解してほしい」と話しました。国については、被害者73人全員(うち1人は国の責任期間外のためゼロ和解)が和解成立しています。
弁護団は、全ての被害救済へ特別電話相談を、1日と2日の午前10時~午後6時まで実施します。電話0120(966)329